角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

観光シーズンのラスト。

2015年10月27日 | 実演日記





今日の草履は、仙北市内の女性のオーダー草履です。かねてからプレゼント用に4足のご依頼があったのですが、ご希望配色は「雪が降るイメージ」でした。「雪=白」と相場が決まっているのに、角館草履に「白」は一般的でありません。いろいろ策を練ってどうしても無理なら、事情はご理解くださると思っていました。それが先日思いがけず手に入ったのは、藍色基調の「絣木綿」です。これがところどころに白が浮き出て、見ようによっては雪に見えるじゃありませんか。

早速1足を編み上げ女性に見ていただくと、たいへんなお気に入りようです。材料も4足分なんとかギリギリ間に合ってくれ、本日無事にお渡しできました。普段使うことがない「絣木綿」は、値段の高さも布地の強さも格上です。「今日の草履」につきましては、ご注文による製作は出来かねますのでご了承ください。この秋の大きな仕事を一つやり終えた気がしています。

北海道ではすでに雪の便りが届いていました。当地もあと二週間くらいのうちには初雪となるでしょう。そろそろ忘年会の声が聞こえ始め、私も二つ出席を決めたところです。
たびたび西宮家にお立ち寄りいただく盛岡市のおばさまが、お友達7~8名を伴い遊びに来てくださいました。しばらくおしゃべりしてお帰り際、『もう今年は来ないから、また来年の春ね~!』。おもわず『良いお年を~!』とお返ししてしまいましたよ。お客様によってはもう年末のご挨拶が始まっています。

おそらく11月8日の日曜日で、いわゆる観光シーズンはほぼ終了と考えています。もちろんその後も草履作りは続いていくわけですが、ひとまず今年の締めくくりをしっかり務めたいですね。当面11月のお休みは、11日~13日を予定しております。
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2 コメント

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㈱わらび座造園 (山田みき)
2015-10-28 13:34:30
秋田市なかいちホール、初ロングラン公演!”政吉とフジタ”。わらび劇場以外での初挑戦。私自身”秋田の行事”を見たことがある程度の認識でした。親友が画家レオナールフジタの妻マドレーヌを演じていて、彼女の人生は22歳で彼と出会い27歳で亡くなる5年。時を50年の重みに二人が生きた事。何か出来たら、、、そう思った時、セリフの中に”秋田のネイジュ〔雪)”がありました。もし職人さんが観られたら、何故この草履を”待っていたか”。生み出された方だけの感動は想像出来ません〔笑)。時代を知る。それでも人生は美しい!脚本 内館牧子氏
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奇跡の草履 (草履職人)
2015-10-28 17:55:06
みきさん

かつて黒地に白のドットプリントで草履を編んだことがあって、
それは確かに雪に見えました。でもいつでも買える生地では
なかったので思案したところです。
この絣木綿を見たとき、ハッとしましたね。まさに「奇跡の草履」と
言えるかもしれません。

分かりました。来月必ず観劇に訪れますから、しかと
心に刻んでまいりましょう(^^)
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