今日の草履は、彩シリーズMグループ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
紺基調の小花プリントをベースに、合わせは緑基調の落ち葉プリントです。濃い色同士の組み合わせで、やはり今の季節によく似合うと思います。今日の角館も、とっても寒い一日となりました。
日々の実演で偶然を感じるひとつに、たとえば『あたしは外反母趾で苦労してるのよぉ』とおっしゃる女性が複数続いたり、どなたかへのプレゼント目的でお越しになる方が続いたりします。
夜になって一日を振り返ると、『今日は同じことばかり喋ってたなぁ』なんてことがあるわけですね。
一昨日のこと、知人の男性が私の前を通りかかると、『草履っていう手もあるがなぁ、お棺サ入れでけれって…』。
詳しく聞いてみると知人宅で不幸があり、ご挨拶へ伺うのに手頃な品を探していたようです。「冥土の旅」で履くワラジを入れるのは分りますが、それがいきなり角館草履というのもねぇ。それはやはり遺族の意思が大切でしょうから、やめておくのが賢明と伝えました。
同じ日、茨城県からお越しのおばさまが関心高く草履をご覧でした。欲しい気持ちはあっても、四千円という値段にしばし考えたんですね。間もなくお買い上げを決められたのですが、そのときの言葉が『よしっ、死んだつもりで買うかっ!』。
私の『この草履を履いてもっと健康になるんですからねっ』の言葉に、大笑いしてお帰りでした。
そのすぐあと、岐阜県各務原市からツアーでお越しのご夫婦が、揃ってオーダーくださいました。奥様がご主人へ、『こういうのも縁なのよ、あたしがプレゼントするから、ちゃんと健康を考えなくちゃね』。
推測ですが、最近ご主人は健康を損ねたんじゃないでしょうか。そのときご主人のバツの悪そうなお顔が印象的でした。試し履きをしながらご主人は奥様へ、『オレの棺おけに入れてくれよ』。
これまでも「お棺」に絡む話題は何度かありましたが、同じ日に三度も続くのは珍しいと思います。
みなさんもちろん冗談で話すのですが、ふと思いました。角館草履をご愛用の方が天寿を全うするとき、冥土の旅の履物に私の草履をお棺に入れるご遺族が、ゼッタイいないとは言い切れないんじゃないかと。
ご愛用だったご主人の遺品として、奥様が引き続き履いてくださっている話を今年4月10日のブログに綴っています。ご愛用者亡きあと、私の草履もいろんな道があるんでしょうね。
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