すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

わかっている人は、こう表現する

2011年11月08日 | 読書
 『佐藤可士和の超整理術』(日経ビジネス人文庫)
 http://www.nikkeibook.com/detail.php?class_code=16594

 超のつくほど有名なデザイナー(アートディレクターと書かれてある)である。
 デザインに関心はあるほうだが、造詣が深いわけではない。
 ただ自分の興味ある舞台によく姿を現わしてくるのが、この佐藤可士和である。

 それは雑誌であったり、ウェブサイトであったりする。
 本を手に取ったのは初めてだったが、読んでみるとこれが著者にとっても初めての単行本だという。

 整理術の本は他にもいくつか読んだことがある。その中でもこの本は実に喧しくなく、文字通り整理されている印象を持った。
 整理のプロセスは、状況把握、視点導入、課題把握とシンプルにまとめられていて、それをフォーマット化しているのでわかりやすい。

 特に印象深いのは次の二つのポイント。

 自分や相手の考えを言語化してみる

 アップデート


 目新しい言葉や考えではないが、実に明快だ。
 言語化しなければ、「見えない」「伝わらない」。
 視点は不変のものではない。定期的にそういう時間、作業を持つことで整理を維持していくという発想も強固だと感じた。

 デザイン、アートという仕事上のことでなく、「表現者」だなあと感ずる。
 また「わかっている人」なんだと思う。そうでなければ、こんな表現の仕方はなかなか出てこないと思った。

 表現とは、たとえればスープのようなものでもあります。たくさんの情報のなかから魅力を抽出したあとに、旨み(魅力)のエキスを凝縮するような感じ。

 超一流と呼ばれる板前やシェフもまた、整理に長けていることは間違いない。

コメントを投稿