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整理を整理する,その2

2013年05月18日 | 読書
 『佐藤可士和の超整理術』(日経ビジネス人文庫)

 この著に書かれてある、整理に対する考え方、整理術の核となることを、自分なりにキーワード化してみた。

 本文中に使われていない言葉をひねり出して、三つを提示する。

 絶縁  俯瞰  共有

 整理下手な自分には、その能力に欠ける点があるということだ。


 絶縁とは単純に言えば「捨てる」こと。捨てるとはその物事と縁を切ることである。今、黙っていれば縁を迫るモノは次々と押し寄せ、身の回りにまとわりつく。
 それを積極的に振り払う力、習慣が必要である。
 絶縁能力とは、野口芳宏先生もご講演などでよく口にされていたことだ。
 「とりあえず」を連発しながら、たくさんの縁と絡んでいては、本質が見えなくなる。

 俯瞰とは、どこまでも視点を引いて引いて、その特性をずばりと見抜くこと。身に纏うものが多ければ、視点を引くこともままならない。その意味でも絶縁と大きく関わる。
 客観視、複眼的思考…似た言葉もあるけれど、肝心なのは「一歩引く」。見えなかったら「もう一歩引く」…引くことによって、他との比較や位置づけが明確になる。そういう目で物事を見るように常に心がけることだ。
 物品や情報は単発でやってくることが多いけれど、みんな背景を持っている。

 共有という感覚、そして決意は、整理に欠かせないだろう。
 著者は、最終章にこう書く。

 最大のポイントは、視点を見つけること

 具体的な視点は様々にあるという。デザインを考えるうえでは、使用頻度、時間軸、機能などだけでなく、好悪や認知度なんてものもある。そういう意味での視点とはまた別の段階で、仕事を完結させるために大きく働くのは「共有」という視点ではないか。

 物品であれば、想像するに容易いだろう。
 情報であっても現在ネットを中心に進行している状況からはわかりやすい。
 そして思考である。
 これは思考の共有のためというより、過程そのものが大事だ。
 つまり、相手の考え、思いを理解するための働きかけであり、そのやりとりを通じて、思考の共有化が図られれば、必ず整理に行き着く。その意味で「言語」の重要性は計り知れない。

 整理は、空間・情報・思考の共有のために為される、と言いきってしまえば、落ちこぼれのまま居直ってはいられない。猛省。

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