ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




歌舞伎座。中央区銀座4-12。1988(昭和63)年2月21日

『日本近代建築総覧』では「建築年=大正13年、構造=SRC4階建て、設計=岡田信一郎、施工=大林組、戦災により大改造がなされる。地下1階、楽屋RC2階」。昭和20年5月25日の空襲で半ば焼失したのを吉田五十八(いそや)によって修復された。その完成が1950(昭和25)年12月。外観は岡田の設計によるものを踏襲し、内部は吉田の設計によるといっていいのだろう。外観も岡田のものとまったく同じではなく、正面中央にあった大きな三角屋根の千鳥破風は省略している。また、後ろの舞台に当たる部分の屋根も平らに改修された。

実を言うとぼくは吉田五十八を知らなかった。吉田五十八(1894明治27年-1974昭和49年)は「昭和期に活躍した、数寄屋建築を独自に近代化した建築家。東京美術学校(東京芸術大学)卒業。母校で教壇に立ち、多くの後進を育てる」(ウィキペディア)という人。最初は個人住宅の設計が多かったようだが、戦後からは、劇場、美術館、寺院などを手掛けるようになった。吉田が設計した公共建築の初期の建物が歌舞伎座かもしれない。



歌舞伎座。1988(昭和63)年2月21日

写真の歌舞伎座での興行は、高層オフィスビル建設を含む建て替えのため、2010(平成22)年4月30日が最後になり、翌月から解体にかかった。瓦や錺(かざり)など再利用したり保存したりするものがあって、ビルの起工式は10月28日。新歌舞伎座と歌舞伎座タワーの竣工は2013(平成25)年2月26日。こけら落としは4月2日からだった。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 鳥羽洋行ビル... 明治座/日本... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。