湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ドヴォルザーク:交響曲第8番

2016年09月20日 | 北欧・東欧
○ペンデレツキ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア(DIRIGENT:CD-R)2008/8/26live

存外素晴らしい演奏で驚いた。基本的に縦ノリのガツンガツンくるドイツ的なドヴォルザークなのだが、音響と構造の整え方は中欧伝統の鈍重で非理知的なやり方とは異なって非常にしっくりくる。ここまで揃えばメカ大好きドヴォルザークが簡潔な書法の裏に忍ばせたもの、独創的な楽器の重ね方、音響的配慮の繊細さ、天才的な対位法、リズムの見事なパズリング、そのへんまで聴こえてきて、ただノリや旋律で押し切る方法が既に過去のものであることを今更考えさせられる。ここにはそういった主知的な観点だけがあるのであはない、この作曲家の民族的作品を思わせる、バルトークのような激しい打音にいざなわれ、決して前には流れないが後ろに引きずられることはそれ以上にありえ無い、3楽章などワルツを強調することはないがワルツとて舞踏音楽なのだから明快なリズムが重要であるし、ドヴォルザーク特有の楽想の躁鬱的転回をものともせず構成する指揮者には曲への信望以上の思い入れを感じさせるパワーの発露が伴っている。オケ含め素晴らしい演奏。ドイツ的なドヴォルザークが好きなら。ブラヴォのような言葉が叫ばれる。○。

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