ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

カレーシンジケート

2008年06月02日 | 食べ物


この間、新しく出来た「インド料理屋」に行った。
昔ながらのカレー屋が新しくオープンするというのは
あまり聞かないが、現地系(現地の人間が調理する店)
の店は、何故かこのところオープンするのが不思議で
ある。

ランチのセットを頼んだのだが、850円で、カレー
二種類、キャベツの千切り主体のサラダ、タンドリーチ
キン一つ、ジャガイモの現地風のなんとか、それにか
なり大きなナンが一つの皿に乗って出てくる。
更に、飲み物も付いてくる。
今回は「ラッシー」にした。
これだけ出てきてこの値段というのは、かなりお得感が
ある。
ランチだと、食べ放題の形式をとっている店も多いので、
特別ここが安いとは言えないかも知れないが、ワンプレー
トでお腹が一杯になるのは間違いない。

で、味のほうはどうなのかということだが、これも最近
の傾向だが、現地系の割にはスパイシーさが足らない。
日本人向けにおとなしくさせているのかどうか、他の店
もそうだが、どうも今ひとつ個性に欠ける。
強烈なスパイスの香りがほしい、と個人的には思うのだ
が、それでは受けないのだろうか、やはり。
「ナン」は「ナン」で、今ひとつ膨らみが悪く、ところ
どころべちゃっとした部分があり、お腹にはたまりそ
うだが、あまり良い出来の「ナン」とは言えない。
「タンドリーチキン」も「ジャガイモ」も、共にスパイ
ス不足。
要するに、全体的に今一つなのだ。

それにしても、気になるのは従業員。
インドかスリランカかネパールか、はたまたバングラデ
シュか分からないが、その現地系の人間が必ず複数働
いているのだが、彼らはどうやってこういう店に派遣
されるのだろうか。
おまけに今回の一人は、殆ど日本語が駄目で、メニュー
にあった「バドワイザー」を頼むのにも一苦労であっ
た(車ではなく自転車だったので、厳密に言えば自転
車でも飲酒か)。
昔は、こういう店は本当に珍しかったのだが、今はそ
れこそ普通である。
何か、理由があるのでは、と常々不思議に(冒頭の部
分のように)思っていたのだ。
そんな時、ある記事が目に入り、その謎解きのヒント
を与えられた。
それは次のような内容だ。

現地にブローカーがいて、120万(日本円で)ほど
で日本で働けるように手配をする。
それは、一時、中国の「蛇頭」がやっていたようなこ
とと同じで、日本では殆ど只働きの状態となる。
調理の専門職という触れ込みで斡旋するらしいのだが、
その彼らを日本のインド人経営者が利用するという構
図のようだ。
安く使ってこき使う、経営の基本か。
この店がそういう店かどうかは分からないが、これで、
次から次と店が出来てもそれなりに現地系の人間が供
給されるというメカニズムは理解できる。
ひょっとしたら、日本へ行きたいがために、大して調
理が得意でもない人間が混じっていて、今ひとつの店
が増えているという現象に繋がっているのかもしれな
い。
要するに、質的には落ちるという。

それにしても、世に悪事は尽きないものである。




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