「授業成立」に関わるメールマガジンの原稿を依頼され、「学習意欲と授業成立」についてまとめてみた。
具体性に欠け、また舌足らずな部分も多くなってしまった。
ただ考えるにつけて、「学習意欲」を単一の形で見てはいけないと思うようになったのは収穫だった。
==============================
学習意欲の喚起・持続・安定をはかる
==============================
◆学習意欲を喚起し、一時間の授業を成立させる◆
昨秋、月に1回のペースで外部講師を招いた校内研修を実施した。
いずれも「飛び込み授業つき講話」という形であり、授業をうけた子どもたちにとっても職員にとっても実に充実したセミナーとなった。
飛び込み授業における「学習意欲と授業成立」を考えた場合に、初めて出会う「物珍しさ」や「目新しさ」はとても有利なポイントと言えるだろう。しかし、本校で授業してくださった先生方は、それを生かしながらも明らかに、学習意欲を喚起する原則的なことを示してくださった。
【教材・教具、課題の選択と提示の工夫】
【学習者の活動に対する的確な対応と評価】
10月の講師であった上條晴夫先生は、「大」のつく二字熟語集めをグループ対抗の形でスタートさせた。12月の佐藤正寿先生は、プロジェクターを使った歴史人物クイズから、主眼である「オリンピック」に結びつけていった。11月にお招きした野口芳宏先生は子どもたちの言葉のレベルを巧みに見きわめながら、問いの難易度を調整していった。また、答られずに涙を見せた子へのスキンシップの温かさも印象に残っている。
授業を成立させるための学習意欲は、大まかに上記二つのことに左右されると言い切ってもいいだろう。
しかしまた、日常の学校現場における授業成立は、このように断片的に語るだけでは済まされない。単元全体や年間を通した授業成立こそ課題であり、それを支える学習意欲に目を向けることが必要なのではないか。
◆学習意欲を持続、安定させ、授業を成立させる◆
ここで重視されることは「連続性・追求性・発展性」という点だろう。子ども一人一人の中に、その感覚を持たせられるかが鍵である。そのためには課題設定の工夫に留まらず、学習技能、学習規律といった面も重視しなければならない。さらに個への配慮が継続的になされることも大きい。
課題や方法の設定、一人一人への目配りにおいて、見逃せない考えがある。市川伸一氏が、『学ぶ意欲とスキルを育てる』(小学館)の中で書かれている「学習動機の2要因モデル」である。次の六つが提示されている。
・充実志向(学習自体が楽しい) ・訓練志向(知力を鍛えるため)
・実用志向(仕事や生活に生かす) ・関係志向(他者につられて)
・自尊志向(プライドや競争心から)・報酬志向(報酬を得る手段として)
子どもによって何に動機づけられるか違いがあって当然であるし、発達段階によって変化もすることだろう。教師としては「充実志向」への働きかけつまり学習内容への興味づけが核になろうが、上記分類に照らした様々なアプローチが、長期間の授業成立の支えになるはずである。
一人一人の志向を見極め、学習計画作成時の配慮や個への助言等を考えてみたい。授業の中で、ノートへの書き込みで、何気ない会話で、例えばこんな言葉かけの使い分けを意識することは有効に働くのではないか。
「これを学ぶと、ぐんぐん力が伸びてくるよ」
「これって、○○をするときに使えるよね」
「○○さんと話し合ったり、作ったりして楽しかったでしょう」
「すごい、あの難しい問題があっという間にできたんだね」
「あれができたら、金シールが貼れるよ」
具体性に欠け、また舌足らずな部分も多くなってしまった。
ただ考えるにつけて、「学習意欲」を単一の形で見てはいけないと思うようになったのは収穫だった。
==============================
学習意欲の喚起・持続・安定をはかる
==============================
◆学習意欲を喚起し、一時間の授業を成立させる◆
昨秋、月に1回のペースで外部講師を招いた校内研修を実施した。
いずれも「飛び込み授業つき講話」という形であり、授業をうけた子どもたちにとっても職員にとっても実に充実したセミナーとなった。
飛び込み授業における「学習意欲と授業成立」を考えた場合に、初めて出会う「物珍しさ」や「目新しさ」はとても有利なポイントと言えるだろう。しかし、本校で授業してくださった先生方は、それを生かしながらも明らかに、学習意欲を喚起する原則的なことを示してくださった。
【教材・教具、課題の選択と提示の工夫】
【学習者の活動に対する的確な対応と評価】
10月の講師であった上條晴夫先生は、「大」のつく二字熟語集めをグループ対抗の形でスタートさせた。12月の佐藤正寿先生は、プロジェクターを使った歴史人物クイズから、主眼である「オリンピック」に結びつけていった。11月にお招きした野口芳宏先生は子どもたちの言葉のレベルを巧みに見きわめながら、問いの難易度を調整していった。また、答られずに涙を見せた子へのスキンシップの温かさも印象に残っている。
授業を成立させるための学習意欲は、大まかに上記二つのことに左右されると言い切ってもいいだろう。
しかしまた、日常の学校現場における授業成立は、このように断片的に語るだけでは済まされない。単元全体や年間を通した授業成立こそ課題であり、それを支える学習意欲に目を向けることが必要なのではないか。
◆学習意欲を持続、安定させ、授業を成立させる◆
ここで重視されることは「連続性・追求性・発展性」という点だろう。子ども一人一人の中に、その感覚を持たせられるかが鍵である。そのためには課題設定の工夫に留まらず、学習技能、学習規律といった面も重視しなければならない。さらに個への配慮が継続的になされることも大きい。
課題や方法の設定、一人一人への目配りにおいて、見逃せない考えがある。市川伸一氏が、『学ぶ意欲とスキルを育てる』(小学館)の中で書かれている「学習動機の2要因モデル」である。次の六つが提示されている。
・充実志向(学習自体が楽しい) ・訓練志向(知力を鍛えるため)
・実用志向(仕事や生活に生かす) ・関係志向(他者につられて)
・自尊志向(プライドや競争心から)・報酬志向(報酬を得る手段として)
子どもによって何に動機づけられるか違いがあって当然であるし、発達段階によって変化もすることだろう。教師としては「充実志向」への働きかけつまり学習内容への興味づけが核になろうが、上記分類に照らした様々なアプローチが、長期間の授業成立の支えになるはずである。
一人一人の志向を見極め、学習計画作成時の配慮や個への助言等を考えてみたい。授業の中で、ノートへの書き込みで、何気ない会話で、例えばこんな言葉かけの使い分けを意識することは有効に働くのではないか。
「これを学ぶと、ぐんぐん力が伸びてくるよ」
「これって、○○をするときに使えるよね」
「○○さんと話し合ったり、作ったりして楽しかったでしょう」
「すごい、あの難しい問題があっという間にできたんだね」
「あれができたら、金シールが貼れるよ」
先生がおっしゃっている「連続性・追求性・発展性を一人一人の中に持たせられるかが鍵」という部分をもう少し詳しく教えていただけませんか?
特に連続性・追求性・発展性の具体的な部分です。
よろしくお願いいたします。
具体的な実践のイメージとして、私自身がパッと思い浮かぶのは、有田和正先生の「追究の鬼」や岩下修先生の「自学(と授業との関連)」です。またノートの使い方や調べ方などの学習技能の鍛えが意欲を持続させていくためには大きな要素になると思っています。
「○○性」といった用語そのものの解釈は、専門でもなく勉強不足なので、もし誤解を与えたようでしたら、ごめんなさい。
コメントありがとうございました。