老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

いじめ自殺事件の真の問題点

2012-07-31 21:53:46 | 社会問題
大津市にある中学で昨年、中2の生徒がいじめを苦にして自宅マンションから飛び降り自殺をした。昨年の10月度のことであったがマスコミは今になって事件を連日報道している。

私はこの学校を通って勤務場所まで約4年間通勤していたが、京都市などの標準的な中学と異なり、外から人間的な教育が看取できる懐かしい風景も学びやの面影も見られない、空虚な学校という印象が強かった。そして、いじめや暴力が発生しそうな「死角」が至る所にあるような建築物という外観があった。

さて、今回の大津の事件が典型的であるのだが、日々マスコミが追っているようないじめの酷さとか教育委員会を初めとするいじめの存在自体の隠蔽や責任逃れを指摘しても事後の責任追及にしかならず、真の問題は、今後も発生するであろう「いじめ」→「自殺」という負の連鎖をどう断ち切っていくのかという現存する問題の解決策を検討するべきではないかと考える。

そうだとすると、今回の大津の事件でも明らかになったことは、被害者の中学生は自殺(飛び降り)の直前に「学校に行きたくない」というSOSを発していたことであった。この場合中学生の両親は、このSOSをきちんと聞いていたとは今のところ思えない。

今回の事件を教訓にして考えれば、現在の義務教育の現場で一般の中学生などが、いじめなどを原因にして「学校に行きたくない」という意思表示を権利としてなすことが、果たしてできるのだろうか。

確かに日弁連の「いじめ問題ハンドブック」などでは「不登校の権利」を明らかにしている。しかしながら、中学生の立場からすれば「不登校の権利」がありますよと言われても、親や教師から「そんなこと言っても学校にいかなければ将来進学も就職もできないので学校に行け」と説得されて、本人もそれはそうだなと言うことでいやいや登校することになるのである。こうして「いじめ→自殺」という連鎖は断ち切ることは出来ない。こうした構造が現在の学校事情であり現場ではないのだろうか。

この連鎖を絶つには「教育権」という発想から子供の「学習権」への転換が必要になってくるのである。(憲法26条の解釈の転換)

ユネスコは1985年に「学習権宣言」をなした。最大の要点のみ揚げると「学習活動はあらゆる教育活動の中心に位置付けられ、人々を、なりゆきまかせの客体から、自らの歴史をつくる主体にかえていくものである」と宣言したことである。

この学習の権利を確保させなければ、いじめにあっている生徒が権利としての不登校を選び取ることは困難である。文部科学省はこの子供の学習権を妨害するような国家教育権をすぐにでも放棄して、不登校の生徒にあらゆる場所と機会を保障して登校せずとも学習は出来ることを明言するべきなのである。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵

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ショックドクトリンを粉砕する地位協定破棄 (通りがけ)
2012-08-01 03:38:36
ユダ金ジャッカルが海外自衛隊へ攻撃開始 (通りがけ)
2012-08-01 01:54:13
オスプレイを運び込みオリンピックに注目を集めていよいよユダ金ジャッカルの日本国内外に段攻撃が開始されたようです。


地位協定がある限りアメリカで不要とされたオスプレイが日本へ運び込まれた如くGEが不要とした原発も日本で作られ稼働させられ続けるでしょう。日本本土が沖縄を残して地図上から消え去る日まで。

すでにゴラン高原へ派遣された日本の自衛隊に戦闘のただ中に投げ込まれる最大の憲法9条破壊危機が迫っています。

>国連シリア監視団長車列に攻撃 けが人なしと事務総長
>>http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012073101001570.html

 【ニューヨーク共同】国連の潘基文事務総長は30日、国連シリア監視団(UNSMIS)のガイ団長の車列が29日に攻撃を受けたことを明らかにした。けが人はなかったとしている。ニューヨークの国連本部で記者団に述べた。

 潘氏は、UNSMISに対するこれまでの攻撃により装甲車両十数台が「完全に破壊された」と述べ「誰もけがをしていないのはたいへん幸運だ。これは装甲車両だったからにすぎない」とし、UNSMISが非常に危険な状態に置かれていることを強調した。
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ショックドクトリンを粉砕する「地位協定破棄」 (通りがけ)
2012-08-01 02:35:56
直ちに自衛隊を戦闘地域から撤退帰国させねばなりません。ロシア軍駐留地へ自ら武装解除して帰国難民として救助を求めるのが最善でしょう。決して武力行使をしてはならない。すればアメリカによって国連敵国条項を適用され宣戦布告されます。日本再占領ですね。

ジャッカルの攻撃が失敗しても今度は国内に運び込んだオスプレイをシリアへ実戦投入するとして地位協定を盾に日本中の空を飛ばせて運用実績を作り、直ちにシリアへ投入する。第一陣を投入後は補給と称して矢継ぎ早に第二陣第三陣のオスプレイを日本へ運んでくるでしょう。宣戦布告せずとも少なくとも国内を制空権を奪い尽くして実質制圧することに成功するでしょう。

そうなれば原発も瓦礫も本土全土に拡散することはいともたやすい。

単純だが効果的。これがユダ金のバカの一つ覚え「ショックドクトリン」なのです。

これに対抗する唯一の道として直ちに地位協定を破棄する必要があるのです。
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同感。 (屁の河童。)
2012-08-05 23:20:18
第二段落は、同感です。
建物、大規模校かどうか、少人数かどうか、職員室のつくりは、校門は、門扉は、構造物から制約は受けますね。
実務経験から同意します。

その一方で、子どもは残酷な事もします。
超えてはならないものは、大人が介入すべきですが、介入しすぎると経験が積めません。
今の子どもは遊びも殴られ方も受け身も知らないのではないかと思います。

大人の社会のいじめなんて、あんなものではないのだけれどね。
そこも考えないといけないように思います。
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