スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

馬場と日本テレビ&X属性と思惟の属性

2014-08-04 19:13:21 | NOAH
 馬場が日本プロレスを退団したのは,日本テレビとの契約を無視する形で,自身の試合がNET,現在のテレビ朝日で放映されたことに端を発しています。これを機に,日本プロレス中継の大スポンサーであった三菱電機が提供を中止。三菱と関係が深かった日本テレビも,中継を休止しました。ただし,この頃のプロレス中継は非常に視聴率が高い番組。さらに日本テレビはプロレス中継のパイオニアで,このプロレス中継は正力松太郎の遺産という考え方があり,できれば馬場を中心とした番組を再開したいという意向を有していました。全日本プロレスの設立は,こうした経緯から実現したものです。
 この時期の事情に関しては,当時のプロデューサーだった原章が詳しく語っています。日本プロレスの中継が打ち切られたのは1972年5月。当時の日本テレビの社長から,日本テレビはプロレス中継を続けなければならず,それは馬場が中心でなければならないという指令が下り,馬場を独立させるための計画が開始されました。黎明期のプロレス中継の中心はいうまでもなく力道山で,正力の遺産というのはそのこと。つまり日本テレビには,力道山の後継者は馬場であるという考え方があったということでしょう。
 原は馬場を独立させたのは,日本プロレスに対する報復であったと語っています。中継休止となった5月の末には秘密裡に馬場を本社に呼び,社長と面会させたとのこと。原は,自分たちが馬場を独立させて全日本プロレスを設立するように仕向けたということについては否定していません。ただ,馬場自身にも,これまでの恩がある日本テレビや三菱電機との縁が切れるのは忍びないという気持ちがあったといっています。つまり日本テレビ側には馬場と直接交渉する余地があり,馬場にもそれを受諾する気持ちがあったというように解釈するべきなのでしょう。
                         
 馬場と日本テレビが相思相愛の関係にあったことがよく分かります。『マイクは死んでも離さない』を倉持隆夫が,日本テレビのアナウンサーとしての自身に固執して書いた理由も,こうした事情から説明されるべきなのでしょう。

 第一部定理二八は,思惟と延長以外の属性にも該当するという意味が第二部定理七備考には含まれていると僕は考えます。このことは,第一部定理一六からも推測することができます。そこでスピノザが無限に多くのものというとき,そこに個物res singularisが含まれるのかどうかは,実は見解が分かれます。ただ,少なくともこのテクストだけを読む限り,res singularisも含まれると解するのが妥当だというのが僕の考えです。一方,無限に多くの仕方といわれるとき,それが無限に多くの属性を意味することは,間違いがないと僕は考えます。つまりこの定理は,無限に多くの各々の属性から,その属性のres singularisが生じるということを意味している,正確にいうなら,そういうことも意味していると僕は考えます。したがって第一部定理二八というのは,無限に多くのどの属性にも妥当しなければならないということが帰結してきます。
 思惟でも延長でもない任意の属性Xには,無限に多くのres singularisが存在することになります。ここでいうXは,特定の属性を示すと同時に,思惟と延長以外のすべての属性を示すというように考えておいてください。
 それら無限に多くのX属性のres singularisを,任意にひとつだけ抽出したとします。その抽出されたres singularisの観念は,神の無限な観念のうちにあると考えられます。第二部定理七系は,こうしたことを含意すると理解されるからです。なお,これも任意に抽出したres singularisの観念ですから,ある特定の観念であると同時に,すべてのres singularisの観念でもあると考えてください。
 このとき,そうして抽出されたX属性のres singularisと,そのres singularisの観念は,平行論における同一個体であると僕は考えます。第二部定理七は,こうした解釈を許容する,あるいは強制すると考えるからです。というのは,第二部定理七を成立させる根拠を,スピノザは第一部公理四に求めているからです。第一部公理四は,観念対象ideatumとなっているものがどの属性に属するかを問わずに成立しなければならないと思われます。よってX属性と思惟の属性の間には,平行論は成立します。
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