老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

温故知新で政権交代に追い風を!

2024-09-16 17:00:57 | 政治
米国では今、次期大統領候補選挙が白熱している。当初は高齢と行動力・判断力が不安視され、バイデン大統領よりも裁判で犯罪者になるかもしれない前大統領トランプ氏のほうが優勢だった。米国民は、支離滅裂でワンマンだが一貫して「強いアメリカ」を訴えるトランプ氏を選ぶのか・・・そこへ民主党がハリス氏へスイッチしたことで風向きが変わった。世界の半数は、各国国民の半数は女性である。女性の地位向上、国民分断の解消、差別撤廃を初の女性大統領に託したいと考えるのは健全な民主主義だろう。

米国政治で特筆すべきは大統領を直接選挙で選ぶシステムである。しかも、ファクトチェック付きの公開討論会まで全米にテレビ中継される。事前に入念なディベート対策やロールプレイングを行うとはいえ、大統領候補自身が自分の口で政治を語り、ライバル候補の“口撃”をかわすには政治家としての信条や政策を日々繰り返し語れなければ難しい。

一方、日本の自民党総裁選はどうだろう。年季の入った政治家を含めて9人も首を並べ、何を語ったのか。何を主張したのか。誰に厳しい質問をしたのか。約9年にも及ぶ安倍晋三のデタラメな政治、1年で退場になった国民をバカにした菅義偉、そして岸田首相の退陣宣言。「日本の政治は何が問題で、どう正さなければいけないか」を自分の言葉で語った候補者はいなかった。ネットでは唯一、高市早苗の主張が具体的で一貫していると評価されているようだが、彼女は安倍晋三の信奉者で歴任した大臣時代は強引な政治運営を行ってきた。「サナエあれば、憂いなし」には「まったく、当たらない」政治家だと思う。

政治資金の裏金問題、国民には厳格な納税を義務づけながら自分たちは脱税する体質。それを経団連会長が「政治献金は正しい」と開き直る悪癖。それならば、「政党助成金は廃止しましょう」と総裁選候補者や政治家が、なぜ主張しないのか。唯一受け取り拒否している日本共産党を見習うべきである。

こんな出来レースで次期総裁選びが進み、解散総選挙になるのか・・・と悶々としていた矢先、グッドタイミング!やるじゃないか、フジテレビ!これぞ風刺エンタメ、三谷幸喜さん!9月14日に地上波で放送された映画「記憶にございません」である。与党特有の金権体質で政界を牛耳る官房長官の手により、初心を忘れた政治家が総理大臣になる。そして、私利私欲・オトモダチ優遇・デタラメ政策で最低の支持率にも関わらず、馬耳東風で総理の椅子に座り続け・・・ここが物語のスタート。

民衆の投石が当たり記憶喪失になった総理の脳ミソがゼロリセットされ、オセロの駒みたいに「正しい政治」へひっくり返ってゆく。総理が官邸で、かつての恩師から三権分立を学ぶシーンには感動した。自民党総裁選の候補者全員がこうべを垂れ、これに日本国憲法を加えた講義を受けるべきだ!そして終盤、(新生)総理が(悪玉)幹事長と対峙するシーン。政治信条を問われた幹事長の答えは国民・政治不在で「できるだけ長く、『政治家』を続けること」。まさしく、今の自民党政権・政府与党の政治家が考えていることではないか。

この映画は2019年に制作されたコメディー映画だが、三谷幸喜さんの政治風刺は巧妙かつ痛烈である。三谷さんは1997年に連続テレビドラマ「総理と呼ばないで」の脚本を担当している。この時代は自民党政権や本人の不祥事により総理大臣が短命でコロコロ交代していた。現在と異なるのは自民党が国会で「議員定数の過半数を得ていない」ことで、野党や国民に批判されたら国会運営・政権維持ができない。総理大臣がオトモダチ優遇したり国会で118回ウソをついたりデタラメな閣議決定を繰り返したりしたら、一発退場だったはずだ。安倍晋三の「憲政史上最長の7年8か月」など、噴飯物の政治記録である。

無党派層や若者達が「正しい民主主義」に関心を持ち、次期総選挙で投票率を上げてもらうには、堅い正論よりも「記憶にございません」「総理と呼ばないで」のような喜劇・風刺で訴えなければ!テレビ録画を見直しながら、そう思った。

「護憲+コラム」より
猫家五六助
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再び映画「あんのこと」について

2024-09-14 11:18:42 | 社会問題
私はこの映画についてコラムに投稿したが、未だ書きたり無い事があったので書き足しておきたいと思う。

「あんのこと」という題名。
主人公は杏という名前なのに、何故平仮名の「あん」なのか。
これは私なりの解釈なのだが、映画の中で杏の生活に希望が見え始めた頃、彼女は一冊の可愛いノートを買った。
ノートに薬物に手を出さなった日は◯を付けその◯が次第に増えて行った。
このノートを買ったのは夜間中学で学び始めた時だったので、杏という字が書けなかったのではないか。
だからノートの最初に「あんのこと」と記されていたのではないか。
それが杏という一人の女性の半生を辿る映画になった。

もう一つ「誰か一人でも手を差し伸べる人が居たら」と私は 投稿文で書いたが、手を差し伸べる人達はいたのである。
結果として行き違いがあったり、それが杏の居場所を無くす事になってしまったが。 

コロナ禍がなかったら杏は居場所を無くす事はなかったのだろうか。
「サルベージ」という自助グループは閉鎖になっても、職場や夜間中学は未だ続いていた筈である。

多田羅という刑事と桐野というジャーナリスト。
人は誰かに手を差し伸べたられたとしても、その手が汚れていたら素直に縋る事が出来るだろうか。
多田羅の行為は結果として杏を傷付け居場所を奪ってしまった。
桐野は多田羅の告発記事を書く為に潜伏取材をしていたのだろうか。
それだけではない筈、杏の就職先を紹介したのは桐野だったのだから。

最後に二人は杏を思い、泣く。
多田羅のした事は悪い事だった。
その彼が一時であれ杏に希望を与えた。

この映画は観た私の中に棘の様な何かを残した。
それは少女を救う事が出なかった悔しさなのか、私には分からない。
曖昧なままの疑問を残した映画だった。
ただ、言えることは、私の隣に杏がいたかもしれないと、 そして今もいるのかもしれないと思ったことだった。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
パンドラ
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映画 「あんのこと」

2024-09-09 20:32:08 | 社会問題
「あんのこと 」という映画を見ました。これは事実を元に作られた映画です。
https://youtu.be/LG5UQbRm3Bk?si=Zyl6N5S3TyR0LZt7

監督 入江悠 
主演 河合優実

杏は12歳で母親に売春を強要され、クスリを打たれ、家族を養うために売春を続けます。逆らうと母親の恐ろしい暴力にさらされ学校へも通わせてもらえず、体を売って母と祖母のために金を稼ぎます。

ある日警察に補導され、多田羅といういかにも胡散臭い刑事の取り調べを受けます。
多田羅はしかし 薬物から抜け出すための自助グループを運営し杏をそのグループに誘います。
 
最初はかたくなに心を閉ざしていた杏も、多田羅というおかしな刑事に次第に心を開いていきます。
同じ頃、自助グループの取材に来ているジャーナリストの桐野と知り合い、3人はお互いに信頼関係を作りながら 疑似家族のようになっていきます。

杏に希望の光がかすかに見え、家を出て、多田羅の紹介で仕事を見つけ新しく生き直そうとします。 

しかし杏の希望は、ある事実によってあっけなく打ち砕かれてしまいます。
同時にコロナ禍が起きて杏が働いていた高齢者施設も閉鎖になります。

全ての希望を失った杏はある一つの決断をします。
丁度ブルーインパルスが大空に飛行し皆が声援を送る中、杏は一人その決断を実行します。

この映画を見るには覚悟が必要です。
誰にも助けることができなかった ある女性の話です。

コロナ禍の時は 女性の自死した数が増えたと、新聞やテレビで報道していました。 
実は私の20年来の友人もコロナ禍の中で自死しました。
私は彼女の苦しみや心の叫びを聞き取っていたのだろうかと、悩み苦しんだ日々もありました。
社会の中で誰にも届くことなく社会の狭間に落ちて命を絶つ人がいるということを考えました。

子供も大人も苦しんでいる時、手を差し伸べる誰かが一人でもいれば救われる命があったかもしれない、と考えさせられる映画でした。 

「護憲+コラム」より
パンドラ
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「国民の人権規定」の内実の論争がない日本の憲法学(第二弾)

2024-09-07 17:05:54 | 憲法
1,前回の続きから

前回投稿では、国民概念(憲法10条)の外延の問題点を批判的に検証して来たが、この国の学問も劣化が甚だしい。そして、それは国民の人権規定(総論としての13条以下)の「内実」にも明確に現れている。

研究者としては、学会の怠慢を見過ごすことはできないので、本稿で指摘して、読者の反響を聞きたい(一人でも可だ)。

結論を先取りするが、人権の享有主体である、国民個人にとって、例えば生存権(社会権の根幹規定だ)の行使を行えば、必ず親族(主に両親と兄弟)の援助が可能であるかを確認してから、生存権の請求(生活保護の申請)をしてくれ、と通知がくるだろう。

つまり、憲法の13条及び25条の規定は、生活保護規定と関連法規である民法877条;扶養の義務:が優先されることになっている。

この人権規定の内実から、憲法規定は行政実務と法令規定によって拘束されていることが分かるのである。

2,「憲法、人権規定の実現法制とその実態はどうなっているのか」

これが本稿のライトモチーフとしての論点である。

つまり、行政の法令規定と実務では、生存権などの人権規定は憲法13条の定める次の規定の基本的部分は依拠されていないことが観取できる。
「すべて国民は個人として尊重される。(中略)国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」。

この総論規定から分かることは、憲法が国民に保障する人権規定は、どこまでも「個人の尊重」原理に立っているということだ。これに例外は「公共の福祉に反しない限り」という原理のみである。
民法規定の「扶養義務」の政府の要求がこの「例外」に属するとは思えないのである。(この論証は次回に譲る)。

つまり、最高法規である憲法では、個人の尊重がすべてであり、民法原則である、家族主義;民法の親族法の原理である「親族」規定の725条等に基づくものとは言えないのである。

私は憲法規定が生存権及び実現法制の生活保護法の基準となる個人主義に依拠するべきと考えている。

それに対して、政府の解釈は全く違う「原理」に依拠している。つまり、憲法ではなく、旧民法(法改正は戦後一部のみに止まった)と現行の家族法の「家族主義」に依拠しているのである。

これは、「個人の尊重」を原理とする憲法原則である個人主義ではなく、家族主義を戦前から継承してきたと判断できる。
実際に憲法の戦後史(憲法判例など)を俯瞰するなら明らかだ。

代表的な事案として、『朝日訴訟』を一部のみ引用するなら、朝日茂さんが療養所(サナトリウム)から、憲法裁判を提起した後に、行政官は朝日茂さんの兄を探し出して(行方不明であったとされている)、兄に扶養義務の履行を命じて、かなりの金額を生活給付の一部にしている。それにもかかわらず、最高裁は、原告敗訴の判決を出したのである。

今回投稿では論点が十分に論証できておらず、「続き」は次回に譲る。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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終戦から79年目の広島・長崎「原爆の日」に・・・

2024-08-27 22:50:25 | 戦争・平和
8月もまもなく終わろうとしています。
今年も8月6日の広島と8月9日の長崎の「原爆の日」に、犠牲者追悼と核廃絶・恒久平和を誓う「平和祈念式典」が行われました。

その中で、今回特に注目を集めたのは、広島と長崎で対応が分かれた、「平和祈念式典」に駐日イスラエル大使を招待するか否か、という問題でした。

私自身は、終戦後生まれとはいえ、親や人生の先輩達から折に触れ戦争の悲惨と平和の有難さを聴いてきたせいか、毎年8月6日と8月9日にはテレビの前で、祈りにも似た気持ちと共に「平和祈念式典」をみつめてきましたが、ここにきて、戦争の悲惨は遠い過去のできごとではなく、今現在もウクライナやガザでは多くの人たちが、現在進行形で傷つき、命を落としているという事実を突き付けられていて、皆で神妙な面持ちで平和を祈るだけで良いのか、という疑問を拭えずにいました。

こうした状況下で、今回長崎市長が「イスラエルを招待しない」方針を示した時、アメリカをはじめとする先進7か国から日本を除いた6か国と、EUの駐日大使が式典をボイコットするという圧力をかけ、エマニュエル駐日アメリカ大使は繰り返し日本政府にイスラエル招待を働きかけたと聞いて、欧米諸国、とりわけアメリカにとって、「原爆の日・平和祈念式典」も、単なる政治バランス保持のための外交手段のひとつにすぎないのかと、失望せずにはいられませんでした。

結果として、鈴木史朗長崎市長はイスラエルを招待しない決断を貫き、未来を担う若い世代を中心に据えた誠意溢れる式典を挙行し、厳粛かつ平穏に終えたことを当日のX(旧ツイッター)で報告。それを見て私も安堵しつつ、深い感動と共感を覚えました。
https://x.com/suzuki46genki/status/1821869304515903932

その後私は、現在ガザでジェノサイドともいえる行為を続けているイスラエルの大使はどんな思いで「平和祈念式典」への参加を望んだのかを確かめたくて、大使のXを辿ってみたのですが、タイムラインには、広島式典後の「原爆犠牲者への哀悼の意」の表明、長崎市の不招待への「遺憾の意」の表明、イスラエル除外に反対することを選んだ国々への「感謝」の表明、東京で行われた追悼式典に米国、英国大使と共に参加した「報告」など、比較的無難なコメントが並んでいました。

その一方で、大使のXには、ハマスに拘束された人質解放の報告や、一刻も早い人質全員解放への願いと共に、『イスラエルはイランの支援を受けているテロ組織によるテロ攻撃に常に晒されている』との訴えと、『自衛権と道義的責任に基づいて、自国領土と国民の保護を続けている』との主張を展開。恒常的な不安と被害者意識で、自分たちが齎したガザの人々の悲惨な状態に思いを致すことができない精神的膠着状態に陥っている様が色濃く出ていて、現状打開、和平への道筋造りの難しさを改めて感じさせられました。

イスラエルの立場はそれとして、今回の「原爆の日」式典に対するエマニュエル大使の対応で図らずも表面化した、アメリカの日本に対する上から目線の押し付けがましさには、今更ながら不快感を禁じ得ません。

日本政府は今こそ不均衡な日米関係を見直し、アメリカの核の傘の下に安住し、日米軍事指揮連携の強化を目指すのではなく、アメリカが投下した原爆の被災当事国として、また、憲法9条を持つ平和国家として、自律的判断で平和外交に力を尽くしてもらいたい。そして、イスラエルによるパレスチナ侵攻についても、公正な立場で真の和平樹立に向けて尽力してもらいたい、と痛切に感じた、終戦から79年目の8月となりました。

「護憲+コラム」より
笹井明子
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雷雨と豪雨が、今までの予測・常識をはるかに超えて激甚化する社会

2024-08-26 14:10:14 | 環境問題
最近毎日のように、どこかで線状降水帯が発生したとの注意を喚起する情報が流される。
昨日は確か栃木あたりに発生していたと記憶する。

世界を見ても、豪雨による洪水被害の報道が多く為されている。ここ数日で見ても、例えばバングラデシュで現在洪水被害が発生している。

以前パプアニューギニアの地滑りに関連する記事を紹介したが、その際、それぞれの地域の地形というものは、その地域の従来の気象条件との間に微妙なバランスがあり、そのバランスの上に地域の地形は成立し、保全されており、もしこのバランスをとっている一方の要素の気象条件が従来と全く違った場合には、その変化した状況との間に新たなバランスを構築しようとする力が働き、パプアニューギニアの場合は地滑りが発生することに繋がったと紹介しました。

今回線状降水帯や雷雨・豪雨の背景にあるメカニズムを紹介する記事があり、紹介してみたいと思います。

参考にした記事は、次の2つになります。
1.過剰に充電された雷雨:気候変動により引き起こされる異常な降雨や洪水を甘く考えていないだろうか?(原題:Supercharged thunderstorms: have we underestimated how climate change drives extreme rain and floods?: The Conversation 2024 May 9 written by Andrew Dowdy et al)
2.致命的な洪水が発生し、バングラデシュで数百万人が孤立している(原題:Deadly floods leave millions stranded in Bangladesh: AlJazeera 2024 Aug 23・25)
記事の忠実な紹介ではなく、大意を伝えるものです。

先例を見ない洪水を紹介する記事の中に、気温が1℃上がるごとに大気の湿度は約7%増えるという記載を良く目にする。
この7%増加という数字は、丁度今から200年前にフランスの技術者Sadi Carnot氏が行った研究の中に記されているという。

そして現在我々は、Carnot氏が1℃上昇ごとに7%湿度が上がるという事実以上の情報を手にしている。それは大気中に蓄えられた気体の水蒸気が雨粒へと凝縮する際に熱が放出されるということであり、この放出された熱が原因して雷雲中に強い上昇気流が発生し、周辺から更に湿気に富んだ空気を取り込んでいくことにより、更にエネルギーを増していく構図が出来上がり、結果的に今までに経験したことのない強烈な豪雨が産み出されるというメカニズムである。

このメカニズムにより発生する降水量は、気温1℃上昇当たり7%の湿度増加から予測される降水量をはるかに超え、2倍から3倍の量になるとされている。即ち気温1℃上昇で14%~21%多い降水量になる、とされているのである。

最近の例で言うと、ブラジルの洪水被害(2023年11月)やドバイの飛行場の水害(2024年4月)がある。

オーストラリアでは、最新の気象科学情報を総合的に調査し、今後の洪水事象への対応指針を作成している。この指針によると、気温1℃上昇当たり、短時間に集中的に発生する雷雨の場合、降雨量が7~28%増大すること、1日以上にわたる降雨の場合には2~15%降水量が増大するとし、これらの予測降水量は既存の従来の洪水対策指針が想定している気温1℃上昇あたり5%の降雨量増大をはるかに超える降雨量が現実の実態を表している、と指摘している。

従って、現在発生している雷を伴った豪雨というものは、我々が従来の予測をもとに対策を取っている安全基準をはるかに超える降雨量を実際にはもたらしており、洪水や地滑り・山崩れが起こり得る状況の中で我々は暮らしている、との認識が求められるのである。

バングラデシュ西部地域で少なくとも13人が死亡し、450万人に影響がでる洪水が発生している。先週金曜の当局発表によると、19万人ほどが避難所に退避し、バングラデシュの64の行政地域の内の11に影響が出ているという。

主要港湾都市のチッタゴンの北西100kmにあるフェニ地区の被害が最も大きい。

日曜の当局発表によると、洪水の峠は越え、水は引き始めているとしているが、いまだに30万人が避難生活を続けている。

災害対策担当大臣のAzam氏は「現在被害地域の通信環境の回復と食糧配布を目指す取り組みをおこなっている。合わせて伝染病被害の拡大を防止する対応も行っている」と話している。

世界気候リスク指標(Global Climate Risk Index)によると、バングラデシュは気候変動に対し最も脆弱な国の一つとされており、毎年モンスーンによる降雨被害が発生し、近年は異常気象のパターンの変化や極端な気象異常の増大が指摘されていた。

バングラデシュはつい最近数週間の政治的混乱の末に、ハシナ首相(当時)がインドに逃れ、ハシナ氏に代わってノーベル平和賞受賞者のムハンマド・ユヌス氏が暫定政権を率い、近く行われる総選挙前の民主的改革計画を推進している最中の洪水被害の発生になっている。

二酸化炭素の排出を早急に削減できなければ、人新世時代という、人が引き起こし進行し続けている異常気象の高進が要因となり、我々の想定をはるかに超す被害の甚大化が避けられないことになる。世界で頻発する事態にもっと危機感を持たなければならないだろう。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan
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巴投げ、&父との思い出

2024-08-21 20:58:55 | オリンピック
パリ五輪と選手の躍動や大活躍を私たちは楽しんだ。関心、着眼点は、とりどりだったとしても。

柔道、体操、レスリング、フェンシング、など、国内も大童…。水泳などでも、男女混合何たらと種目を増やし、我らも大いに喜こんだ。日本の金メダル、銀メダル、銅メダル新記録などにも、大きく貢献したのではないか。
 
唯、地球の一半を排除した一面の貢献もあろう。排除の論理。軍事ブロック化…これは残念。為政者の責任!?

大会最終日頃の、日本伝統のマラソンのこと。コースが平坦でなく、登り坂、下り坂、坂が急で難コースと言われていた。メンバーにも、大迫以外はなじみが薄く(私には)、余り期待がなく、パリ市街が見られれば良いか程度で、見ていた。暑い暑い毎日に感け…。

普段、記録の出やすい、平坦なコースに慣れていたので、見通しは明るくなかった筈。いざ始まってみると、ご案内の通り、市街、街並みは期待に違わず、次々と名所ばかり、上から俯瞰できて、観光客では手に入らないシーンばかり。

唯、選手にすれば、長い長い上り坂、ゴール前の急な上り坂、有難くない!? 例外、アフリカなど除けば。日本人など、自己新記録更新6位入賞!当局の、平地の記録の出やすいコース執着が良かったのかどうか。

しかし、赤崎暁選手も、鈴木優花選手も、その見方を裏切った、見事に。 ゴール直前、坂を登り切ったゴール前では、ひょっとしたらメダルも期待した…本人からすれば、出来映えは良かったのではないか。

体操も、レスリングも、フェンシングも、卓球も、やり投げも、ドラマティックだったが、個人的には、元木咲良の反り投げ!&角田夏美の堂々たる流れるような『巴投げに腕ひしぎ十字固め』…。

これには、父の思い出も重なる、と言っても、彼の尋常小学校時代のこと。聞いただけのお話。当時、柔道をやっていたそうで、他校の悪ガキにも一目置かれていた。巴投げも得意だった。背丈はそうでもないが、腕、手の平は大きかった。僕のそれなど、半分程度。因みに、面相は、私とそっくり。

御陰で、私の為に生きた父を思い出すことが出来た。大学卒業前、グスグズしていた私を一押ししてくれた。それが役立ち、卒業後程なく、父が脳内出血を患い(54歳)、前非を悔いた私は、大部屋に入院した父の側で、簡便ベッドで一年間、寝食を共にした。その後、リハビリに精を出し、右麻痺特有の障害は残したものの、随分長生きしてくれた。

実は、発症時、3,4日眠った侭、救急病院の担当医は、症状から、脳梗塞と決めつけ、CTも取っていなかった。父が急に口を開き、「俺はこの病院が嫌だ」と言った。会話だけは、出来る状態だった。びっくりしたのが事の始まり…慌ててCTのある病院に連れて行き、更に手術の出来る福岡大学病院に回り、手術、治療を受け、件の民間医院に入院した。
 
軍事ブロック化は、避けたいもの。覇権国家は、どう御すれば良いものか。市民の課題は大きいが、裁かなければ。心を共にする仲間、人々と共に。いざ!

「護憲+コラム」より
蔵龍隠士
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群像劇「獅子」8月23日~27日

2024-08-15 17:44:42 | お知らせ
8月14日の東京新聞に、『93歳の俳優・矢田稔さん 若い世代に戦争伝える』という見出しで、8月23日~27日に上演される群像劇「獅子」のことが紹介されていました。

『少年期に歌手として戦意高揚のための童謡を歌い、戦後は俳優・声優として活躍したきた矢田稔さん(93)が、5年ぶりに舞台に立つ。出演するのは、戦時期の映画界を描く演劇で、戦争体験や長い俳優キャリアから白羽の矢が立った。・・・』

***
「獅子」(作・演出 砂川仁成)
・2024年8月23日(金)~8月27日(火)
 13:30~ 18:30~
・渋谷 伝承ホール
・2グループ(飛翔班(A)と熱闘班(B))のダブルキャストで、矢田さんは(A)班
・チケット代金:指定席4900円 自由席4600円 中高生3600円
・申し込み:カルテット https://www.quartet-online.net/ticket/sisi
***
http://www.ypro.co.jp/2024/07/28/y%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%82%af%e3%83%88xpropaganda-stage%e5%90%88%e5%90%8c%e4%bc%81%e7%94%bb%e3%80%8e%e7%8d%85%e5%ad%90%e3%80%8f2024-8-23-27/

「護憲+」とのお付き合いも長い矢田稔さんが、93歳の今もお元気で、現役として活躍されていることは、本当に嬉しく、頼もしい限りです。
お時間の取れる方は、是非見にいかれませんか?

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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エムポックス(mpox)とはなにか? WHOが世界に健康緊急事態宣言を発した理由は?

2024-08-15 10:44:10 | 医療・介護
エムポックス(mpox)とはなにか? WHOが世界に健康緊急事態宣言を発した理由は?
(原題:What is mpox and why has WHO declared it a global health emergency)
aljazeera.com 2024 Aug 14 Areesha Lodhi氏記す

アフリカでウイルス性疾患が急速に拡大しているとして、WHOは最高レベルの警告を発表。

エムポックスに対する緊急宣言が発せられたのは、2022年以降今回で2回目となる。
WHOが水曜に発した宣言によると、今年度のアフリカにおける感染者数は14000人を超えており、死者数は524人とされ、2023年の数値を既に越しているという。
WHOの宣言は、前日のアフリカ疾病管理予防センター(the Centers for Disease Control and Prevention in Africa;アフリカCDC)の宣言に次いでのことになる。

エムポックスとはなにか? 感染はどのように伝わるのか? 以前の流行に比べて今回の症状はどの位危険なのか?等心得ておくべきことを以下に紹介する。

(エムポックスとは何か?)
主に人と動物が罹患するウイルス性疾患。エムポックスウイルスは「オルソポックスウイルス属(Orthopoxvirus genus)」に属し、通常皮膚に隆起や水泡を伴う発疹を含む水泡様疾患を起こす。皮膚の隆起は液体や膿で満たされており、最終的にはかさぶたとなり、治癒する。
エムポックスは、現在根絶している天然痘や牛痘に類似している。

1958年にサルで初めて確認されたことから、当初は「サル痘(monkeypox)」と名付けられ、デンマークの研究所で飼育されたサルを用いて研究が行われていた。
1970年、最初の人への感染例がコンゴ民主共和国(Democratic Republic of Congo)の9カ月の乳児で確認された。

2022年にWHOは、サルに限定される懸念から現在のエムポックス(mpox)への名称変更を推奨した。

(どのように感染が拡がっていくのか?)
感染している動物や人との接触を通じて感染が拡大していく。
動物から人への感染は、感染した動物に咬まれる、引っ掻かれる、あるいは感染動物の血液・体液または傷口に直接触れることから起こる。
人から人へは、感染者の皮膚病変や体液の直接接触や、感染者の呼吸器からの飛沫を直接に受けること・感染者との長時間の対面接触・感染者が使用の寝具や衣類等の汚染されたものへの接触、といった3つの経路が有るが、最後の感染経路はまれに起こるとされる。

ウイルスは、皮膚の傷口・呼吸器器官・目や鼻や口といった粘膜から侵入する。

(どんな症状か?)
発熱・頭痛・筋肉痛・顔手足その他の部位に現れる特徴的な発疹が主な症状。
膿庖は大きな白または黄色のニキビのように見えるが、膿が詰まっており小さな隆起物状を呈する。

免疫システムの両脇の下や首の側面や後ろにあるリンパ節もウイルスとの争いで腫れることが有る。
感染により致命的となる場合がまれにあるとされる。

感染は2~4週間継続し、症状の発現は感染後3~21日とされる。他の人へ感染させる可能性は、症状が発現する1~4日前からであり、無自覚での伝染が起こることになる。
エムポックスは発疹のサンプリング検査で特定できる。

(WHOが世界に緊急事態を宣言した理由)
エムポックスの新たな変異株が確認されたこと、そしてこの変異株による感染例がケニアやルワンダといった幾つかの国で初めて確認される事態となっており、アフリカ大陸内および海を超えて他の地域への拡大の恐れがあると判断したことが、宣言を出した一つの理由。

この宣言の発表により、各国及び各支援機関・団体は行動を起こすこととなる。
ジョン・ホプキンス大学医学部のアミタ・グプタ氏は「資源を動員する試みが現在真剣に進められており、この行動の促進を狙っての今回の緊急事態の呼びかけだ」と指摘している。

(エムポックスが拡大している地域)
先週アフリカCDCは、少なくとも13のアフリカ諸国でエムポックスが確認されたとしている。この状況は昨年同時期と比べて、症例数は160%増、死者数は19%増という。
現在までの所、症例の96%以上はコンゴとなっている。

今年初めに症状は軽く、性器の損傷を引き起こす新しい型のウイルスを研究者らが発見しており、この型のウイルス感染は発見が難しく、自覚なく他人を感染させる可能性があるとしている。
グプタ氏は「コンゴ民主共和国への出入りは少なく、現状のリスクは低いが、他のアフリカ諸国へ拡大すると、世界的な感染拡大の恐れが出てくる」と指摘する。

2022年7月の前回の緊急事態宣言時(2023年5月に緊急事態を解除)は、MPOXの系統IIにより引き起こされたが、現在の流行はより致死性の大きいとされる系統Iにより引き起こされている。

(ワクチンはあるのか?)
エムポックス向けの承認された治療法とワクチンはない。

天然痘の治療薬の抗ウイルス薬テコビリマット(TPOXX)がエムポックス治療薬として研究が行われている。アメリカFDAは、18歳以上の重症多発性硬化症患者向けの天然痘ワクチン(イムバムンまたはイムバネックスの名で知られる)JYNNEOSの承認も行っているが、しかし現状では発症者の60%は18歳未満とされている。

当局はエムポックス感染者と接触した人のワクチン接種を推奨している。

グプタ氏は「コロナ禍で多くのことを学び、世界では感染監視体制は向上しているが、エムポックスが拡大するアフリカでの迅速診断や治療へのアクセスはまだまだ不足している」と指摘する。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan
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常に危機的状況?

2024-08-13 05:53:59 | 災害
お盆休みだというのに気が休まらず、気を張り詰めた状態で過ごしている。災害が発生する可能性が高まっているのに、本来市民を守るはずの人たちが注意喚起しかせず、具体的な対策も起きた場合の対応も丸投げにされるのだから、不安になって当然ではないだろうか。

規模が大きい地震の後に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」なるものが発表された。地震発生後、気象庁がただちに検討会を開催したことは評価すべきだが、該当する地域で生活する人たちが具体的に今何をしないといけないのかを、政府や自治体が目立つようには呼びかけていない。

災害発生の可能性が高まっている主旨の注意情報を出されても、防災・減災のために発生前にしておくべきこと、発生後にしないといけないことを優先順位とともに示さないと、仮に災害が起きたときに無策のまま被害をもろに受けることになる。

何も起きなければ無策でも問題がない、それどころか対策を洗い出して呼びかける手間暇がもったいないと考えるのかもしれないが、事前にできるだけの手を打っておいて、結果としては何も起きなくて安心した、というほうがむしろ信頼されるのではないだろうか。

身の安全を確保する方法がわからないうえに、何かが起きても誰も守ってくれないから、花火大会を中止したり海水浴場を閉鎖したりするといった方策をとらざるをえないのだろう。大地震発生の可能性が高まっているとされる地域の宿泊施設では、予約のキャンセルが相次いでいるようだが、補償などはないようである。少し前に似たような話を聞いたばかりである。

台風も上陸したが、こちらも該当する地域の人に身の安全を確保するようにとは連呼するものの、今すぐすべきことを呼びかけないので、ただ不安をあおるだけである。警戒情報を発表しても、警戒するだけでは何も変わらない。さらには、移動を「自粛」するように依頼するのではなく、「連休・お盆の移動は柔軟に」というこれまで以上にぼんやりとした呼びかけしかできなくなっているようだ。

漠然とした注意喚起やお願いであっても、市民がそれらを無視してリスクを恐れず好き勝手に振る舞うようになったらどうするのだろうか。リスクを回避して損失が出ても、リスクを顧みずに行動して被害を受けても、すべては自己責任と切り捨てるのだろうか。いずれにせよ、具体的な策を提示せずに漠然とした呼びかけをするのがもっとも都合がいいのだろう。

「護憲+コラム」より
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