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「私たちは敵ではない、ジャーナリストだ」と新聞社

2015年09月08日 | 国内
9月9日 トルコの最も人気のあるニュース・ウエブのひとつ「ラディカル」は、トルコの代表的新聞 Hurriyet紙とその姉妹紙 Hurriyet Daily News とオフィスビルを共有しています。ラディカルは9月7日、親公正発展党(AKP)のプロテスターたちがオフィスビルに暴力攻撃をかけた数時間後、次のような記事を発表しました(昨日のこの頁参照)。

 Hurriyet
Hurriyet 紙のセダット・エルギン編集長

いま15人ほどの憲兵の特別チームが、われわれの新聞社の庭にいる。なぜ彼らはここにいるのか? 彼らはわれわれジャーナリストを守るために、ここにいる。あなた方がわが社に石と棒を持ってやってきたからだ。

新聞社のオフィスはジャーナリストのホームである。あなた方はわれわれのホームのドアを壊して侵入した。あなた方はわが社の治安要員を棒で追い払った。あなた方は、わが社の庭にトルコこきいとともに掲げられたドーアン・グループの旗を下ろし、燃やした。あなた方は石と棒を持って、深夜、われわれのホームを襲い、何時間かとどまった。

 Hurriyet

あなた方は「ドーアンの犬、もう我慢できない」と叫び、また「レジェプ・タイイプ・エルドーアン」というスローガンと「神は偉大なり」を叫んだ。口火を切った人々がいる。口火を切れば同調する集団がいる。この事件はどのようにして起こったか? 問題点をひとつひとつ検証してみよう。

・・・として、11の問題点が論じられていますが、長すぎるので、ここでは省略します。

これは新聞社をターゲットにした深夜の攻撃である。民主的法治国家において非難されるべき攻撃は、いまも支持されている。われわれの抗議と理解と善意をもってしても、犯罪とみなさざるを得ない。あなた方はわが新聞社、わがホームに来た。あなた方はわれわれを威嚇し、棒で攻撃した。

Hurriyet

しかし、あなた方はわれわれを叩くことはできない。われわれは敵ではないからだ。われわれはジャーナリストだ。歴史はジャーナリストに対する戦いを見てきたが、だれも勝利した者はいない。このような衝突はあり得ないからだ。

われわれはあなた方の敵ではない。あなた方の戦いの相手ではない。われわれはジャーナリストであり、ありつづけるだろう。われわれはこの国が民主的法治国家であることを知っている。少なくとも憲法はそう言っている。


「南東部のPKKの攻撃でトルコ兵16人死亡」と軍が発表

7日、トルコ軍参謀長が声明文を出し、9月6日、非合法組織クルド労働者党(PKK)の戦闘員グループが、ハッカリ県ダールジャとユクセコワの間の道路で爆発物を爆発させ、このエリアで作戦中だったトルコ軍の2台の装甲車を爆破し、16人のトルコ兵が死亡したと発表しました。この攻撃で6人の兵士が負傷しましたが、生命に危険のある負傷者はなく、病院で治療を受けています。

 Hurriyet

参謀本部は事件後、PKKに対し断固たる作戦を開始したと、声明文は言っています。声明文によると、トルコのジェット戦闘機F43機とF16機の7機が、9月7日午前9時から、分離主義者テロ組織(PKK)の洞窟6つ、倉庫2つ、シェルター3つ、対空攻撃基地12をターゲットに爆撃をしているということです。

軍の最初の発表では「爆発によって、兵士に死傷者が出た。悪天候の中、作戦はつづいている」ということで、死者の人数には触れませんでした。サッカー観戦のためコンヤを訪れていたダウトオール首相は、旅行を打ち切り、急遽アンカラに帰って、緊急会議を召集しました。会議は2時間で終わりましたが、内容は発表されませんでした。

PKKはその武闘部である「人民防衛軍(HPG)」のウエブサイトで、この攻撃を“抵抗行動”として発表しました。トルコ南東部とイラク北部では、このところ、PKKは毎日、“報復攻撃”を行い、軍はPKKに対する作戦をつづけています。

2013年の休戦協定は、何百何千の人命を奪ってきたPKKのテロを終わらせるための最後の平和交渉を目的にしていましたが、PKKの相次ぐ暴力沙汰でめちゃくちゃになりました。


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