塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り おしゃべりな本たち 三十六人歌合

2021-11-30 05:40:54 |  ミュージアム巡り_2021
 次の書は、戦国時代末期の公爵・近衛前久自筆と伝わる三十六歌
仙の和歌を左右に配置して歌合形式にした「三十六人歌合」(写年:
文禄3年・1594、旧蔵者:京都学習院)。

 表紙は牡丹模様の緞子を用い、霞模様の風流な題簽が貼られてい
る。見返しの龍虎の図は幕府御用絵師の狩野探幽が描き、題簽文字
は関白・太政大臣を務めた前久の孫で御水尾天皇の実弟・近衛信尋に
よる。贅を尽くした究極の見返りと言える。

NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り おしゃべりな本たち 曽我物語

2021-11-29 05:42:23 |  ミュージアム巡り_2021
 次の書は、建久4年(1193)、曽我十郎祐成と五郎時致兄弟が、
仇敵・工藤祐経を討った“曾我兄弟の敵討ち”を題材に、事件後ま
もなく成立したのが「曽我物語」。作者は未詳。
 展示書は、刊記がなく刊年や刊行者共に未詳、明治9年に政府
によって購入されている。
 同書の見返しは銀の切箔で装飾され、表紙も紺地に金泥で秋草
文様が描かれ豪華、題号も冊によっては金砂子が用いられている。
ただし本文部分は江戸時代に流布した刊本で、表紙と本文部分の
バランスが悪い、たぶん、別の写本の表紙から転用されたと考え
られる。

NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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Weekendの麺処巡り 高尾 で 叉焼雲呑

2021-11-28 12:18:07 | 麺_2021
 かなり以前、今はなき三鷹の「中華そば江ぐち」(創業1949年)
が小説(久住昌之)で取り上げられ一躍有名店に。
 その創業者も鬼籍(2009)に入られ、そちらのスタッフが同市内
で「中華そば みたか」を立ち上げ、そこで修行された方が荻窪で
「らーめん高尾」(創業2021年11月11日)をオープン。

 そんな「江ぐち」のDNAを受け継がれた一杯を頂きに、本日伺
った。江ぐちよりも広い店内、厨房もゆったりとしており、奥には
製麺室まであった。

 では、「叉焼雲呑麺」850円(オープン記念で本日750円)を注
文。次の日曜日から味噌らーめんもメニューに載る。

 チャーシューと雲呑が盛られているので豪華な一杯だ。箸を進
めるうちに当時の面影を頭に描きながら感慨に耽る。自家製麺は
中太でコシがありワシワシと咀嚼しながら啜る。

 食べ終わると心が温かくなっていた。お店のインフォメーショ
ンにあるように、“この一杯で笑顔になった”、ご馳走様。

らーめん高尾
杉並区荻窪5-9-17
11:00〜14:00、17:00〜21:00 不定休

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ミュージアム巡り おしゃべりな本たち 伊勢物語闕疑抄

2021-11-28 05:18:22 |  ミュージアム巡り_2021
 戦国武将であり歌人でもあった細川幽斎がまとめた伊勢物語の注
釈書「伊勢物語闕疑抄」(写年:江戸時代初期、旧蔵者:林羅山)で、
三条西実隆の講義を元に、当時流布していた様々な説を引用して
註釈が施されている。

 展示書の見返しには、書写する際に出たと思われる反古紙が補
強のために貼られている。このような見返しの反古紙には、時と
して未発見の資料や有名人の自筆本が見つかることもあるとか。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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Weekendの麺処巡り 元祖札幌や で 塩

2021-11-27 13:28:17 | 麺_2021
 「元祖札幌や」をFCチェーン化した南京食品(創業1914年)が、
コロナ渦の影響もあるのか今年4月21日に会社更生法を適用し
廃業の危機に。でも、倒産はしていないという。
 元祖札幌やといえば、私が20代の頃、会社の近くにあったり住ま
いの近隣にあったりしてよく“塩らーめん”を食していた。今から40
年以上前だからラーメン専門店もそれほどなかった頃で、特に荻
窪店では厨房に設置された麺の茹で上げベルトコンベアーに目を
引かれたものだ。
 そんな塩らーめんをもう一度食べておきたい。その想いで詮索を
かけると都内には数軒しか残っていなかった。ではこれから古麺
巡礼である。

 その一軒が練馬区豊玉北5丁目にある「元祖札幌や」で、夏か
ら数回、訪れたものの暖簾が出ておらず、本日やっと入店できた。

 塩らーめん650円に、ランチセットの焼き餃子を注文(トータル
800円)。店内はカウンター数席に後はボックス型のテーブル席
で、まるでファミレス。

 で、登場した一杯、器の中は当時と変わらないコスチュームで
あるが、麺はもっと黄色く縮れていたな。スープの味も年を重ね
るごとに変化してきたようで、当時の強烈な塩気はなかった。で
も、チャーシューやメンマ、岩海苔、刻み葱、半分玉子は懐かし
く箸が進んだ。ご馳走様。


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