スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

報知グランプリカップ&神学への貢献

2015-02-11 19:28:39 | 地方競馬
 祝日に重なった第51回報知グランプリカップ。プレファシオが出走取消で10頭。ガンマーバーストは吉原騎手が9レースで負傷したため本田騎手に変更。
 先手を奪ったのはトーセンアドミラル。サーモピレー,ウインペンタゴンが概ね1馬身の間隔で続き,まずこの3頭が抜け出す形に。好位を追走したのがトーセンアレスとガンマーバースト。トラバージョが続き,カキツバタロイヤルとバトードール。インサイドザパークが9番手で最後尾にカイカヨソウが前半の隊列。最初の800mは49秒7ですからミドルペース。
 向正面でトーセンアレスが前との差を詰め始めてレースが動き出しました。3コーナーではトーセンアドミラルにサーモピレーが並び掛け,少し離れた3番手にトーセンアレス。トラバージョ,インサイドザパークとガンマーバースト,そしてバトードールという隊列に。直線に入るところでトーセンアドミラルが一杯になり,サーモピレーが先頭に立ちましたが,ほどなくずっと追い通しだったトーセンアレスが前に出て先頭。しかし大外からのバトードールの伸び脚がよく,トーセンアレスを差し切って優勝。半馬身差の2着にトーセンアレス。4コーナーで不利を受けたものの立て直して馬場の中ほどを伸びたインサイドザパークが1馬身差で3着。
 優勝したバトードールは昨年夏までJRAで走り,南関東へ転入。転入初戦のオープンを勝った後,南関東重賞は2戦とも敗退していました。ただ,JRAの準オープンで連対していた馬ですから,能力的には勝って少しも不思議ではありません。今日はレースが動きをみせたところでもじっくりと構えた鞍上の手腕が光りました。年齢的に上積みを期待するのは酷でしょうが,中距離の南関東重賞では今後も活躍が期待できると思います。父はクロフネ。伯母にトゥザヴィクトリー。Bateau d'Orはフランス語で金のボート。
 騎乗した川崎の今野忠成騎手は一昨年11月のロジータ記念以来となる南関東重賞制覇。報知グランプリカップは初勝利。管理している船橋の川島正一調教師も報知グランプリカップ初勝利。

 ヤコービFriedrich Heinrich Jaobiとの間に信仰心の相違があったかもしれませんが,動機はどうあれ,ライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizは神学的観点に立場を置いていました。この観点からみれば,哲学的に帰結する真理veritasが,神学に有益であるということが自明ではありません。むしろライプニッツは,そうした真理が,神学を危険に晒す場合があると恐れていたように思われます。このために,ライプニッツは真理という概念notio自体を,神学に貢献できるような概念として作成する必要があった可能性が否定できません。
 スピノザの哲学では,真理というのは真の観念idea veraあるいは同じことですが十全な観念idea adaequataの総体のことです。観念はいうまでもなく思惟の様態cogitandi modiです。つまりスピノザにとって真理とは,少なくとも第一義的には,知性intellectusのうちに実在するものであることになります。いい換えれば真理とは認識されるものです。ライプニッツがスピノザのよき理解者であったということを考慮に入れれば,ライプニッツはこのような真理の規定自体を神学を危険に陥れるものと把握したかもしれません。ライプニッツがこれとは違って,真理の規準を単に命題文の表現内容にだけ希求し,認識cognitioを蚊帳の外に追いやってしまったのは,あるいはこうした事情があったからだと考えられなくもないのです。もちろんこれは推測の域を出ないのであって,僕としてもライプニッツにそのような意図が明確にあったとまで主張することはできません。それでもライプニッツが宮廷人として神学的観点にそぐうような哲学を構築しなければならなかったという点は,こうしたことを考える場合にも見過ごすことはできないし,過小に評価することもできないと僕は考えます。
 そしてこの神学的観点が,単に神の自由の領域を幅広く見積もるというだけではライプニッツにとっては十分でなかったということの根拠にもなります。哲学が神学に貢献するということは,哲学は神学を守り,あるいは促進するようなものでなければならないという意味です。有体にいえば,ライプニッツにとって哲学は,キリスト教,とりわけカトリックへの信仰心を増長させるものでなければならず,それを減退させるものであってはならなかったのです。
コメント
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