角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

切り替わりの速さ。

2009年10月03日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
エンジ基調のとんぼプリントをベースに、合わせは黒の小花プリントです。
東京の仕入れ部長より昨日届けられた新柄、まずは季節柄「とんぼ」を編んでみました。赤と黒のバランスがお洒落ですし、私はこうした配色に「古き良き日本」をイメージするんです。ベースの平生地はこちらになります。



こちらの「とんぼプリント」は、同柄色違いで四色入っておりました。今日から連続四回、とんぼプリント四部作をご紹介したいと思います。
それにしても、これまでの布地を使い切ったわけじゃないんですが、新しい布地が入荷するとどうしても手を付けてしまいます。これもひとつの「切り替わりの速さ」かも知れません。

そう言えば一昨日、角館あきんど塾の例会がありました。当初押さえていた会場では狭すぎて、急きょ本館の座敷に移動です。これも見事な「切り替わりの速さ」でしたねぇ。
次々注文する酒の肴、一斉には出てこないので届いた順番から食べ始めるのですが、新しい肴が運び込まれるとそれまで食べていた料理をほったらかして食べるんですよ。私を含め、これもみなさん見事な「切り替わりの速さ」でした。

今日は地元小学校の運動会だったそうです。心配した天気は朝に落ち着いていたのですが、午前9時半くらいでしょうか、瞬く間に大粒の雨が落ち始めました。秋の天気はほんとによく変わります。
この雨でまた明朝の寒さがひとしおだそうです。夏から秋へ、その後晩秋に向かっては、まさに「切り替わりの速さ」を感じます。

今年のお祭りDVDがほぼ出揃い、それぞれ観てみました。興味深く観る点がいくつかあるのですが、そのひとつが観光用激突。実は激突そのものではなく、手踊りの「切り替わり」なんです。
観光用を含め「八百長」と呼ばれる激突回数は、3回が一区切りです。3回をぶつけ双方の曳山が離れた瞬間に、お囃子が「拳囃子」へと切り替わります。近くにいないと囃子の音は分かりませんが、これはすべての曳山が同じです。

この切り替わりに呼応して踊り子二人が立ち上がり踊り始めるのですが、これが踊り子たちにとってなかなかの技なんですね。なにしろ周囲の大騒音で、背中の囃子はほとんど聞こえません。そのうえ曳山は動いている状態ですし、ペアとの動きもピッタリ合わせることを基本とするからなんです。

それが近年、この「切り替わりの速さ」が楽しめなくなってきました。理由は分からないのですが、相手曳山の踊り子より一瞬でも早く…という気持ちが感じられないんです。中には曳山が止まってから、おもむろに踊りだす社中もありました。

時代と共に変わり行く現象は、世の中いたるところにあります。この手踊りの切り替わりが残すべき伝統であるのか、はたまた消えてやむなしなのか私には判断できません。
ただわが家の三人娘が所属する社中だけは、しっかりとこの点を踏まえていたことに、オヤジとしては満足なわけですよ。

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