Sightsong

自縄自縛日記

アグリゲイト・プライム『Dream Deferred』

2017-06-03 11:00:35 | アヴァンギャルド・ジャズ

アグリゲイト・プライム『Dream Deferred』(ONRX、2015年)を聴く。

Aggregate Prime:
Kenny Davis (b)
Mark Whitfield (g)
Ralph Peterson (ds)
Vijay Iyer (p)
Gary Thomas (ts, fl)

サプライズもあるなかなかのメンバーで、吹き込み当時、かなり驚かされて楽しみにもしていた。特にゲイリー・トーマスの名前が懐かしい。その後忘れていたところ、JOEさんが教えてくれて、わたしも慌てて入手した(>> JOEさんのブログ)。

今朝2回ほど繰り返して聴いてみたわけだが、感想は、まあ似たようなものである。そりゃあ、ゲイリー・トーマスが昔と変わらず朴念仁のようなテナーを吹いてくれるのは嬉しいことだ。ラルフ・ピーターソンのすべてを無意味になぎ倒しそうな人間扇風機・トマソンぶりも好きである。過剰に期待しなければ良いジャズである。

しかし、名前の組み合わせ以上には、演奏のサプライズはない。確かにヴィジェイ・アイヤーの存在意義は何なのかとツッコミたくもなる。昔の名前でジャズをやっています、に、つきあってしまった感あり。

ところで、ラルフ・ピーターソン『Triangular III』はとても良い作品だった。聴くならそっち。

●ラルフ・ピーターソン
ラルフ・ピーターソン『Triangular III』(2015年)
ウェイン・エスコフェリー『Live at Smalls』(2014年)
レイモンド・マクモーリン『RayMack』、ジョシュ・エヴァンス『Portrait』(2011、12年)
ラルフ・ピーターソン『Outer Reaches』(2010年)
ベキ・ムセレク『Beauty of Sunrise』(1995年)

●ゲイリー・トーマス
スティーヴ・リーマン『Sélébéyone』(ゲイリー・トーマス『The Kold Kage』、1991年)
ゲイリー・トーマス『While the Gate is Open』(1990年)

●ヴィジェイ・アイヤー
ヴィジェイ・アイヤー+プラシャント・バルガヴァ『Radhe Radhe - Rites of Holi』(2014年)
ヴィジェイ・アイヤーのソロとトリオ(2010、2012年)
ワダダ・レオ・スミス『Spiritual Dimensions』(2009年)
フィールドワーク『Door』(2007年)

ジャファール・パナヒ『これは映画ではない』、ヴィジェイ・アイヤー『In What Language?』(2003年)


ハン・ベニンク『Parken』

2017-06-03 08:48:01 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハン・ベニンク『Parken』(ILK Music、-2009年)を聴く。

Han Bennink (ds)
Simon Toldam (p)
Joachim Badenhorst (cl, bcl)
Qarin Wikstrom (vo) (M-9)

マイペース感ただようヨアヒム・バーデンホルストのクラとバスクラも良いのだが、やはりこのトリオの主役はハン・ベニンクと決まっている。突然気が向いたら叩くという行動を存在にまで昇華した人がハン。

(むかし渋谷毅、井野信義、ハン・ベニンクというピアノトリオを観たとき、井野さんの出す合図には頓着せず、急に豹変して叩き始めたりやめたりしてみんな苦笑していたことを思い出す。)

「Lady Of The Lavender Mist」、「Isfahan」、「Fleurette Africaine」というエリントン物をオリジナルと交互に演奏しており、妙になごんでしまう。

●ハン・ベニンク
ハン・ベニンク@ディスクユニオン Jazz Tokyo(2014年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
イレーネ・シュヴァイツァーの映像(2006年)
ハン・ベニンク キヤノン50mm/f1.8(2002年)
エリック・ドルフィーの映像『Last Date』(1991年)
ICPオーケストラ『Bospaadje Konijnehol』の2枚(1986-91年)
レオ・キュイパーズ『Heavy Days Are Here Again』(1981年)
レオ・キュイパーズ『Corners』(1981年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)
ウェス・モンゴメリーの1965年の映像(1965年)

●ヨアヒム・バーデンホルスト
カラテ・ウリオ・オーケストラ『Ljubljana』(2015年)
パスカル・ニゲンケンペル『Talking Trash』(2014年)