蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

ニコライ2世  (bon)

2024-05-17 | 日々雑感、散策、旅行

 突然どうしてロシアの皇帝が出てくるのですか? 

 この5月18日(明日)は、かって、「国際善意デー」と呼ばれていたというのです。
 「日本の年中行事」(金園社、昭和55年1月20日)によれば、『国際善意デーは
国際親善デーとも言います。 ロシア皇帝ニコライ2世の提唱によって明治32年
(1899年)5月18日にオランダのハーグで日本を含む26カ国が参加して第1回世界
平和会議が開かれたのを記念するものです。この会議では、国際紛争平和的処理
条約や陸戦の法規慣例に関する条約などが締結されました。 その後第一次世界
大戦で中絶したのを、大正11年(1922年)イギリスのウエールズの児童たちの主唱
で、毎年5月18日に世界各国の子供たちが、ラジオを通じて仲よくなろうという運動
を始めたものである。我が国では、昭和6年から行われるようになりました。』


 とあり、この時すでに、第一次大戦後の国際連盟や第二次大戦後の国際連合に
はるか先駆けて、世界平和に向けた条約が締結されていて、その提唱者がロシアの
ニコライ2世であったのです。
 しかし、国際善意デーは、その後大きな動きにはならず、子どもたちによる
『仲よくなろう』運動になったそうですが、これもそのまま立ち消えとなってし
まったようです。「国際善意デー」というイベントもなくなっているようです。

 現在は、「国際親善協会」(公益財団法人)がそれに近い活動として、日本の
伝統的な文化、芸能、芸術、スポーツなどの紹介を通じ、開催地域との友好親善・
相互理解を図る「ジャパンウィーク」(JAPAN WEEK)を毎年11月に開催している
ようです。
 今年は、「第49回ジャパンウィーク」として、2024.11.12~17にフランス・コル
マールで開催されるそうです。 

      「ジャパンウイーク」(昨年第48回、スペイン)
       (同協会ネット画像より)

 国際親善協会は、HPにその設立時期などの解説はなく、主務官庁が内閣府で、
代表理事には参議院議員があたり、大企業から理事が出ている組織のようで、当該
HPを見る限り、立派な形式の組織で活動目的もさりながら、今日的にはあまり血の
通った活動のようには拝見できませんでした。

 また、「善意」などといっても、その定義は難しく、善意からの行動でも、ある
人にとっては迷惑行為となることもあり、善意デーというのは、そもそもあまり
しっくりとこなかったのかもしれません。せっかくの「善意デー」ですが、今日、
あまり活動が見られないばかりか、国際親善協会なる組織に(ネット上ですが)
出会い あまり心が浮き立たない思いに至ったのでした。

                     

 ニコライ2世がまだ皇太子の頃、国賓として来日しているのです。そうです、あの
「大津事件」なんですね。

 1891年4月27日にニコライ皇太子を乗せたロシアの軍艦が長崎に寄港し、5月19日
まで国賓待遇として日本に滞在するのですが、5/11に大津に入り琵琶湖遊覧やその
他の施設などを見学し京都に戻る際、滋賀県の巡査がニコライ皇太子にサーベルで
斬りかかり負傷させた事件です。

       長崎でのニコライ皇太子(1891年)
        (ウイキペディアより)

 接待役を務めていた有栖川宮威仁親王(海軍大佐)らは驚いくばかり、明治天皇
までも謝罪したという事件なんですね。これがきっかけで戦争にはなりませんで
したが、皇太子は3年後にロシア皇帝となりました。
(ロマノフ朝第14代、最後のロシア皇帝(在位1894年11月1日~1917年3月15日)

       ニコライ2世
        (ウイキペディアより)

 ネットには、貧弱で凡庸な皇帝とイメージされることが多いとの評などがあり
ましたが、この皇帝の下で、1904年、日露戦争が勃発するのです。司馬遼太郎の
「坂の上の雲」を想い出します。戦後も内乱が続いたりして、とうとう1917年には
「ロシア革命」が起こり、ニコライ2世は失脚し、新しくレーニンのソ連が始まる
のです。

               

 ロシアやソ連のことは、皆目知りませんが、レーニン、スターリンと英雄(最高
指導者)が続いてきたソ連もフルシチョフ、ブレジネフそしてゴルバチョフと続き、
東西冷戦の終局を迎え、1991年にソ連は崩壊し、いくつかの国の独立を見据えて
新しくロシアはエリツィン大統領に、そして、2000年にはプーチン大統領が誕生し、
先(5/7)の選挙で5期目を迎えました。

               

 元はといえば、5月18日の「国際善意デー」がきっかけとなって、ニコライ2世に
話がうつり、日露戦争を経たりしてとうとうロシアの経緯迄たどることになりまし
たが、現在、プーチン配下でウクライナ侵略がすでに2年3か月もの長丁場に続け
られていますが、この強権の底流は帝国時代から続いているとも思えます。しかし、
昔はもう少し可愛げがあったような感じもするのですが・・。
とんだお話に発展してしまいました。

 

 

 

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