ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




根津工芸印刷所。文京区根津2-33。1990(平成1)年2月26日

当ブログ前回の2枚目の写真の右のほうに写っている。長屋かと思うほど間口の広い家だ。『不思議の町 根津』(森まゆみ著、ちくま文庫、元本は1992年刊行)では「戸塚工芸印刷」となっている。「吉為さんの大きな米屋」だった建物。



なかよし文庫の長屋。1990(平成2)年5月6日

根津工芸印刷所の隣は4軒長屋で、鈴木塗装店(2軒分)、貸本屋のなかよし文庫、斉藤牛乳店が入っている。
なかよし文庫を始めて見たのは20年以上も前だが、そときでさえ「まだ貸本屋が!」とびっくりした。貸本屋の全盛はたぶん昭和30年代前半である。『不思議の町 根津』には「会員制で入会金は大人300円、子供100円。1冊70円。5,000人の会員がいる」とある。
同書には長屋の以前の店が記録されている。左から、「鈴木ペンキ」「人見洋服ヤ」「人力車ヤ」「象牙の職人梅昇堂」。



雪印牛乳根津販売所(斉藤牛乳店)。4軒長屋は谷中との境の道に出る角にある。1986(昭和61)年4月



長屋の近影。2007(平成19)年12月15日

長屋の店はみな廃業してしまったようだ。左半分は2階を目隠しで隠しているが、屋根の骨組みが覗ける。目隠しするからには解体の途中ではなさそうで、火事になったのだろうか。
なかよし文庫はネット上ではいろいろなサイトで取り上げられている。藍染大通りのなかでは芋甚に次ぐ注目度だろう。それらを参照すると、なかよし文庫が休業したのは2003年3月である。45年間営業してきた。

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コメント
 
 
 
初めまして (neon)
2008-08-27 21:56:00
ワタシは5年前から根津2丁目に住んでおります貧乏絵描きです。このあたりも随分変わったのだと改めて思いました。なかよし文庫はちょうどワタシが越してきた時廃業されて、残念でした。現在も廃れながらそのままです。
 
 
 
>neon様 (流一)
2008-08-28 12:59:48
はじめまして。
「N的画廊」は以前から拝見していましたので、「neon」から前にコメントを頂いた方かと錯覚してしまいました。「こんな絵を壁に飾りたいな」というふうに見ていただけなので、neonさんが根津にお住まいとは気がつきませんでした。
当ブログでは谷中・根津・千駄木は今まで取り上げてこなかった地域ですが、少しずつ発表していきますので、引き続きよろしくお願いします。
 
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