スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典JBCスプリント&若干の不備

2012-11-13 19:04:48 | 地方競馬
 5日の10レースに行われた第12回JBCスプリント。今年は1400m。
                         
 先手を奪ったのはタイセイレジェンド。シャイニングアワーとラブミーチャン,さらにオオエライジンと地方勢が続き,スーニ。セイクリムズンはその後ろからの追走となりました。最初の600mは36秒7で,ミドルペースと考えていいでしょう。
 向正面でスーニが進出。シャイニングアワーとオオエライジンは後退し,タイセイレジェンドの後ろにラブミーチャンとスーニが並ぶようにして直線に。ここまでスーニの勢いがよかったのであるいは突き抜けるのかと思いましたが,むしろ余力があったのは逃げていたタイセイレジェンドの方で,ここから後ろを突き離していき,3馬身差のレコードタイムで優勝。早めに動いたスーニはさすがに苦しくなったようで,直線では馬群を割るように抜けてきたセイクリムズンが2着。2馬身差の3着にスーニ。
 優勝したタイセイレジェンドは8月のクラスターカップ以来の勝利で重賞は2勝目。大レースは初制覇。レコードタイムで逃げ切ってのものですから,かなり強い内容であったと考えてよいでしょう。早い時計が出る馬場状態の方がよい成績を収める傾向にあり,馬場の状況も向いたものと思います。今後もトップクラスで活躍し続けるでしょう。父はキングカメハメハ,母の父はメジロマックイーン。祖母のいとこに1995年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬のサクラチトセオーと同年のエリザベス女王杯を勝ったサクラキャンドルの兄妹。
                         
 騎乗した内田博幸騎手は菊花賞に続く大レース制覇。JBCは全体でこれが初勝利。管理している矢作芳人調教師は今年のダービー以来の大レース制覇でJBCはこちらも全体で初勝利。

 厳密にいえば人間の精神が現実的に存在する自分の身体の十全な観念を有さないということだけで,第二部定理一二の新しい意味が成立していると結論することには,若干の不備が残っています。それは以下のような事情があるからです。
 第二部定義七から理解できるように,スピノザはいくつかの個物によって組織されているひとつの個物が存在するということを認めます。このことは個物が神の無限な観念があるといわれる限りである場合にも,現実的に存在すると説明される場合にも同じように妥当しなければなりません。したがって,ある現実的に存在する個物Aの一部分が,個物Xであるという場合があり得るということになります。
 そこで人間の身体がどのようになっているのかといえば,それは岩波文庫版117ページの第二部自然学②要請一から明らかなように,きわめて多くの個物から組織されているひとつの個物なのです。したがって人間の身体が現実的に存在するのであれば,その身体を組織しているきわめて多くの個物が現実的に存在しているのだと理解されなければなりません。
 そこで現実的に存在する人間の身体のうちに何事かが生じる場合には,それはひとつの個物としての人間の身体がその原因の一部を構成することによって生じると考えることも可能ですが,むしろ先述の要請の観点からするならば,その人間の身体の一部を組織しているような個物が原因となるというように考える方が,ごく普通の理解になるように思えるのです。なお,この点に関してはまた後でまったく違った観点から再考することになります。
 現状の考察との関係では,このとき,一部というのは全体ではありませんからそれは人間の身体そのものであるとはいえません。しかしそれは人間の身体にとって外部の物体であるということもできません。よってもしも現実的に存在する自分の身体を組織する一部の個物,この場合にはそれは当然ながら物体であるということになりますが,そうした物体については十全な観念がその人間の精神のうちにあるということになるなら,それが十全な原因となって発生する現象については,人間はそれを十全に認識するということになります。
コメント
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