K-Net社労士受験ゼミ 合格ナビゲーション

社会保険労務士試験の合格を目指す方を応援するページ

136号

2006-09-30 06:49:13 | 合格ナビゲーション・バックナンバー
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2006.9.26

 K-Net 社労士受験ゼミ                    
         合格ナビゲーション No136


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     本日のメニュー
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1 はじめに

2 平成18年度試験・選択式・「社会保険に関する一般常識」

3 白書対策
  
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1 はじめに

ご存知の方も多いかもしれませんが・・・加藤はフォーサイトという
資格の学校で講師をしていますが、住宅新報社の講座の講師もしています。

で、この時期になりますと、
住宅新報社の講座とフォーサイトの講座って中身は違うのですか?
という問い合わせがあります。

ですので、この場で、簡単に、違いを説明させて頂きます。
フォーサイトの講座は、ライブ講座を受ける感覚で聴く講義です。
目の前にテキストがあり、それを解説するというものです。
ですので、書いてあることを読むということはあまりなく、
行間を解説するような講義です。
それに対して、
新報社の講座、これは前提としてテキストが目の前にないという
ものです。
たとえば、満員電車の中でテキストを開けないけど勉強したいとか、
掃除している際にとか、入浴中とか・・・・テキストが開けない
というのを前提に講義しているものです。
ですので、条文を読んでいるなんてところも多々あります。

ということで、根本的にまったく異なるものです。
ちなみに、
フォーサイトの講座は全科目を加藤が担当しますが、
住宅新報社の講座は、2007年向けから労働関連の科目は加藤で、
社会保険関連の科目は栗澤氏が担当します。

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▼  K-Net 社労士受験ゼミでは平成19年度社労士試験向け会員を
募集しています。
詳細は↓です。
http://www.sr-knet.com/2007member.html

ご不明な点はお問い合わせ下さい。

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2 平成18年度試験・選択式・「社会保険に関する一般常識」

まずは問題を見てください。

戦後の混乱は社会保険制度にほとんど壊滅的打撃を与えた。昭和20年
には、官業共済組合をふくめて、全国民の約3分の1が( A )に加入
していたといわれ、( B )は全国で約1万組合、被保険者約4,100万人
に達していたが、昭和22年6月にはわずかに40%ほどの組合が事業を
継続しているにすぎない状態であった。( C )もまた財源確保のために
( D )の改訂と料率引上げを繰り返さざるをえなかったのである。
ただし、昭和22年に労働者災害補償保険法と失業保険法が制定されたことは、
社会保険の大きな前進であったといえる。これに対応して、( C )の
給付から業務上災害がのぞかれ、( E )も事業主責任の分離を行った
のは当然である。なお、日雇労働者にも失業保険が適用されたのは昭和24年
5月からであった。

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「社会保険制度の沿革」に関する問題です。
年金制度、医療保険制度などの沿革については、社会保険に関する
一般常識からは頻繁に出題されています。
しかし、まったく同じという出題はありません。

ということで、今回の問題とまったく同内容の問題は過去に出題
されたことはありません。

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平成18年の選択式、空欄Aについて、解答がどうなるかは、公式発表が
行われないと何ともいえないところですので、ここでは言及しませんが、
そのほかの部分について、

厚生統計協会が発行している「保険と年金の動向2005年」に
「国民健康保険はめざましい発展を遂げ、昭和20年には、組合数10,349、
被保険者数4,075万人達した」
「昭和22年、労働者災害補償保険法と失業保険法が制定され、健康保険
においては、業務外の事故に対してのみ給付が行われることとなった」
「昭和22年、労働者災害補償保険制度が創設されたことに伴い、厚生年金
保険における事業主責任を分離するとともに・・・」
という記載があります。ですので、空欄B、C、Eは、これらの記載から
解答がわかります。

ちなみに、東京社会保険協会発行の「社会保険制度 改正経過概要」では、
障害年金について、昭和19年10月から「業務上については平均報酬月額の
5か月分から8か月分、業務外については4か月分とし・・・」、昭和22年
9月から「業務上外を問わず単一給付とする」とあり、空欄Eの根拠的な
内容があります。
そのほか、「社会保険制度 改正経過概要」によると、昭和17年から24年の
間に8回も標準報酬の改訂が行われていますので、空欄Dは「標準報酬」
で間違いないということになります。

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では、社会保険の沿革の問題、過去にどのような出題があったか見て
おきましょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【昭44-記述】
わが国においては、昭和36年以降( A )、( B )の体制が確立
され、社会保険制度の体系的整備が実現された。

【昭57-記述】
昭和34年に国民年金法が制定され、同年11月から( A )の給付が、
次いで昭和( B )年4月から拠出制国民年金の保険料の納付が始まり、
これによって( C )体制が確立された。

【昭63-記述】
我が国の医療保険制度の歴史は古く、大正11年(1922年)に( A )
が制定されたことに遡る。
第二次世界大戦後、全国民に対して医療保険制度を適用していくための
準備が進められ、自営業者、農民等の全ての非被用者を対象とする新しい
( B )が制定され、昭和36年(1961年)から全面的に実施され、
国民皆保険が実現した。

【平元-記述】
昭和61年4月より実施されている現行年金制度においては、( A )は
自営業者だけでなく被用者本人及びその被扶養配偶者にも適用され、
全国民に共通する( B )を支給する制度となった。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

かなり古い問題です。今現在の受験生の力からすると、これらの内容は
基本中の基本というところです。
ですので、このレベルの問題では、ほとんど差がつかないでしょうね。
試験というのは、やはりある程度差がつかないと、意味がないわけで、
そうなると、受験生のレベルが上がれば、やはり問題のレベルも上がり、
制度の根幹により一層突っ込んだ内容が出題されるってことになる
でしょう。

とはいえ、平成18年の出題、問題文に不適切な記載があるというのは、
考えものですが・・・

レベル設定という点では、当然のレベルでしょうし、出題内容も前述した
書籍の内容をベースにしたということで考えれば、出題そのものを批判
するような内容ではないでしょう。

ちなみに、先日、政府刊行物メールマガジンで、売れ行き良好ベスト5
なるものを紹介していましたが
3位が「国民衛生の動向 2006」(厚生統計協会)という書籍で、
これって「保険と年金の動向」の姉妹書みたいものでして、つまり発売
時期の関係があるので、「保険と年金の動向」は上位にランクはされて
ませんが、「保険と年金の動向」もかなり世に出ている本なんですよ。

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【昭44-記述】
( A ):国民皆保険
( B ):国民皆年金

【昭57-記述】
( A ):福祉年金
( B ):36
( C ):国民皆年金

【昭63-記述】
( A ):健康保険法
( B ):国民健康保険法

【平元-記述】
( A ):国民年金
( B ):基礎年金

【平18-選択】の解答です。
( A ):医療保険(あえて、何かを解答とするのであれば)
( B ):国民健康保険
( C ):健康保険
( D ):標準報酬
( E ):厚生年金保険

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この問題について、栗澤純一氏から下記のコメントを頂いています。

正解肢の設定の精度に問題があるとはいえ、個人的な見解としては、
出題対象としてはとても重要であると思います。確かに、根拠とされる
文献は、試験対策として直接的に押さえるものではありませんし、論点も
非常に細かいものばかりです。

ただ、社会保険労務士を目指す方には、申し添えておきたいことがあります。

「目先のことだけ追っていては、事の本質を見落とします」

社会保障制度は一朝一夕にして現在の仕組みが構築されたわけではありません。
今回、論点とされた戦後の社会保障を含め、国民皆保険・皆年金、介護保険
制度・・・すべては積み重ねで築き上げられたものですよね。
「温故知新」という言葉がありますが、積み重ねられるものには、すべてに
意味があるのですから、そのおおもとの部分をきちんと理解しておかなければ
本質は理解できません。

社労士業務・・・いや、何事も同じですね。社労士として仕事をしていく中
では、今後もさまざまな法改正が行われるでしょう。そのときに、「改正
事項」だけを知っていれば十分というものではありません。なぜ、その改正
が行われたのか、どうしてそのような規定になったのか?ということを、
日々積み重ねていかなければ、結局は付け焼刃の仕事しかできません。

少し長くなってしまいましたが、「残念ながら、今年はこの社会一般の問題で
涙を飲む」ことになった方も大勢いらっしゃると思います。
ですが、「なんだ、こんな問題!」で片付けないでください。
結果的にこの問題に翻弄され、1年間、余分に試験勉強をすることになるかも
しれませんが、「すべては積み重ねで成り立っている」という本質を気づかせて
くれる設問であることに間違いはありません。
社労士試験に限らず、合格した後の社労士像にも通ずるものですから。
このことを納得して頑張るのと、「平成の時代に戦後云々なんて!」と、
割り切れない思いで頑張るのとでは、今後の頑張りに大きな差が出てしまい
ますから・・・

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3 白書対策

7月まで連載していました、白書対策を再び連載します。
これからは、平成18年版の白書の内容を掲載していきます。
今回の白書対策は、平成18年版厚生労働白書P63の
「雇用に関するセーフティネットの整備」です。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

戦後まもなくの時期には、発生した大量の失業者の問題を解決することが
求められた。当時、労働市場は混乱、いわゆる口入れ業者などによる
中間搾取や劣悪な労働条件の職場等が大きな社会問題となっていた。

このため、昭和20年代前半においては、事業主に比べて立場の弱い
労働者を保護し、労働力過剰及び需要不足に伴う失業者を減らし、労働者
に良好な就業の場を確保するため、安心で安定した労働市場を形成し、
失業者の生活を保障するよう、雇用に関するセーフティネット(安全網)
が求められた。

また、1947(昭和22)年には、当時の劣悪な労働環境を改善するため、
労働条件について最低限遵守すべきルールとして、「労働基準法」が
制定されている。

1945(昭和20)年、日本国憲法が新たに制定されたことを踏まえ、
憲法に規定される勤労権を保障し、職業選択の自由の趣旨を尊重しつつ、
各人の有する能力に適当な職業に就く機会を与えることによって産業に
必要な労働力を充足し、これにより職業の安定を図るとともに、経済の
興隆に寄与することを目的として、1947(昭和22)年に「職業安定法」
が制定された。この法律に基づいて、職業紹介事業のセーフティネット
として公共職業安定所が整備される。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

「労働基準法」と「職業安定法」が、いつ、何のために制定されたのかを
明らかにした記載です。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

その後、国の指揮監督の下で、公務員が従事する全国的体系の職業安定機関
を設けることを義務づけた職業安定組織に関する条約(ILO88号条約)を
1953(昭和28)年に批准した。
この間、1947年の経済緊急対策の中で、失業した労働者の就職までの間の
生活の安定を国の責任において図るため、失業保険制度を速やかに創設
すべきとされたこと等を受けて、失業者の生活安定のための保険制度として、
1947年に「失業保険法」が制定され、その事務は公共職業安定所が担う
こととなった。
このように、国が設置・運営する公共職業安定所は、憲法に規定する勤労権
の保障や、ILO第88号条約を遵守する観点から、雇用のセーフティネット
としての機能を果たす。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

こちらは、雇用保険法の前身である「失業保険法」についてです。

いずれの法律についても、何のためにできたというのは、各法律を理解する
ための、最も基本となることですから、しっかりと確認しておきましょう。

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発行:K-Net 社労士受験ゼミ
              加藤 光大
まぐまぐID:0000148709
Home Page:http://www.sr-knet.com/

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労働基準法13-5-A

2006-09-30 06:48:47 | 今日の過去問
今日の過去問は「労働基準法13-5-A」です。

【 問 題 】

毎年1月1日から年末までの1年間を有効期間とする、労働基準法
第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定(以下
「36協定」という。)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た
場合において、当該36協定に協定の有効期間についての自動更新
条項がある場合には、翌年からは、協定の内容に変更のない限り、
所轄労働基準監督署長へは、何らの届出も必要ではない。
                                   
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 解 説 】

「当該協定の更新について労使両当事者のいずれからも異議の申し出が
なかった事実を証する書面」を所轄労働基準監督署長に届け出なければ
なりません。

 誤り
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白書対策・「雇用に関するセーフティネットの整備」

2006-09-29 05:49:00 | 白書対策
7月まで連載していました、白書対策を再び連載します。
これからは、平成18年版の白書の内容を掲載していきます。
今回の白書対策は、平成18年版厚生労働白書P63の
「雇用に関するセーフティネットの整備」です。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

戦後まもなくの時期には、発生した大量の失業者の問題を解決することが
求められた。当時、労働市場は混乱、いわゆる口入れ業者などによる
中間搾取や劣悪な労働条件の職場等が大きな社会問題となっていた。

このため、昭和20年代前半においては、事業主に比べて立場の弱い
労働者を保護し、労働力過剰及び需要不足に伴う失業者を減らし、労働者
に良好な就業の場を確保するため、安心で安定した労働市場を形成し、
失業者の生活を保障するよう、雇用に関するセーフティネット(安全網)
が求められた。

また、1947(昭和22)年には、当時の劣悪な労働環境を改善するため、
労働条件について最低限遵守すべきルールとして、「労働基準法」が
制定されている。

1945(昭和20)年、日本国憲法が新たに制定されたことを踏まえ、
憲法に規定される勤労権を保障し、職業選択の自由の趣旨を尊重しつつ、
各人の有する能力に適当な職業に就く機会を与えることによって産業に
必要な労働力を充足し、これにより職業の安定を図るとともに、経済の
興隆に寄与することを目的として、1947(昭和22)年に「職業安定法」
が制定された。この法律に基づいて、職業紹介事業のセーフティネット
として公共職業安定所が整備される。

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「労働基準法」と「職業安定法」が、いつ、何のために制定されたのかを
明らかにした記載です。

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その後、国の指揮監督の下で、公務員が従事する全国的体系の職業安定機関
を設けることを義務づけた職業安定組織に関する条約(ILO88号条約)を
1953(昭和28)年に批准した。
この間、1947年の経済緊急対策の中で、失業した労働者の就職までの間の
生活の安定を国の責任において図るため、失業保険制度を速やかに創設
すべきとされたこと等を受けて、失業者の生活安定のための保険制度として、
1947年に「失業保険法」が制定され、その事務は公共職業安定所が担う
こととなった。
このように、国が設置・運営する公共職業安定所は、憲法に規定する勤労権
の保障や、ILO第88号条約を遵守する観点から、雇用のセーフティネット
としての機能を果たす。

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こちらは、雇用保険法の前身である「失業保険法」についてです。

いずれの法律についても、何のためにできたというのは、各法律を理解する
ための、最も基本となることですから、しっかりと確認しておきましょう。
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労働基準法13-6-B

2006-09-29 05:48:31 | 今日の過去問
今日の過去問は「労働基準法13-6-B」です。

【 問 題 】

フレックスタイム制を採用する場合には、始業及び終業の時刻を
労働者の決定にゆだねることとし、かつ、労使協定により、清算期間、
清算期間における総労働時間、標準となる1日の労働時間、フレキシ
ブルタイム(労働者がその選択により労働することができる時間帯)
及びコアタイム(労働者が労働しなければならない時間帯)を定め
なければならない。   
                                  
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 解 説 】

フレキシブルタイム及びコアタイムは、労使協定で必ず定めなければ
ならないものではありません。

 誤り 
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平成18年度試験・選択式・「社会保険に関する一般常識」

2006-09-28 05:56:50 | 過去問データベース
まずは問題を見てください。

戦後の混乱は社会保険制度にほとんど壊滅的打撃を与えた。昭和20年
には、官業共済組合をふくめて、全国民の約3分の1が( A )に加入
していたといわれ、( B )は全国で約1万組合、被保険者約4,100万人
に達していたが、昭和22年6月にはわずかに40%ほどの組合が事業を
継続しているにすぎない状態であった。( C )もまた財源確保のために
( D )の改訂と料率引上げを繰り返さざるをえなかったのである。
ただし、昭和22年に労働者災害補償保険法と失業保険法が制定されたことは、
社会保険の大きな前進であったといえる。これに対応して、( C )の
給付から業務上災害がのぞかれ、( E )も事業主責任の分離を行った
のは当然である。なお、日雇労働者にも失業保険が適用されたのは昭和24年
5月からであった。

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「社会保険制度の沿革」に関する問題です。
年金制度、医療保険制度などの沿革については、社会保険に関する
一般常識からは頻繁に出題されています。
しかし、まったく同じという出題はありません。

ということで、今回の問題とまったく同内容の問題は過去に出題
されたことはありません。

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平成18年の選択式、空欄Aについて、解答がどうなるかは、公式発表が
行われないと何ともいえないところですので、ここでは言及しませんが、
そのほかの部分について、

厚生統計協会が発行している「保険と年金の動向2005年」に
「国民健康保険はめざましい発展を遂げ、昭和20年には、組合数10,349、
被保険者数4,075万人達した」
「昭和22年、労働者災害補償保険法と失業保険法が制定され、健康保険
においては、業務外の事故に対してのみ給付が行われることとなった」
「昭和22年、労働者災害補償保険制度が創設されたことに伴い、厚生年金
保険における事業主責任を分離するとともに・・・」
という記載があります。ですので、空欄B、C、Eは、これらの記載から
解答がわかります。

ちなみに、東京社会保険協会発行の「社会保険制度 改正経過概要」では、
障害年金について、昭和19年10月から「業務上については平均報酬月額の
5か月分から8か月分、業務外については4か月分とし・・・」、昭和22年
9月から「業務上外を問わず単一給付とする」とあり、空欄Eの根拠的な
内容があります。
そのほか、「社会保険制度 改正経過概要」によると、昭和17年から24年の
間に8回も標準報酬の改訂が行われていますので、空欄Dは「標準報酬」
で間違いないということになります。

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では、社会保険の沿革の問題、過去にどのような出題があったか見て
おきましょう。

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【昭44-記述】
わが国においては、昭和36年以降( A )、( B )の体制が確立
され、社会保険制度の体系的整備が実現された。

【昭57-記述】
昭和34年に国民年金法が制定され、同年11月から( A )の給付が、
次いで昭和( B )年4月から拠出制国民年金の保険料の納付が始まり、
これによって( C )体制が確立された。

【昭63-記述】
我が国の医療保険制度の歴史は古く、大正11年(1922年)に( A )
が制定されたことに遡る。
第二次世界大戦後、全国民に対して医療保険制度を適用していくための
準備が進められ、自営業者、農民等の全ての非被用者を対象とする新しい
( B )が制定され、昭和36年(1961年)から全面的に実施され、
国民皆保険が実現した。

【平元-記述】
昭和61年4月より実施されている現行年金制度においては、( A )は
自営業者だけでなく被用者本人及びその被扶養配偶者にも適用され、
全国民に共通する( B )を支給する制度となった。

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かなり古い問題です。今現在の受験生の力からすると、これらの内容は
基本中の基本というところです。
ですので、このレベルの問題では、ほとんど差がつかないでしょうね。
試験というのは、やはりある程度差がつかないと、意味がないわけで、
そうなると、受験生のレベルが上がれば、やはり問題のレベルも上がり、
制度の根幹により一層突っ込んだ内容が出題されるってことになる
でしょう。

とはいえ、平成18年の出題、問題文に不適切な記載があるというのは、
考えものですが・・・

レベル設定という点では、当然のレベルでしょうし、出題内容も前述した
書籍の内容をベースにしたということで考えれば、出題そのものを批判
するような内容ではないでしょう。

ちなみに、先日、政府刊行物メールマガジンで、売れ行き良好ベスト5
なるものを紹介していましたが
3位が「国民衛生の動向 2006」(厚生統計協会)という書籍で、
これって「保険と年金の動向」の姉妹書みたいものでして、つまり発売
時期の関係があるので、「保険と年金の動向」は上位にランクはされて
ませんが、「保険と年金の動向」もかなり世に出ている本なんですよ。

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【昭44-記述】
( A ):国民皆保険
( B ):国民皆年金

【昭57-記述】
( A ):福祉年金
( B ):36
( C ):国民皆年金

【昭63-記述】
( A ):健康保険法
( B ):国民健康保険法

【平元-記述】
( A ):国民年金
( B ):基礎年金

【平18-選択】の解答です。
( A ):医療保険(あえて、何かを解答とするのであれば)
( B ):国民健康保険
( C ):健康保険
( D ):標準報酬
( E ):厚生年金保険

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この問題について、栗澤純一氏から下記のコメントを頂いています。

正解肢の設定の精度に問題があるとはいえ、個人的な見解としては、
出題対象としてはとても重要であると思います。確かに、根拠とされる
文献は、試験対策として直接的に押さえるものではありませんし、論点も
非常に細かいものばかりです。

ただ、社会保険労務士を目指す方には、申し添えておきたいことがあります。

「目先のことだけ追っていては、事の本質を見落とします」

社会保障制度は一朝一夕にして現在の仕組みが構築されたわけではありません。
今回、論点とされた戦後の社会保障を含め、国民皆保険・皆年金、介護保険
制度・・・すべては積み重ねで築き上げられたものですよね。
「温故知新」という言葉がありますが、積み重ねられるものには、すべてに
意味があるのですから、そのおおもとの部分をきちんと理解しておかなければ
本質は理解できません。

社労士業務・・・いや、何事も同じですね。社労士として仕事をしていく中
では、今後もさまざまな法改正が行われるでしょう。そのときに、「改正
事項」だけを知っていれば十分というものではありません。なぜ、その改正
が行われたのか、どうしてそのような規定になったのか?ということを、
日々積み重ねていかなければ、結局は付け焼刃の仕事しかできません。

少し長くなってしまいましたが、「残念ながら、今年はこの社会一般の問題で
涙を飲む」ことになった方も大勢いらっしゃると思います。
ですが、「なんだ、こんな問題!」で片付けないでください。
結果的にこの問題に翻弄され、1年間、余分に試験勉強をすることになるかも
しれませんが、「すべては積み重ねで成り立っている」という本質を気づかせて
くれる設問であることに間違いはありません。
社労士試験に限らず、合格した後の社労士像にも通ずるものですから。
このことを納得して頑張るのと、「平成の時代に戦後云々なんて!」と、
割り切れない思いで頑張るのとでは、今後の頑張りに大きな差が出てしまい
ますから・・・
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労働基準法7―3-B

2006-09-28 05:45:39 | 今日の過去問
今日の過去問は「労働基準法7―3-B」です。

【 問 題 】

派遣労働者を派遣先においてフレックスタイム制の下で労働させる
には、派遣元事業場において、就業規則その他これに準ずるものに
より、始業及び終業の時刻を派遣労働者の決定にゆだねることを
定めるとともに、派遣先事業場において、フレックスタイム制に
係る労使協定を締結すればよく、派遣元事業場でフレックスタイム制
に係る労使協定を締結することは必ずしも必要ない。
                                   
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 解 説 】
フレックスタイム制に係る労使協定は、派遣元事業場において締結する
必要があります。

 誤り
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平成17年労働争議統計調査結果概要

2006-09-27 06:12:18 | ニュース掲示板
厚生労働省が平成17年労働争議統計調査結果概要を公表しました。
調査結果によれば、
平成17年の労働争議は、「総争議」の件数は708件、総参加人員は64万6千人
となっており、前年に比べ、件数が29件(3.9%)減、総参加人員が6万4千人(9.0%)減となっています。

詳細は 

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/sougi/05/index.html
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講座の違い

2006-09-27 06:10:42 | お知らせ
ご存知の方も多いかもしれませんが・・・加藤はフォーサイトという
資格の学校で講師をしていますが、住宅新報社の講座の講師もしています。

で、この時期になりますと、
住宅新報社の講座とフォーサイトの講座って中身は違うのですか?
という問い合わせがあります。

ですので、この場で、簡単に、違いを説明させて頂きます。
フォーサイトの講座は、ライブ講座を受ける感覚で聴く講義です。
目の前にテキストがあり、それを解説するというものです。
ですので、書いてあることを読むということはあまりなく、
行間を解説するような講義です。
それに対して、
新報社の講座、これは前提としてテキストが目の前にないという
ものです。
たとえば、満員電車の中でテキストを開けないけど勉強したいとか、
掃除している際にとか、入浴中とか・・・・テキストが開けない
というのを前提に講義しているものです。
ですので、条文を読んでいるなんてところも多々あります。

ということで、根本的にまったく異なるものです。
ちなみに、
フォーサイトの講座は全科目を加藤が担当しますが、
住宅新報社の講座は、2007年向けから労働関連の科目は加藤で、
社会保険関連の科目は栗澤氏が担当します。
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年金手帳等の添付が不要に

2006-09-27 06:06:17 | 改正情報
平成18年10月1日から、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等の
届書に年金手帳等の添付が不要になります。

詳細は 

http://www.sia.go.jp/topics/2006/n0926.html
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労働基準法13―6-A

2006-09-27 06:04:56 | 今日の過去問
今日の過去問は「労働基準法13―6-A」です。

【 問 題 】

1か月単位の変形労働時間制を採用した場合、変形期間を平均し
1週間当たりの労働時間が週法定労働時間以内となるようにする
ために行う、変形期間における所定労働時間の総枠の計算は、次
の式によって行う。
その事業場の週法定労働時間×変形期間の労働日数÷7
                                   
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 解 説 】

変形期間における所定労働時間の総枠の計算は、その事業場の週法定
労働時間に「変形期間の暦日数」を乗じて得た数を7で除して得たもの
です。

 誤り
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出産育児一時金等の医療機関等による受取代理

2006-09-26 05:50:27 | 改正情報
出産育児一時金及び家族出産育児一時金について、
医療機関が受け取れるようになります。

出産育児一時金等の受取代理は、被保険者が医療機関等を受取代理人として
出産育児一時金を事前に申請し、医療機関等が被保険者等に対して請求する
出産費用の額を限度として、医療機関等が被保険者に代わって出産育児一時金等
を受け取ることができる制度です。
被保険者等が医療機関等の窓口において出産費用を支払う負担を軽減することを
目的としています。

詳細は 

http://www.sia.go.jp/topics/2006/n0925.html
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労働基準法3-7-B

2006-09-26 05:37:22 | 今日の過去問
今日の過去問は「労働基準法3-7-B」です。

【 問 題 】

使用者は、労使協定がなければ、1箇月単位の変形労働時間制を採用
することができない。
                      
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 解 説 】

使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより定めることでも、1箇月
単位の変形労働時間制を採用することができます。

 誤り
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習うより、慣れろ

2006-09-25 05:38:45 | 社労士試験合格マニュアル
日本語って、難しいですよね。

普段、普通に使っている言葉ですが・・・

文章にしたとき、それも法律の文章にしたとき。

まるで違う国の言葉を読んでいる気分になる方もいるのでは?

とはいえ、試験問題の文章は、そのような言葉で書かれています。

勉強をしていく上では、何をいわんとしているのか、わからないと
先に進むことはできませんが、最終的に読み砕かなければならないのは、
法律的な文章です。

ですので、噛み砕いた文章を活用して勉強をすることも必要ですが、
それだけに徹してしまうと、最終的に問題を解くことができなくなって
しまいます。

文章のいわんとしていることをつかんだら、条文ベースの表現では
どうなるってこと、これを確認する、というか、そのような文章を読む、
これって、とても大切です。

ですので、そのような文章を避けるのではなく、積極的に読み、
徐々に慣れていくようにしましょう。

社労士試験は、「法律家」になるための試験ですからね。

社労士法の社労士の職責という規定では、

「社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令
及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わ
なければならない」

ってあります。
社労士は、法令に精通していないといけないんですよね・・・
実務より前に、法令がまずありってところ、
法律家なら、まずは法令をちゃんと知っている、わかっている
ってことではないでしょうか?

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134号

2006-09-25 05:38:16 | 合格ナビゲーション・バックナンバー
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2006.9.22

 K-Net 社労士受験ゼミ                    
         合格ナビゲーション No134


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     本日のメニュー
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1 はじめに

2 合格体験記

3 平成18年度試験・選択式・「国民年金法」
  
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1 はじめに

3回連続で受験体験記を掲載しましたが、今回は平成13年の試験で
合格をした大和空(仮名)さんの合格体験記を掲載します。
ちなみに、大和空さんとは、個人的に凄く親しくさせて頂いており、
世の中に、こんないい人はいないのでは?と周りから言われる方で、
その人柄が出た内容となっております。

◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆

▼  K-Net 社労士受験ゼミでは平成19年度社労士試験向け会員を
募集しています。
詳細は↓です。
http://www.sr-knet.com/2007member.html

ご不明な点はお問い合わせ下さい。

◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆□◆

2 大和空さんの合格体験記

■ 直前期の不安

平成13年8月。社労士本試験1週間前。

それまで数か月間続けていた夜型の生活を朝型に切り替えようと、
夜は早めに布団に入るようにしていました。
でも、布団の中では、本試験への不安で押しつぶされそうでした。

その年の3月に会社を辞めていたため、落ちるわけにはいきませんでした。
今でも、あの年に落ちていたらどういった人生を歩んでいたか想像すらできません。
“人生を歩む”ということを続けていたかどうかもわかりません。
冗談ではなく、自ら人生に終止符を打っていたかもしれません。
全てを賭けて臨んだ試験でした。

毎晩、「落ちるかも」という不安の闇のなかで、それでも、「本当に落ちる?」
という一筋の希望に似た疑問が胸に宿ります。
そして、本試験で確実に取れる択一式の点数を科目毎に出していきます。

労基 5点
安衛 1点
労災 5点
雇用 5点
徴収 4点
労一 3点
社一 3点
健保 7点
厚年 7点
国年 8点

計 48点

もちろん、5年前のことなので、正確な数字は覚えていませんが、
たぶんこんな点数だったはずです。
前年の平成12年の合格点は、公表されませんでしたが49点前後。
確実なところでこの点数なら、多分本番も大丈夫。
静かな自信に包まれ、眠りにつきます。

■ 根拠は過去問

48点の根拠は、過去問や予備校の模試のうち、確実に解答できる問題の割合。
たまたま答えがあったというようなあぶなっかしい問題は除き、一つひとつの
選択肢の正誤を、きちんと理由をつけて答えられる問題の割合を積み上げます。

その過去問を回した回数は、2年間を通じて、各科目3回~4回でした。
合格者の平均よりは少ない方だと思います。
ただ、1回回すときに、実質的には1.5回解いています。
最初に解く際に、誤りの根拠やその他疑問に思ったことをノートに書き出します。
その後、解答の根拠、疑問点の箇所を基本書で探します。
問題集の解説を読む前にです。解答も見ません。
要は、基本書をみながらもう1度解くという形になります。
これでだいぶ力がつきました。

■ 選択式

選択式については、基本的には、択一式の知識が十分であれば、必要な合計点は
とれます。
心配なのは、科目別合格基準点の存在。
鍵は、合格者が取れる点は確実にとること。
社会保障の歴史や制度の大枠については、関係する仕事をしていたので、自分が
答えられなくて他の受験生が答えられる問題、しかも、それで合否が決まること
になることはまずないはずでした。
一方で、実務経験がないという穴を埋めるため、年金教室や、労政事務所の
セミナーに通いました。もちろん、本当の実務とはいえませんが、必要最低限の
勘が試験時に働くようにしておくことが大切でした。

■ 信じれば受かる!?

前年、平成12年の試験で、「受かると信じれば受かる」と臨んだ本番。
ある意味、要領よくマグレを狙ってました。
でも、完全な実力不足で不合格。
「受かると信じれば受かる」なんていっても、本当に心底信じられなければ
受かるわけがないんです。
心の底で「ダメかも」なんて思ってるのに、頭でだけ「受かるんだ。受かるんだ」
と考えても、受かるわけないんです。
付け焼刃のプラス思考じゃ、通用する試験ではありません。
「受かると信じれば受かる」というのは、「一定の学習をきちんとやれば受かる
と信じられる。信じられるほど努力してる。だから、受かる」んです。

本試験当日。会場の教室には30人から40人の受験生。合格率が8~9%なら、
受かるのは単純計算で2人か3人。
平成12年の「そのなかに入れるんだろうか」という不安は、平成13年は、
「受かるのは、自分と、あとは、このなかの誰だろう」と周囲を眺める余裕に
変わっていました。
結果は、合格でした。

■ 正しい道に

合格後の今、多少社会保険と関連する教材の制作に携わっていますが、知識が
どんどん抜け落ちていくことに焦りを感じています。
それでも、後ろに退けない状況で、確実に合格に持っていくことができたのは、
自分のなかで、大きな自信につながっています。

この試験を巡り、受験生は、大きなものから小さなものまで、様々な選択をします。
会社を辞める。働きながら受ける。
通学で学習する。通信教育で学習する。
そもそも、試験を受けるのか。やっぱり止めるのか。
自ら選んだことでなくても、学習する環境では様々なことが起きます。
その中で大切なのは、選んだ道、選ばされた道が正しかったかどうかを考える
のではなく、その道を正しいものにしようとする姿勢です。
そのことに気がついたことも、社労士試験の受験を通しての大きな収穫でした。

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3 平成18年度試験・選択式・「国民年金法」

まずは問題を見てください。

政府は、国民年金法の規定により財政の現況及び見通しを作成するに
当たり、( A )が、( B )の終了時に( C )に支障が生じない
ようにするために必要な( D )を保有しつつ当該( B )に
わたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、年金たる
給付の額(以下給付額という)を( E )するものとし、政令で、
給付額を( E )する期間の開始年度を定めるものとする。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

「調整期間」に関する問題です。
厚生年金保険法も平成16年の改正の出題でしたが、国民年金法も
同様に平成16年の改正の出題でした。

ということで、過去に直接この規定が出題されたことはありません。
かといって、関連性のある問題が昨年出題されているかどうかという点では、
出題がありました。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【17-選択】

国民年金法第4条の3第1項の規定による( E )が作成されるときは、
厚生労働大臣は厚生年金保険の( A )が負担し、又は( D )が納付
すべき( C )についてその将来にわたる予想額を算定するものとされて
いる。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

解答は
( A ):管掌者たる政府   
( C ):基礎年金拠出金
( D ):年金保険者たる共済組合等
( E ):財政の現況及び見通し(法94条の2)
です。

( E )の空欄は、財政の現況及び見通しが作成されるときですよね。
では、この問題を解いたとき、単に「財政の現況及び見通し」なんだで
終わりでしょうか?
どういうタイミングで作成されるとか、関連する規定はあったとか、
考える必要があります。
選択式の問題に取り組む際、単に空欄だけ埋めるんでは、そのままの
出題以外、まったく対応できませんよね。
そもそも選択式というのは、択一の延長線上にあるようなものですから、
空欄だけ考えるのであれば、極端な話、わざわざ選択式の問題なんて
解かなくても十分です。
空欄と関連することや空欄以外の内容、その辺をしっかりと確認する
ことが必要です。
そうすれば、【17-選択】から【18-選択】に行き着くでしょうから、
簡単に解けたはずです。

続いて、次の問題を見てください。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【17-厚年―選択】

財政運営の方式としては、100年程度の間において給付と負担の均衡を図り、
財政均衡期間の最終年度における積立金水準を支払準備金程度(給付費の
約 ( E )年分程度)とする有限均衡方式を導入した。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

( E )は「1」が解答です。
まず、文章中に「財政均衡期間」とありますが、これは、【18-選択】の
Bの空欄の解答です。
この問題では、「給付と負担の均衡を図り」と言っています。
これって、「給付の支給に支障が生じない」ってことにつながりますよね。
均衡が取れなければ、支給に支障が生じるのですから。

さらに、【17-厚年―選択】では、「積立金水準」と言う言葉を使って
います。
これって、【18-選択】の「積立金を保有しつつ」につながるところです。

選択式の文章って、どうしても解答の箇所だけに目が行きがちですが、
文章全体で、考えていくってことが、大切なんですよね。

同じ言葉の同じ空欄、確かにありますが、それだけ勉強するとなると、
効率は悪いし、本質的に過去に問われたことを勉強していないってこと
なんですよね。
出題されたと言うことは、その文章が全体として重要ということなん
ですよね。

改正されて間もない規定は、過去問には、あまりありません。
でも、1度出題されたところを応用的に勉強していけば、かなり幅広い
対応ができるんですよね。

択一でも同じです。必ずしも同じような誤りを作るとは限りません。

正誤の判断だけでなく、その理由や応用を勉強すること、これが大切
なんですね。

いつ出たかではないですよ。どのように出題されたか、関連することは・・・
これが大切です。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【18-選択】の解答です。

( A ):国民年金事業の財政
( B ):財政均衡期間
( C ):給付の支給
( D ):積立金
( E ):調整

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

この問題について、栗澤純一氏から下記のコメントを頂いています。

「調整期間」が出題対象とされました。
調整期間の開始年度は平成17年度であること、さらには昨年の試験に
おいて出題されていないことを考えれば出題対象とされてもおかしくは
ないのですが、いかんせん、近年の国民年金法の出題傾向とはかけ離れた
内容でした。
ちょっといい訳がましくなりますが、試験前に掲載した出題予想の根拠
とした「出題実績」をもう一度確認してみましょう。

【選択式試験 出題予想:国民年金法より~】

平成12年:国民年金制度の沿革
平成13年:国民年金制度の財政方式
平成14年:年金額の改定等
平成15年:国民年金制度の沿革
平成16年:国民年金制度の沿革
平成17年:基礎年金拠出金等

「国民年金制度の沿革」が繰り返し出題されていることがわかります。
~中略~「条文抜出し型の出題はほとんどない」ことが、対策をより
難しいものにしています。

最後の一文にもありますが、ここを覆されてしまうと・・・正直に
申し上げて、厳しいものがあります。
社会保険労務士が取り扱う法律、とりわけ「年金制度」や「医療保険制度」
に関連するものは、「現在の仕組みだけを知っていれば、それでこと足りる」
というものではありません(この辺りはいろんなご意見があるかもしれ
ませんが・・・)。
出題者側もそういったことを踏まえているからこそ、近年の出題傾向が確立
されてきたのだと思っていたのですが、講師:栗澤の個人的な感想としては、
「出題対象として適当であったか否か」という以前に、その出題手法に、
すこし寂しさを覚えました。
ただ、平成18年試験の出題傾向が今後も続くかといえば、必ずしもそう
とは断言できないでしょう(これには個人的な希望も多分に含まれて
いますが)。
残念ながら「来年、再挑戦!」という方には、これまでの出題傾向を
踏まえた学習をしていただきたいと思います。

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▼ このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
を利用して発行しています。

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発行:K-Net 社労士受験ゼミ
              加藤 光大
まぐまぐID:0000148709
Home Page:http://www.sr-knet.com/

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労働基準法13-5-D

2006-09-25 05:33:36 | 今日の過去問
今日の過去問は「労働基準法13-5-D」です。

【 問 題 】

変形労働時間制を採用していない事業場において、使用者が具体的に
指示した仕事が客観的に見て一日の法定労働時間内では完了することが
できないと認められる場合のように、超過勤務の黙示の指示によって
労働者が当該法定労働時間を超えて労働した場合には、使用者は、労働
基準法第37条の規定による割増賃金を支払わなければならない。                     
                                  
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 解 説 】

時間外労働が行われた場合には、それが黙示の指示によって行われたもの
でも割増賃金を支払わなければなりません。

 正しい 
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