ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




塗屋造りの商家。千葉県鴨川市貝渚3128。2006(平成18)年3月13日

鴨川市貝渚(かいすか)および磯村は鴨川漁港の町だから漁師町になるのだろう。町の集会場の名称にある「川口地区」や「大浦地区」というのは昔の地名らしい。そこを通っている県道247号線の沿線が一応商店街といえる。鉄道が引ける以前は漁港が町の中心地だったというが、それを偲ばせるような古い日本家屋の商家や洋風看板建築が少しだが残されている。
上の写真の家は、県道の洋品店や廃業した呉服店などが並ぶ中にある。なまこ壁が見えて蔵造りのように見えるが、壁を漆喰で塗って防火様式にしているのが前面だけで、側面まで及んでいない「塗屋造り」になるようだ。



桝屋呉服店。鴨川市貝渚3021。2006(平成18)年3月13日

前面だけを石造りの洋風建築に見せた看板建築だが、間口が大きく立派な建物だ。こういう店が成り立つのが漁港の町の特徴で、農村との経済力の差が見える。

下の小さな看板建築の家は、桝屋呉服店の斜向かいにある。看板の文字は、白く塗りつぶされた文字が少し読める。1行目は「呉服」と桝屋呉服店に付いていたマーク。2行目は「桝屋特設賣…」。


桝屋特設売店。鴨川市貝渚3120。2006(平成18)年3月13日

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