■終わってみればあっけなく。
ドラゴンズが
クライマックスシリーズ(CS)を全勝で勝ち抜け
日本シリーズ進出決定。レギュラーシーズンの戦いぶりのもどかしさは一体何処へ行ったのかと思うくらいの怒濤の攻撃と投手陣の圧巻の投球で
タイガースと
ジャイアンツを圧倒・粉砕した。今迄のドラゴンズに常につきまとってきた短期決戦の弱さがウソのようだ。
攻守ともに軸である
福留が故障でシーズン後半は不在、自慢の守備も(特に外野が)去年より劣化し、投手陣も
山本昌がまったく勝てず
川上・岩瀬も万全ではなかったのに、リーグ優勝こそ僅差で逃したがCSでは完璧な戦いぶりで、現状の戦力を考えるとよくやったと思う。雰囲気としてはプレーオフで勢いに乗り日本シリーズを4連勝で決めた2年前の
マリーンズに似てきたかな。
先に進出を決めた
ファイターズと違って胴上げもビールかけもしなかったのは「リーグ優勝はジャイアンツだから」という球団・監督の方針だそうで、ヘンに士気を緩めることもないし、こういうのもありかなと思う。ファイターズはリーグ優勝した上でのCS勝ち抜けだから、いくらやっても文句を言われる筋合いはないけど。
一方のジャイアンツはこの3連敗で5年ぶりの優勝祝賀気分など完全に吹き飛ばされただろうけど、リーグ優勝を決めてから2週間も実戦がなく試合勘が鈍ったことを差し引いても、CS開幕直前の時期に(完全休養ならまだしも)練習を1日休んで政財界のお歴々を招いた盛大な祝勝会を催すようなスケジュールを組んだフロントと親会社は「浮かれていた」と言われても反論できないだろうし
(選手には気の毒な話だが)、そんなチームにドラゴンズが負ける筈がなかったのかもしれない。ま、所詮は結果論だが。
■さて、日本シリーズが2年連続で同じチームの対決で戦われるのは1992-93年の
スワローズ-
ライオンズ以来、実に14年ぶりとなる。昔はセ・リーグではジャイアンツ以外に連覇できるチームは存在せず、一方のパ・リーグでは南海ホークス・西鉄ライオンズ・阪急ブレーブスがそれぞれ3連覇など入れ替わりで黄金時代が到来したため、その時期に同一カードの日本シリーズが2~3年連続するケースはあったが、ジャイアンツのV9が終わって以降は1976-77年の阪急ブレーブス-ジャイアンツ、1979-80年の
カ-プ-近鉄バファローズ、そしてライオンズ-スワローズしかない。こうして振り返ってみると、ドラフト導入による戦力均衡が進んでいった効果が如実に現れているな。
パ・リーグは西武ライオンズ黄金時代(1982-94年に2連覇・4連覇・5連覇)以降もブルーウェーブ(1995-96)・ライオンズ(1997-98)・ホークス(1999-2000)・ファイターズ(2006-07)と連覇するチームが多く出ているが、セ・リーグではスワローズ以来絶えて久しく、ドラゴンズも今回初めて2年連続で日本シリーズに出場とはいえリーグ連覇したわけではないから連覇なしの記録は継続中のままだ。これが日本シリーズでの2年連続で同一チーム対決が珍しくなってしまった原因となっている。
■この数少ない2年以上連続の日本シリーズ同一チーム対決で、2年目が前年と逆の結果になったのは2リーグ制になって以降の全てのケースを数えても1992-93年のライオンズ(92優勝)-スワローズ(93優勝)のただ1度しかない。ドラファン的には気になるデータであるが、ま、正直いって元々CSを勝ち抜けたとしてもパ・リーグのCS進出3球団いずれにも勝てないと思っているので、まぁ一緒か(苦笑)。
だって、ここ20~30年間で最も戦力のバランスが良く球団史上最強チームと確信していた去年の状態でも日本シリーズの結果はあんなだった訳で、
どんなに勢いをつけても前評判が良くても日本シリーズは勝てるワケがない、と思うのが
よく訓練されたドラファンの基本的思考パターンでありまして(涙)