Weekdayの麺処巡り 大木戸 で 蟹塩

　大田区大森西7丁目にある「ラーメン大木戸」で、紅ズワイ蟹を
使った「蟹塩ラーメン」が振る舞われているのをFacebookで渕上
店主がアップされていた。本日、ちょうど川崎で某人物のインタビ
ュー取材があるので、途中下車し暖簾をくぐった。

　店内は昼時なのでカウンター８席もほぼ満席と思いきや、１席空
いていたので即着席。
　で、登場した一杯、器の中から甲殻系の香りが立ちのぼり猛烈に
旨味をアピールしている。そのスープを啜ると、蟹の精妙で洗練さ
れた奥深くて海底を這いつくばる姿を思い浮かべ、ほろ苦くて香り
高い峻烈さが伝わってくる。

　舌の上でスープを転がすと、素朴で深遠な滋味が浸み出して海の
エキスが溢れ出てくる。
　蟹の旨味の神髄を堪能できた、旨かった、ご馳走様。

ミュージアム巡り 雨に詠えば 平家物語

　次の書は､「平家物語」(成立:鎌倉時代頃、作者:未詳)。治承・
寿永の内乱を背景に、平家一門の栄枯盛衰を描いた軍記物語。主
に琵琶法師によって語り伝えられ、その多くは内容が異なる諸本
が伝存している。
　展示資料は、豊臣秀吉や徳川家康らに仕えた神道家･梵舜によ
る自筆書で、天正18年(1590)に書写、紅葉山文庫旧蔵、全12冊)。
　展示頁の第8巻「太宰府落」では、源氏の勢力に圧されて都落
ち延びた平家一門が拠点を太宰府に置くものの、見方の裏切りに
あって追われていく場面。同書ではこの日を大雨の日とし、都で
きらびやかな暮らしだった公卿や女房が雨の中泥まみれになって
逃げていく様子を強調している。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 雨に詠えば 保元物語

　次の書は､「保元物語」(成立:鎌倉時代前期、作者:未詳)。展示
資料は、江戸時代初期書写で写本としては最も多く流布した金刀
比羅本系統、全2冊。
　展示頁は、保元の乱に敗れた源為義の幼い子供達は、敵に捉え
られることなく全員斬首されてしまう。これを嘆いた為義の妻は、
従者達の制止を振り切って雨で増水した桂川に身を投じる。あま
りにも川の増水で誰も助けることが出来なかった。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 雨に詠えば 隅田川 謡本より

　次の書は、謡本より「隅田川」(成立:室町時代初期、作者:観世
元雅)。展示資料は、謡曲の台本「謡本」の内の１冊、全30冊。
　展示頁は、悲嘆のあまりにもの狂いになってしまった母親を描
く哀傷の能で、次のとおり。
　人買いに我が子をさらわれた母が、子を追って京から東国へ下
って来て隅田川を渡ろうとした時、その渡し守から子が病死して
いたことを聞く。母は隅田川のほとりで我が子の姿を見るものの、
それは幻で子を祀った塚だった。

　能楽絵図「隅田川」は、明治32年･1899刊行で、絵師は月岡
耕魚。母が亡き我が子の幻と再開する場面。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)

ミュージアム巡り 雨に詠えば 続後撰和歌集

　次の書は、「続後撰和歌集」(成立:建長３年･1251，下命者:御嵯
峨院、撰者:藤原為家）。
　この書は鎌倉時代中期に成立した10番目の勅撰和歌集で、新古
今和歌集の世代の歌人作品を多く集め、承久の乱に関わったとされ
る後鳥羽院らの歌が取り上げられている。
　展示資料は、江戸時代初期に書写され、林羅山旧蔵、全２冊。
　展示頁には、歌人･御嵯峨院ら９代の帝に仕えた四条隆親で、雨
の晩に物思いにふける老人がテーマになっている。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)