洗濯物を干していたら、遠くから赤とんぼの曲が風に乗って流れてきた。
(ああ、ゴミ収集車が来たのね)と思って2階のベランダから見ていると、
若い男の子が2人、元気よくゴミを車に積んで通り過ぎて行った。
「今日もお仕事、ありがとう。」
とその背中に手を合わせた。
彼らが、雨の日も熱い夏のさなかも、黙々とゴミを収集してくれているお蔭で、
私たちはゴミにうづもれずに毎日を過ごすことができる。
臭い匂いの中での肉体労働。
人の嫌がる仕事をしてくれている彼らに、私は心から感謝している。
そしてふと、観音さまにお会いした時のことを思い出した。
皆さんは、観音さまは何処におられると思われるだろうか?
数年前のことになる。
拾ってきた子猫が、手当のかいもなく死んでしまったことがあった。
私はぬぐってもぬぐっても止まらない涙なみだの運転で、
何度かぶつかりそうになりながら、
それでもなんとか無事火葬場までたどり着いた。
受付を済ますと、動物は直接焼き場の裏口に持っていくように言われた。
とぼとぼ歩いた先にあった、黒くすすけた鉄の扉を開けた瞬間、
(あっっ、観音さま!!)
と、思った。
あまりにびっくりして、瞬間棒立ちになってしまった。
中には汚れた作業着を着た、60代ぐらいの、少し目に障害がある感じの男性がおられたのだが、
私の心眼が、まごうことなくその方が観音だと告げたのだった。
それは、心の底からの揺るぎない確信で、
私はそのありがたさに突如として号泣してしまった。
(こういう所に、観音さまはおられるのか…。)
全くの驚きだった。
そうは言っても、悲しみに心押しつぶされている私。
「このネコ、本当に死んでしまっているのですよね…」
と、しゃがみ込んで亡骸を何度もなでながら、
中々別れを思い切れないでいると、
「私がちゃんと供養しておきますから。」
と、優しく語りかけて下さった。
それが何よりの救いになって、私は子ネコを託すことができた。
この世で人間として存在しておられる観音さまに出会ったのは
今のところ、この時だけである。
尊い方ほど、この世の片隅でひっそりと、
万人のために働いて下さっているのかもしれない。
(ああ、ゴミ収集車が来たのね)と思って2階のベランダから見ていると、
若い男の子が2人、元気よくゴミを車に積んで通り過ぎて行った。
「今日もお仕事、ありがとう。」
とその背中に手を合わせた。
彼らが、雨の日も熱い夏のさなかも、黙々とゴミを収集してくれているお蔭で、
私たちはゴミにうづもれずに毎日を過ごすことができる。
臭い匂いの中での肉体労働。
人の嫌がる仕事をしてくれている彼らに、私は心から感謝している。
そしてふと、観音さまにお会いした時のことを思い出した。
皆さんは、観音さまは何処におられると思われるだろうか?
数年前のことになる。
拾ってきた子猫が、手当のかいもなく死んでしまったことがあった。
私はぬぐってもぬぐっても止まらない涙なみだの運転で、
何度かぶつかりそうになりながら、
それでもなんとか無事火葬場までたどり着いた。
受付を済ますと、動物は直接焼き場の裏口に持っていくように言われた。
とぼとぼ歩いた先にあった、黒くすすけた鉄の扉を開けた瞬間、
(あっっ、観音さま!!)
と、思った。
あまりにびっくりして、瞬間棒立ちになってしまった。
中には汚れた作業着を着た、60代ぐらいの、少し目に障害がある感じの男性がおられたのだが、
私の心眼が、まごうことなくその方が観音だと告げたのだった。
それは、心の底からの揺るぎない確信で、
私はそのありがたさに突如として号泣してしまった。
(こういう所に、観音さまはおられるのか…。)
全くの驚きだった。
そうは言っても、悲しみに心押しつぶされている私。
「このネコ、本当に死んでしまっているのですよね…」
と、しゃがみ込んで亡骸を何度もなでながら、
中々別れを思い切れないでいると、
「私がちゃんと供養しておきますから。」
と、優しく語りかけて下さった。
それが何よりの救いになって、私は子ネコを託すことができた。
この世で人間として存在しておられる観音さまに出会ったのは
今のところ、この時だけである。
尊い方ほど、この世の片隅でひっそりと、
万人のために働いて下さっているのかもしれない。