
今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
黄色基調の桜花プリントをベースに、合わせはエンジです。
淡い黄色も桜花プリント同様、春を想わせる色ですね。可憐で可愛い草履に仕上がりました。やはりどちらかと言えばお若い女性向きでしょうか。平生地はこちらになります。

『韓国人はお金を使わない』。こんな言葉が角館でたびたび聞かれます。「アイリス効果」で韓国からのお客様が急増している話は以前書きましたが、お土産等の物販にはほとんど興味を示さないことから、こんな言葉が囁かれているのでしょう。
西宮家あるいは草履コーナーに立ち寄られる韓国人は、確かに「買い物」を目的にしているとは感じません。展示してある草履を気ままに手に持ち、実演中の私をバック風景に記念写真を撮って、なんのお愛想もなく立ち去る。こういう光景を見ると、日本人はしないなぁとも思います。
でも草履を買わないのは「どうしても欲しい」と思う人が少ないわけで、それがイコール「お金を使わない」とは言えないでしょう。これまで韓国人がひとりも草履を買わなかったかといえば、そんなことはありません。たとえ100人に1人だとしても、「どうしても欲しい」と感じた人は事実いらっしゃいます。
私が懸念しているのは、一部の角館人がお客様の顔を「お金」に見ているのではないかという点なんです。お店に入ってくる人間は、その大部分がなにかしらの買い物をするもんだと決め付けてはいないかということですね。
飲食店であれば、店内を見回しただけでUターンはまずいないでしょう。でも物販はこれが日常にあります。むしろ当たり前と思ったほうがイイでしょうね。
物販に興味を示さない韓国人も、当地に宿泊すればそれなりのお金が落ちます。散策中にお腹が空けば、うどんの一杯も食べるでしょう。喉が渇いたときの自販機ジュース一本だって売上です。なにより、閑散期の冬場に町を歩いてくれるだけで、存在価値は充分ですよ。
「過度な期待はしない」、これも商売には大事な心構えと思うわけです。
1月の半ばでしたか、朝から猛吹雪の日でした。一人のご来店もないまま昼を迎えようとしていたとき、米蔵スタッフのひとりが私に言いました。『あぁ、売れなくてもイイから、おしゃべりできるお客様が来ないかなぁ』。
このくらいの気持ちでお客様を迎えるのがイイと思うんです。