角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

垣根を越えて…。

2009年10月26日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
辛子色基調の魚へんプリントをベースに、合わせは金のプリントです。
少し久しぶりに編んだ「金色草履」、やっぱり絢爛さが感じられますね。今年の風水ラッキーカラーが「金」「ピンク」「黄」と教えられてから、ずいぶんこうした配色を編んだ気がします。履いてくださっている方々に、果たして幸運は舞い込んでくれたでしょうか。

今日、実演席にテレビカメラが入りました。と言っても角館草履の取材ではなく、むしろ私個人が対象と言うべきでしょうか。「週刊ことばマガジン」というテレビ番組が、新潟県を含む東北七県で放送されています。東北地方の一部で使われている「方言」を選び出し、その土地へ出かけて実際に地元民から言葉を聞いてみるというのが、この番組の趣旨なんですね。

その“地元民役”を草履職人が務めた経緯や収録現場の詳細は割愛しますが、なかなか面白かったですよ。ずいぶん久しぶりにテレビへ出るので、忘れず録画しておこうと思っています。肝心の放送日を聞き漏らしてしまいましたが、番組のホームページで分かるようです。当ブログをご覧のみなさまも、よろしければご覧になってください。

この収録をきっかけに、私も番組ホームページを見てみました。「これまでの放送」をクリックしてみると、さすがに東北の方言には独特なものがあります。それでも中に当地とさほど変わらない方言を見つけると、なんか嬉しくなりますよ。時代は「道州制」さえ論議されるほどになりました。そんなとき普段使う言葉の違いは、案外大きな「垣根」に感じますからね。

昨日投開票された、仙北市長選挙と仙北市選出県議補欠選挙。予定通り午後10時過ぎに、ふたつとも結果が報道されました。それぞれの選挙に、旧角館町と旧西木村からひとりずつが立候補したことは先のブログでお伝えしていましたが、結果は旧角館町の「二戦二敗」です。旧田沢湖町からの立候補がなかったことが、やはり大きく影響していると思います。

市長選挙は現職が敗退、県議を辞職し市長選に臨んだ49歳が勝利しました。結果分析などは市民それぞれが自由にすればイイことなので、あえてこのブログでも書こうとは思いません。ただこのたびの選挙戦を見聞きしていて感じるのは、「地域の垣根」なんです。

旧角館町から立候補した選挙カーから聞こえて来る言葉に、『地元の○○がご挨拶に…』をとても多く感じました。私は角館町以外で選挙カーを見ることがありませんから、旧西木村の候補者も同様に、旧西木村内を走るときにはそう言うのかも知れません。確かに選挙は地元に有利ですし、他地区より票も取れるでしょう。でも『なんだがなぁ…』なんですね。

合併から未だ四年では、三つの町村がひとつの自治体とはなかなか思えないでしょう。省みて自分自身もそうです。でも私たち一般人と、これから自治体の長あるいは代表県議として活動することを願う候補者とは、基本的な考え方を異にして欲しいとも思うわけです。
もしかしたらですが、県議を辞して仙北市長を目指した新市長のほうに、有権者は「垣根」を感じなかったのかも知れません。

広い東北地方にだって、近い言葉がいくつもありました。仙北市を形成している旧三ケ町村は、喋る言葉にほとんど違いはないんですからね。
私もこの選挙を機会に「旧○○町」vs「旧○○村」のような表記は、今日のブログを最後にしたいと思います。

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2 コメント

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複雑ですね (masato)
2009-10-26 21:20:39
草履職人さん、こんばんは。

なるほど「地縁」ですね。
集落の名前と屋号で今でも十分会話が成り立ちますからね。

実家の”大仙市”もとんでもなく大きくって、旧名でないと分からないよ!「あっ、それってどこ?わがらねぇ?」ってなことにもなりかねません。

土地を離れているからなおさらですね。

それにしても今日の浦和辺りは台風のせいか風雨が強い上、寒いですよ。
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違和感がなくなる日 (草履職人)
2009-10-27 07:20:41
masatoさん、おはようございます。

最近秋田県の地方紙で、「合併後の現在」を
特集する記事が連載されてました。
多くに出てくるのが「格差」なんですね、
『おらほは後まわしにされでら』みたいな。

よそ様の自治体ですけど、大仙市はいきなり
大きくなりすぎましたよねぇ。
核になる大曲から離れた地域は、なおさら
一体感が持てないと思いますよ。

仙北市が合併した当時、「ひとつの自治体」に
違和感がなくなるのは、一世紀後と言った人が
いました。
住民の心ひとつで、半世紀にも四半世紀にも
短縮されるとイイんですけどね。
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