スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

秋華賞&溝

2011-10-16 18:54:31 | 中央競馬
 旧勢力と新勢力が入り乱れての戦いとなった第16回秋華賞
 先手を奪ったのはメモリアルイヤー。この馬が2番手以下を大きく引き離していくレース。アヴェンチュラとゼフィランサスが追い,ピュアブリーゼ,カルマート,キョウワジャンヌ,リトルダーリン,ホエールキャプチャといったところが好位を形成。前半の1000mは58秒3でこれはハイペースですが,1頭が離してのものですから,実質的にはミドルペースだったと考えてよいかと思います。
 メモリアルイヤーは直線に入るところでもかなりのリードがありましたがすでに一杯。自然とアヴェンチュラが先頭に立つと,追ってきたのはキョウワジャンヌのみ。最後は少し詰め寄る形とはなりましたが,それ以前に引き離していたアヴェンチュラがまずは快勝の形。キョウワジャンヌが2着で,枠順の関係もあり外を回ることになった人気のホエールキャプチャは3着が精一杯。
 優勝したアヴェンチュラは今年の前半は棒に振り,夏に復帰すると準オープンとクイーンステークスを古馬相手に連勝。高い能力があることは分かっていた馬で,レーヴディソールは別格という気もしているのですが,現3歳牝馬では少なくともそれに次ぐ力があると考えてよさそうです。父はジャングルポケットで全兄に重賞3勝のフサイチホウオー,全姉に2007年のJRA賞最優秀2歳牝馬のトールポピー。Aventuraはイタリア語で冒険。おそらくアバンチュールのことでしょう。
 騎乗した岩田康誠[やすなり]騎手は昨年のマイルチャンピオンシップ以来となる大レース制覇で2008年以来の秋華賞2勝目。管理している角居勝彦調教師はドバイワールドカップ以来の大レース制覇,国内だと昨年の有馬記念以来の大レース制覇で秋華賞は初勝利。
                         

 人間の精神による共通概念の獲得の仕方を詳しく分析する前に,マシュレと僕との間にある相違の在処が明らかになりましたので,この相違を前提に,どこまでは双方が歩み寄ることが可能であるのかということを検討しておきます。
 まず,人間の精神のあらゆる思惟作用に関して,それを能動と受動のどちらかに分節できるということに関しては僕は譲ることができません。ですからこの点についてはマシュレの方から歩み寄るのでなければ,溝は埋めることができません。
 しかしもしもマシュレがこのことに同意して,人間の精神によるあらゆる思惟作用についてそれを能動と受動のどちらかに分節するとしても,おそらくマシュレの立場からは,人間の精神による共通概念の獲得は,この場合には受動とみなされることになると僕は考えます。一方で僕はこれが人間の精神による能動であるということについても譲るつもりは毛頭ありませんので,結局のところ埋められない溝があるということについては変わるところはないと思います。
 この場合にマシュレがそれを人間精神の受動とみなすであろうと僕が考える判断基準は,マシュレが第一部定義四を分析する際,冒頭でスピノザがこの定義において知覚ということばを用いていること,そしてこれをマシュレがスピノザの哲学における知覚と概念の相違という観点を踏まえた上での知覚と解釈している点にあります。マシュレが後にこれをあたかも撤回するように,人間の精神による属性の認識,あるいは属性の知覚は,受動でも能動でもないと主張するのは,おそらくこの知覚が十全な観念であるからだろうと僕は思っています。すなわち,マシュレが解するような意味で第一部定義四の知覚ということばを考えるなら,これは受動であるとしかいいようがありません。しかし属性の知覚が十全な認識であるということはマシュレも認めますから,これらを合わせれば第三部定理一には明らかに反してしまうように思われます。この困難を解消するために,能動でも受動でもないような思惟作用というのが導入されているのではないかというのが,第一部定義四に関するマシュレの分析についての僕の分析なのです。
コメント
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