Sightsong

自縄自縛日記

ティム・バーン『Incidentals』

2017-08-22 21:43:07 | アヴァンギャルド・ジャズ

ティム・バーン『Incidentals』(ECM、2014年)を聴く。

Tim Berne's Snakeoil:
Tim Berne (as)
Oscar Noriega (cl, bcl)
Ryan Ferreira (g)
Matt Mitchell (p, electronics)
Ches Smith (ds, vib, perc, tumpani)

聴く前から傑作に違いないと決めつけて聴いたが、やはりそうだった。

曲というか、旋律の繰り返しがある。その執拗極まりなさにより悪夢的な時空間が生まれている。各メンバーは旋律を基軸にしながらさまざまな変奏を繰り広げ、その何層もの重なりあいが悦楽に昇華している。ティム・バーンのアルトは粘りながら獰猛に、オスカー・ノリエガのクラとバスクラは平然さを装いながら、ライアン・フェレイラのギターは悪夢を食べては腹を膨らまし、マット・ミッチェルのピアノは冷徹に撒き菱を撒き散らしながら、太い奔流に追従する。

どの曲も素晴らしいのだが、20分を超える長尺の「Sideshow」では時間軸が力技で引き伸ばされ、その中でチェス・スミスの発するパルスが響き、とても新鮮で動悸動悸する。

●ティム・バーン
イングリッド・ラブロック UBATUBA@Cornelia Street Cafe(2015年)
イングリッド・ラブロック『ubatuba』(2014年)
ティム・バーン『You've Been Watching Me』(2014年)
ティム・バーン『Shadow Man』(2013年)
チェス・スミス『International Hoohah』(2012年)
ティム・バーン『Electric and Acoustic Hard Cell Live』(2004年)
ティム・バーン『The Sublime and. Science Fiction Live』(2003年)
ティム・バーン+マルク・デュクレ+トム・レイニー『Big Satan』(1996年)
ジョン・ゾーン『Spy vs. Spy』(1988年)


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