湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

モンラード・ヨハンセン:交響詩「牧神」

2019年03月08日 | 北欧・東欧
ミュンシュ指揮ORTF(SLS)1964/6/4live

ノルウェーの新しい作曲家だが曲は古くさい。「パン」と聞いて期待するといきなりのシベリウスぶりにのけぞる。中欧的な重心が低い音楽はやはりグリーグに近いのかもしれない。その中にも軽やかなフレーズが舞い込むさまはストラヴィンスキー「火の鳥」だろうが、それほど強い影響は感じられず、通り越してリムスキーと言ってもいいような色彩だ。シェーンベルクを思わせる脳っぽい硬質の音も入るが一部だけで、この交響詩を形作る描写的要素がどのようなテキストに即して作られたかわからないので、そこでなぜその音があるのかわからない。ミュンシュだから聴けてしまうが、次のルーセル「バッカスとアリアーヌ」にちょっと似た折衷的なロマン主義の気もあり、そのような音楽だと割り切れば楽しめよう。「牧神」という題名でホルン斉唱が入ったところで「即物的すぎる…」と唸ってしまった。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オネゲル:交響曲第2番 | TOP | ラヴェル:2台ピアノ(5手)の... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 北欧・東欧