湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

マーラー:交響曲第2番「復活」~Ⅴ.リハーサル

2013年08月29日 | マーラー
○バーンスタイン指揮ボストン交響楽団他(whra)1949/3/21live・CD

鄙びた音を出していたオケがバンスタの力づくの指示で粘着気質のアクの強いオケに変貌するさまが面白い。まさに指揮により変貌するのだ。まず終盤の歌唱から確認し、次いで頭からつまみ食いしていくが、場所こそ違えどどんどんアンサンブルがまとまっていくのは凄い。キレも良くなり合奏も分厚くなる。伸び縮みはいくらなんでも極端で恣意的過ぎるが(歌手もそれに合わせさせられるのだ)それはまた別問題、これはドキュメントとして面白い。○。
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グラズノフ:弦楽四重奏曲第5番

2013年08月26日 | グラズノフ
◎サンクトペテルブルク四重奏団(delos)CD

ここまで解釈を尽くした演奏もあるまい。一楽章はいくらなんでもやり過ぎの感が否めないが三楽章はここまでやらなければ伝わらないのだ、という真理を聞かせてくれる。ファーストだけが異常に雄弁で音はやや硬くけして無茶苦茶上手い団体ではないのだが、これは交響曲として書かれたものであると喝破したかのような、まるで往年の巨匠系指揮者のやっていたようにダイナミック、細かく大きな起伏の付けられた表現をしている。偶数楽章はもっと直線的演奏の方が合っているかもしれない、異論があってもいいが、スタイルを固持し一貫している。もう一つ文句をつけるならワルツ主題がワルツになっていない、でもこれは抽象音楽の表現としては正しい。とにかく同曲の録音史上最もやり過ぎた演奏であり、やり込んだ演奏であり、これ以上曲を理解した演奏もなかろう。◎。
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ショスタコーヴィチ:交響曲第7番~Ⅰ.リハーサル

2013年08月14日 | ショスタコーヴィチ
◯バーンスタイン指揮ボストン交響楽団(WHRA)1948/12/22live・CD

かなり意志的なものの感じられる本番リハの記録。本番全曲は既出、このボックスはトゥーランガリラなどほぼ既出のもので占められているが、この音源は初出だと思う。オケの音が鄙びているのは録音のせいと思われ、若干の力の抜きはあるかもしれないが、バンスタの積極的で情熱的な言葉が煽りに煽って、ここで聴かれるボレロの模倣ひとつ取ってみても止まってばかりの指示ばかり。聴くにつけバンスタのショスタコーヴィチはあくまで音楽としての表現を追求していてその底にある精神性とか文学的理由には興味がないことがわかるが、ゲネプロでそんなことに言及するわけもないか。私は楽しめた。バンスタのショスタコーヴィチファンなら。
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ラファエル:交響曲第2番

2013年08月14日 | ドイツ・オーストリア
◯アルトシュタット指揮中部ドイツ放送交響楽団(CPO)2007/3/19-22・CD

ワグナーが始まったか!と思うとマーラーの復活冒頭に似た音形が繰り返され、しかし何か浅薄で構造的な面白みがない。かなりのっぺりした、しかし耳馴染みは良い音楽が展開されてゆき、次第に飽きてくるが、適度に現代的でマーラーとは違う。ベルリオーズの幻想のような所もあるが、おおむねはラファエル特有の「聞きやすさ」で占められているがゆえの、つまらなさがあり、これをやりきったオケに喝采。ちょっとヴォーン・ウィリアムズの牧歌的音楽を彷彿とさせるところもある。
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ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」

2013年08月14日 | 北欧・東欧
◯シェフチク・ルホツキー四重奏団(RCD)1929・CD

チェコの伝説的団体だが、おしなべて速く緊密である、というところはともかく、冒頭よりノンヴィヴ、その後スルポンティチェルロやポルタメントや特殊奏法が目立ち、これがそもそもの東欧のやり方か!と思った。とくにノンヴィヴは至る所で使われ、ヘタに聞こえてしまうところもある。CDは補正がかかりすぎて音色までわからないが、前時代的な艶っぽいものなのかもしれない。◯。この団体は細かい曲をも録音していて一部はこのCDに入っているが全部聴いてみたい。
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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェヘラザード」

2013年08月12日 | リムスキー・コルサコフ
◯ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(FKM:CD-R)1962/2/6live

ホワイトノイズが多いが音は明晰でステレオ。デロデロなのだがそれが最も際立つのはやはり三楽章。ストコの手綱さばきもなかなかのものでフィラ管を自由自在に動かして極限の伸び縮み歌を聴かせている。弦のアンサンブルがこれで崩れないのはすごい。解釈が行き届き過ぎている。ストコの掌中に戻ったフィラ管のパワーを魅せつけるのに最も適した曲、四楽章冒頭の異常な迫力から、ストコここにありというような音楽の洪水を楽しみましょう。
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シマノフスキ:交響曲第4番「交響的協奏曲」

2013年08月12日 | 北欧・東欧
◯マツエフ(P)ゲルギエフ指揮LSO(LSO)2012/12live・CD

迫力のsacdでこの曲の高精度な演奏を楽しめるだけでも良い。ゲルギーの全集からの一曲であるが、ソリストが良い。強靭では無いのだが、二楽章の表現はこれまでによくあったような直線的なものではなく、解釈されたものであり、聴き応えがある。一楽章もいいが、三楽章はややテンポが停滞する感もある、これは他の盤でもみられる現象なのではあるが。ゲルギーはけして巧緻ではないのだが勢いと力があり、ロシアの伝統と現代のオールマイティ指揮者の融合というような、逆にいうとやや半端な部分もあり、圧倒的では無いが、それなりにリズムも強く、迫力はある。オケのせいもあるか。
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ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

2013年08月12日 | ドビュッシー
◯ストコフスキ指揮フランクフルト放送交響楽団(SCC:CD-R/M&A)1955/5/31・CD

ストコフスキーは大量のフランス物を残しているが、正統的なものではなく、フランス物好きには受けないことが多い。これは意外とからっとした演奏のように感じる。おそらくオケの音のせいだろう。テンポはねっとりしている。
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ストラヴィンスキー:ミサ曲

2013年08月12日 | ストラヴィンスキー
◯ストコフスキ指揮フランクフルト放送交響楽団他(SCC:CD-R/M&A)1955/5/31・CD

抽象度の高い、まさにミサ曲という曲を作ったわけで、擬古典ではないがほぼ教会で演奏されても違和感の無い曲である。混声合唱も入るがいくぶん生々しいのは演奏のせいか。意外な程ストコフスキーらしさの出ない演奏。
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メシアン:聖体秘蹟への賛歌

2013年08月11日 | フランス
◯ストコフスキ指揮フランクフルト放送交響楽団(SCC:CD-R/M&A)1955/5/31・CD

派手な曲でこの楽団がやるとブラス斉唱がマーラーのように聴こえてしまうが、ストコフスキーらしい表現でもあろう。メシアンの色彩はそれほど強調されずやや違和感がある。演奏的には速く、ダイナミック。
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マクダウェル:ピアノ協奏曲第2番~Ⅰ、Ⅱ

2013年08月11日 | アメリカ
◯フランセス・ナッシュ(P)ストコフスキ指揮NBC交響楽団(SCC:CD-R)1942/4/7live

美人ピアニストでならしたナッシュの得意としたマクダウェルだが、どうも地味なロマン派で、メロディの美しさくらいしか聴くところがなく、ピアノもありきたりの書法とあって、興味が惹かれない。二楽章はまだ個性があって楽しいのだが短い。ナッシュはそつないし、どちらかといえば現代的なピアニズムを発揮している、けしてデロデロにはならないし、ストコも伴奏にてっしている。うーん。演奏レベルに◯。
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ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」

2013年08月11日 | ストラヴィンスキー
◯ストコフスキ指揮NBC交響楽団(SCC:CD-R)1942/4/7live

綻びやつんのめりもあるもののそれもひっくるめてNBCの演奏だなあ、すげー、という集中力。ストコフスキーがスピードを煽るのもまたいい。色彩的処理の上手さはトスカニーニを凌駕するのではないか、この悪い録音からもむせ返るような音の開放感が感じ取れる。引き締まった火の鳥で、ストコフスキーのイメージから外れるかもしれないが、末尾の切り方のおかしさにストコフスキーらしさは出ている。◯。
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ラファエル:ヤボナー

2013年08月10日 | ドイツ・オーストリア
◯ストコフスキ指揮北西ドイツ放送交響楽団(SCC:CD-R)1952/7/7

余りの曲の良さに思わずcpoの交響曲集を買ってしまったのだが、このポスト・マーラーと目されたうちの一人であるギュンター・ラファエルはナチの迫害を受けたものの、多数の作品を巨匠や若き名手に演奏されていた人気作曲家でもあり、派手で人好きするわりに深みには欠けるかもしれないが、今の耳からするとけして人気が無くなる理由はわからない。確かに節操のない作風の幅で雑多な作品を量産し、演奏困難なほど長大な作品を作るなど、現代作曲家としてどうなのか、というところもあるが、職人気質を好む人には受ける要素が依然あると思う。この曲は東洋趣味があらわれコダーイなども想起する組曲だが、ストコフスキーの派手な音響がじつに曲の魅力を引き出している。オケはほんとに上手い。作品番号66ということで円熟期のものということもあるか、生硬なところはかけらもないので、安心して聴けます。
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ファリャ:バレエ組曲「恋は魔術師」

2013年08月10日 | その他ラテン諸国
◯ストコフスキ指揮北西ドイツ放送交響楽団(SCC:CD-R)1952/7/7

熱気ある曲に即興的で拡散傾向の指揮者、そこへきて冷たく精緻なドイツオケというところが面白い。精緻さが滑稽なまでに曲の熱気を克明に「再現」しているところが面白い。ストコフスキーの勢い任せの指揮がやや違和感を覚えさせるが、オケがうますぎて崩壊なぞしないものだから迫力に押し切られて、これでいいのだ、と思わせてしまう。筋肉質で圧倒的なオケ。録音も案外良い。◯。
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グラズノフ:幻想曲「森」

2013年08月08日 | グラズノフ
◯オルロフ指揮ソヴィエト国立放送管弦楽団(musiconline他)CD

ワンパターンなロシア節が横溢するがグラズノフには珍しい鳥の鳴き声の模倣や印象派のような絵画的表現が終盤を盛り立てる。オルロフはこのオケの方が合っているらしい。ワグナーやリムスキーのような壮大さは無いもののグラズノフそのものの魅力のみを上手く引き出している。
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