Sightsong

自縄自縛日記

ネイト・ウーリー『Seven Storey Mountain III and IV』

2016-03-27 09:56:04 | アヴァンギャルド・ジャズ

ネイト・ウーリー『Seven Storey Mountain III and IV』(Pleasure of the Text Records、2011・2013年)を聴く。

Seven Storey Mountain III:
Nate Wooley (tp, amp, tape)
C. Spencer Yeh (amplified vln)
David Grubbs (g)
Chris Corsano (ds)
Paul Lytton (ds)
Matt Moran (vib)
Chris Dingman (vib)

Seven Storey Mountain IV:
Nate Wooley (tp, amp, tape)
C. Spencer Yeh (amplified vln)
Ben Vida (electronics)
Chris Corsano (ds)
Ryan Sawyer (ds)
Matt Moran (vib)
Tilt Brass Sextet

2011年の「III」では、最初と最後の裾野を支配している楽器はふたりのヴァイブである。そして山の中腹と頂では、デイヴィッド・グラブスが掻き鳴らすギターや、C. スペンサー・イーが鼓膜を励起せんとして弾き増幅させるヴァイオリン、もちろんネイト・ウーリーの駆使するトランペットなどによって阿鼻叫喚。

2013年の「IV」では、ドラムスのブラッシュワークやその他の擦音により静かに過激に始まり、ドローン的に、ときにドラマチックな展開をみせる。次にどのような絵巻が現れるのか、何度聴いても怖いようなところがある。それぞれの絵巻の中での意図的な楽器間の対話が、塑像力を掻き立てる。また、ここでも、「III」と同様に、クリス・コルサーノの見事にパルスを分断して発するドラムスに耳が引き寄せられる。

「JazzTokyo」でも翻訳・紹介しつつ未聴だったのだが(http://www.jazztokyo.com/column/jazzrightnow/007.html)、確かに、シスコ・ブラッドリー氏の言うように衝撃のようなものが持続する。よくわからぬものによる鈍痛というべきか。

●参照
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
ネイト・ウーリー『Battle Pieces』(2014年)
ネイト・ウーリー『(Sit in) The Throne of Friendship』(2012年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』(2015年)(ウーリー参加)


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