ONE DAY: RYOKAN's Diary III

誰にだって訪れるさ どうしたって悪い日は 地雷と番犬と腰に機関銃 ドイツ製でもダメでしょう

アルミ削り出し&新規格採用

2008-10-16 10:31:35 | Mac
MacBookシリーズが一斉にモデルチェンジした。なんといっても最大の注目はMacBookMacBook Pro 15インチモデルだろう。MacBookとしては初のアルミボディとなり、スタイルもMacBook Proと同じものになった。ディスプレイはLEDバックライトとなり、iMac同様に周囲をブラックアウトしガラスで覆った構造に。FireWire端子がなくなり拡張カードスロットがない点がProとの差だが、かつてのPowerBook 15インチモデルと12インチモデルのような関係だな、これは。(当時のPowerBook 12インチモデルはiBookのアルミ筐体版という感じのスペックだった)
 この新モデルで目をひくのは、アルミ筐体を薄板の曲げ加工等で組み立てるのではなくアルミ合金の一枚板から削り出して製造することでキーボード側の外装と内部フレームを一体化し強度を高め、かつ軽量化した構造にある。勿論、見た目のシャープさとカッコよさも併せ持つ。これはものすごく高い精度の加工技術が必要な筈で、よく採用に踏み切れたなと思う。PowerBook G4以降のチタン筐体・アルミ筐体のノートMacやiPodシリーズのように今回も東陽理化学研究所など日本の金属加工メーカーの協力があったのだろうか。
 従来からのポリカーボネート筐体のモデルのアップデート版が最下位モデルとして1モデルのみ残るが、基本的にMacはこれで全モデルの筐体がポリカーボネート製からアルミ主体のボディに切り替わった。かつてiBookの登場時には日本メーカーでも真っ白ノートパソコンが流行になったけど、このアルミ削り出しボディは日本のノートパソコンで今後流行するかなぁ。(「銀パソ」自体はかつてVAIOが流行させたものだが)
 そしてトラックパッドは更に進化して4本指操作に対応。従来から1本指~3本指での操作がそれぞれ異なりiPhone/iPod Touchのような操作性を持っており、たしかに僕が今使っているMacBook(2本指操作対応)でもマウスなしでもほとんど面倒を感じないくらいだが、さらに可能な操作が増えた。トラックパッドの一部分がクリックボタンを兼ねており(見た目上ボタンが消えた)、トラックパッド自体の面積も拡大。

1月に出たばかりのMacBook Airもアルミ削り出しボディなので大きな変更はなかった(先々はディスプレイ部分が新MacBookのようなデザインになるかも)が、内部はかなり変更された。MacBook共々チップセットがインテルGMAではなくNVIDIA GeForce 9400Mを搭載する形になりグラフィック機能を強化(MacBook Proはさらにグラフィック専用のGeForce 9600Mも同時に搭載する)。以前からAppleは無線機能のチップもインテル製でなく敢えて別メーカー(ブロードコム)のものを採用していたが、チップセットもインテル以外に変えるとはちょっと予想外だった。インテルはCPUのみ供給することになる。製品群で唯一取り残された形のMac miniにもいずれ採用されるのかしらん(Mac miniはしばらく新モデルが登場しておらず、その将来自体がちょっと微妙だが…)
 さらに内臓HDD(PCカードやiPodでも使われている1.8インチ)がパラレルからシリアルATAに変更された。つまり1.8インチHDDでもシリアルATAがついに登場したわけで、今後iPod Classicにも採用されるかな?(オプションのSSDも64GB→128GBへサイズアップ)

そしてPro17インチモデルを除くアルミ筐体タイプ全種類で、外部ディスプレイ端子がmini DVIからmini Displayportに変更。DisplayportはDVIの後継規格でHDMIとも互換性があり映像だけでなく音声信号も送れるが、大手メーカーで本格採用されるのはもしかして初めてかな?これにあわせて現状ではMacBookシリーズの外部ディスプレイ専用となるLED Cinema Displayも発表されたが、一本のケーブルから分岐してmini Displayport・USB・MacBook電源コネクタに繋がるようになっており、LED DisplayにはiSightカメラ・マイク・スピーカー・USBハブが内臓されているので、自宅に持ち帰ったMacBookをLED Displayに接続してデスクトップ機なみの使い勝手を実現するというかつてのPowerBook Duo+Duo Dockのコンセプトの再現となった。
 Displayportはおそらく今後iMac・Mac Pro・Mac miniでも新モデル移行時に変更され、Cinema Displayもそれにあわせて変更されるのだろう。Displayportの規格を考えるとCinema Display全機種にもスピーカーとiSightカメラ・マイクが内臓されるようになるのかも(そういえば昔、Performaのような形状のスピーカー内蔵ディスプレイが純正であったな…)。国内外の主なPCメーカーではDisplayportはおろか未だにDVIすら未採用の製品も少なくない現状で、このあたりの切り替えの早さはAppleらしい判断ではある。USB採用時もそうだったけど。

ところでAppleはフルサイズのキーボードに拘り、最近流行しつつある超小型ミニノートを出す気配は今のところ皆無だが、「Macではない別の名を持つApple製品」として出る可能性はあるような気がする。つまりiPhone/iPod TouchとMacBook Aieの間を埋めるような立場で、かつMacとの連携機能を持つようなモノということになるが、最近マルチタッチに傾倒しているAppleだけにやっぱりキーボードなしになりそうだな…。マウスもそろそろスクロールボールが消えて、見た目ワンボタンだが機能は3ボタン+スクロールボール付きというものになりそう。てか早くしてくれ。(スクロールボールが埃や指の脂ですぐ動作が悪くなるのよ…)