ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




左:城南信用金庫銀座支店。中央区銀座1-18。1988(昭和63)年6月19日
右:現代通信社。銀座1-19。1994(平成6)年3月20日

昭和通りの新京橋交差点の東北角にある城南信用金庫銀座支店の旧ビル。新京橋は昭和通りが京橋川を渡るための橋で、写真左の首都高速の下にあった。関東大震災後の復興事業で通された昭和通りにともなって架橋されたわけだが、その写真を見たことがない。『Bridge Watching』によると、昭和5年1月に完成したRCアーチ橋。
写真の城南信金のビルは、昭和30年代に建てられたものだろうが、昭和30年頃の火保図にはまだ載っていない。一目で銀行と分かる外観で、戦前は古典様式の建物が多かった銀行建築だが、まだその気分を引きずっていた時代だったのだろう。
現在のビルは「JS銀座ビル」(10階地下1階建て、1993年2月築)というが、その1~4階を城南信金が使っている。

現代通信社は昭和通り東の裏の路地にあった。写真左のビルは太三ビル(太三機工)で、そのビルと共に太三機工が本社ビルを最近建て直した。



宮脇ビル(小鼓)。銀座1-20。1999(平成11)年10月30日

昭和通り沿いに今もあるスクラッチタイル張りのビル。1932(昭和7)年に建てられたという。2013(平成24)年に内部を改修して「銀座レトロギャラリーMUSEE」として再スタートを切った。小さなビルなので高層化もできないし、それなら外観に合った使い方を、と考えたのだろう。
小料理屋の「小鼓(こつづみ)」は1975(昭和50)頃の開店らしい(『銀座経済新聞(2013.05.21)』)。左の写真は『秋立ちぬ』という東宝映画の一場面。成瀬巳喜男監督の1960年の作品である。主人公の少年が宮脇ビルの前で昭和通りを渡ろうとしているところだ。少年の後ろの宮脇ビルの看板は「小鼓」と読めそうなのだが……。
映画の背景になっている場所(銀座と新富町)を特定して現状と比較しているのが『麻布田能久秋立ちぬを歩く』というサイト。26の場面について解説している大変な力作である。


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