角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

家族の吉凶。

2009年07月03日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
カラフルな洋柄プリントをベースに、合わせは緑基調のとかげプリントです。
なんとも心が楽しくなるような配色ですね。お若い女性向きかと思いきや、東京からお越しくださったおばあちゃんと呼ばれる年代のおばさまがお持ち帰りです。

こちらのおばさまは角館草履の素性を知ってすぐ、『娘が健康オタクなのよぉ、こういうお土産が一番喜ぶと思うわっ』。丁寧に時間をかけて一足をお選びになりました。
五人ほどのグループのうちほかのもうおひとりがご自分用をお選びになると、おばさまもだんだんご自分用が欲しくなったようです。そしてお選びが編んだばかりの「今日の草履」、お帰りになったらすぐに履いてくださいねっ。

50歳代と思しき男性ばかり五人ほどがお越しでした。しばし実演をご覧いただきながらおしゃべりのあと、揃って散策へとお出掛けです。
夕方近くおふたりが戻って見え、『いろいろ歩いたんだけど、やっぱりカミさんへのお土産はこの草履にするよっ』。
角館散策のあいだ、ずーっと奥様へのお土産を探していたんでしょう。角館草履が最終候補まで残ってくれたこと、ありがたく思います。

角館草履を「どなたが履くため」にご購入かといえば、過半数はご自分用です。次に多いのがご家族へのお土産なんですね。実演のおしゃべりでいつも思うのは、私の草履がご家族の「笑顔」に僅かでもお役に立てば…ということなんです。
カミさんの誕生日すらプレゼントをあげたことのない草履職人が、こんなことを言っても説得力に欠けるんですけどね。

おばさま6~7人ほどが、賑やかに入って見えました。先頭を歩いていたおばさまが角館草履を見つけたとたん、『まっ、ワラ人形じゃないっ!?』。
「ワラ草履」と「ワラ人形」を言い間違えたのはすぐに分かりましたが、角館草履は家族円満のお手伝いをしていると自負しています。いくらなんでも「ワラ人形」は相応しくないのでは…(笑)。

コメント
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