ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





鵜沢家住宅。中央区入船1-5
2017(平成29)年7月15日

新大橋通りの入船一丁目交差点の裏の路地にある、この辺りではごく珍しい専用住宅。『東京都の近代和風建築』(東京都教育庁編集、2009年)によると、昭和元年(1926)頃の建築で、構造は「木造2階建、寄棟造(玄関:入母屋造)、桟瓦葺(庇:銅板葺)」。築地市場の仲買商「虎武商店」の住まいである。玄関脇に洋間の応接室がある他はすべて和室で、1・2階の東南側に広縁が廻っている。欄間や建具に良質の材料を使った細工がなされ、ガラスや照明器具も当初からのものが残っていて、極めて保存状態がよい、という。
中央区>近代建築物調査>鵜澤家住宅』には、「雁行配置された主屋と玄関、塀越しの庭が趣を伝える、入船の専用住宅」という副題で「正面外観と板塀、門、前庭の松が歴史的な街路景観を生み出している。建物を雁行型に配置し、入母屋破風玄関を設けた、近代和風建築の代表例である。組子状の高欄、正面と東面の開放的なガラス窓、引き寄せの垂木など凝った意匠が見られる。」と解説されている。
築地に市場が開場するのに伴い、その近くに、家を建てたのだろう。そのような家が建築当時のままで残っているのはほとんど奇跡である。


小筆印刷。入船1-5。2017(平成29)年7月15日

鵜沢家住宅の隣にある家。看板建築としてよさそうな外観だが玄関が二つあってアパートのようなものかもしれない。軒下の歯状の飾りと、中央上部に小さな洋風のレリーフがあり、関東大震災後に建てられた看板建築のように見える。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 杉田産業、亀... 川口酒店/日... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。