Sightsong

自縄自縛日記

イングリッド・ラウブロック『ubatuba』

2015-12-13 10:16:20 | アヴァンギャルド・ジャズ

イングリッド・ラウブロックの新バンド「ubatuba」のお披露目ライヴをCornelia Street Cafeで観て、それに先立って吹きこまれた新譜『ubatuba』(Firehouse 12、2014年)を楽しみに入手し、何度も聴いている。

Ingrid Laubrock (ts, as)
Tim Berne (as)
Ben Gerstein (tb)
Dan Peck (tuba)
Tom Rainey (ds)

・・・なのだが、どうも相手が鬱蒼とした沼のようで、適当なレビューなどできない感覚。

一騎当千のプレイヤーたちが創り出すプレイグラウンドである。変人ベン・ガースティンのトロンボーンとダン・ペックのトロンボーンとが、その時空間のあちこちにおいて焦燥感にも似た場のエネルギーを励起させ、他者のプレイの隙間を与える。トム・レイニーのドラムスは散発的に爆ぜる爆竹。決して緊密なアンサンブルではなく、それがまた魅力的である。

バンドの目玉はラウブロックとティム・バーンとのサックスふたりの饗宴だろう。ふたりの個性の違いは如実にあらわれていて、それがまた鼓膜と脳を刺激する。ラウブロックは周囲のアトモスフェアを取り込んでいく懐の深い感覚、バーンはあちこちに猛禽類の爪を食い込ませて獰猛に前進する感覚。

このプレイグラウンドからまた意気統合した「うた」が生まれるとしたら、それもまた楽しみなのだ。 

●イングリッド・ラウブロック
イングリッド・ラウブロック UBATUBA@Cornelia Street Cafe(2015年)
ヴィンセント・チャンシー+ジョシュ・シントン+イングリッド・ラウブロック@Arts for Art(2015年)
アンドリュー・ドルーリー+ラウブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
イングリッド・ラウブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
イングリッド・ラウブロック(Anti-House)『Roulette of the Cradle』(2014年)
ネイト・ウーリー『Battle Pieces』(2014年)
アンドリュー・ドルーリー『Content Provider』(2014年)
トム・レイニー『Hotel Grief』(2013年)
トム・レイニー『Obbligato』(2013年)
イングリッド・ラウブロック(Anti-House)『Strong Place』(2012年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、2012年)
イングリッド・ラウブロック『Who Is It?』(1997年)


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