老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

天皇特別会見についての宮内庁長官の発言

2009-12-15 21:26:41 | 民主党政権
15日の天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見に対し「懸念」を表明した羽毛田長官の詳しい記者会見内容をアサヒコムから抜粋すれば、下記【長官による経緯説明】のように述べられている。

その中で前段部分は日程調整上と陛下の体調面から1ヶ月ルールの必要性が述べてあり、納得できないことはない。しかしあくまで宮内庁の日程調整上の便宜的ルールであり、次の憲法第七条本文に照らして必要なものではないだろう。

>〔天皇の国事行為〕
>第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

問題は後段の「このルールの肝心だと思っているところは、・・(*)」以下のくだりの発言であろう。いかにもごもっともな主張のようであるが、良く読むと日程調整上の1ヶ月ルールや政治判断による介入を盾に、天皇の外国賓客の引見や国際親善活動については憲法七条の内閣の助言と承認の範囲外にあることを臭わしているようにもとれるのである。

裏を返せば、この範疇の行為は宮内庁主権で行えるとの宮内庁の解釈改憲で宮内庁摂政の様に見ることもでき、その想いが羽毛田長官の記者会見での最後の言葉「今回は、現在の憲法下における天皇陛下のお務めのあり方だとか、役割だとかいった基本的なことがらにもかかわることと思っているわけです。」に表われているように思う。

しかし現行日本国憲法下では主権者は国民であり、それは大日本帝国憲法の天皇主権の弊害の反省から生まれた理念である。外国要人との引見や国際親善活動も憲法第七条の国事行為に準じる行為との解釈がより安心である。

一方では国際親善や外国の要人との会見は天皇の国事行為(憲法七条)には該当しないとの学説もあるようで、これは宮内庁の権限拡大や摂政に繋がりかねず、宮内庁の解釈改憲には要注意である。

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【長官による経緯説明】
http://www.asahi.com/politics/update/1212/TKY200912110546.html
 
両陛下の外国賓客の引見については、引見希望日が迫った形で願いが出てまいりますと日程調整に支障をきたす。そういうことがなくても繁忙をきわめる両陛下に想定外のご負担をおかけすることになる、と考え、1カ月以上前に、内閣(外務省)から願い出をいただくことをルールとしてやってきました。 とくに2004年以降は、前年に陛下の前立腺がんの手術もあり、陛下の負担や年齢も考慮して、ルールをより厳格に守っていただきたいと政府部内に徹底してきたところです。

*このルールの肝心だと思っているところは、国の大小だとか、この国が大事でこの国は大事ではないという政治的重要性で取り扱いに差をつけることなくやってきた点です。米国は大事だから米国の賓客には1カ月以内でも会うとか、某国はそれほど大事じゃないから厳格にルールを守りましょうとか、そういうことをしない形でやってきた。

両陛下のなさる国際親善は、政府の外交とは次元を異にし、相手国の政治的な重要性とかその国との間の政治的懸案があるとか、そういう政治判断を超えたところでなされるべきものだという考え方です。従って今回は、現在の憲法下における天皇陛下のお務めのあり方だとか、役割だとかいった基本的なことがらにもかかわることと思っているわけです。
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「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年

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