塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 和食 塩

2024-04-01 02:38:39 | ミュージアム巡り_2024
 食品の中で生物由来でないのは「塩」。唯一、無機物でカロリー
もないものを食べるのは、舌で感じる塩気物質が塩化ナトリウムだ
けしかないから。塩は体液の浸透圧維持や神経伝達など生命活動に
不可欠な役割を担い、その代替え物がないこと。
 塩は食文化にとって欠かすことのできない役割を持っている。さ
らに塩は、あらゆる食材の防腐作用にも寄与している。塩を使った
発酵食品や味噌や醤油にも塩が使われる。

 和食の基本五味のうち、“うま味”を重視した食文化で、昆布や鰹
節、椎茸などの旨味成分は“出汁”だけでは物足りない。そこに塩を
加えることにより味のブラッシュアップが登場する、旨味強化作用
が生まれてくる。 ただし、そこには“塩加減”という言葉があると
おり、加えるのもさじ加減。
 日本には岩塩資源が乏しく、もっぱら海水から接種していた。海
藻に付着させた塩分を採る「藻塩焼き」、砂に付着させる「塩浜」
など、海水を煮詰める前に濃縮する工程を加えて独自の製塩法を編
み出している。

 人の労力が入った塩を内陸に運ぶ“塩の道”で有名なのが、「鯖街
道」。若狭湾の鯖を塩で加工し京の都に数日で運び、名物の鯖寿司
が生まれた。塩鮭や塩鱈ように塩蔵品もある。
NMNS(台東区上野公園7-20)

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