小山田桜台ジョギングクラブ

尾根緑道、小山田緑地、小山内裏公園周辺をフィールドとしている走友会です。
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駒橋発電所導水路巡り

2024-04-04 18:24:43 | Weblog

ブログは前後しますが、先週、大月の駒橋発電所の導水路(6.7km)を巡って来ました。2年ほど前のブログ「都留アルプス(谷村発電所導水路巡り)」の続きです。

駒橋発電所は明治40年に完成し、大容量発電(最大出力22,200kw)・長距離送電の草分けとなった発電所であり、導水路途中の落合水路橋が国の登録有形文化財になっていたり、導水管が中央本線を越えたりと興味深い点があるので巡ってみました。

また、ここは中央本線などと並行して流れる桂川沿いにあるので、甲府方面に向かう中央道からも良く見えます。


グーグルのストリートビューから借用した写真です。左奥に見える2本線がそうです。(2023年5月の画像)

前回と同様に導水路の構造物が見やすいということで落葉期の今にしましたが、今回は更に日影でそれらが見難くならないように曇りの日に出掛けました。


これが今回のガーミンのGPSウォッチのログです。富士急の禾生駅をスタートし、JR中央本線の猿橋駅がゴールのコースです。
ただコースといっても登山コースのように元々できているわけではなく、導水路が地上に出ている部分をできるだけトレースするように考えて巡るのですが、どの程度の距離でどの位の時間が掛かるか(1日で回れるか)は正確には分かりません。大雑把に前回の谷村発電所導水路巡り位だろうと思い実行しました。
実際のガーミンでは距離20.1kmで所要時間7時間9分(前回は16.2km、5時間42分)でしたが、一方、YAMAPでは16.9kmという数値でした。随分違いますが、ガーミンはランニング前提でGPS補足が6秒毎ですが、YAMAPはもっと長いと思います。実際経路を拡大してもガーミンではコースを逡巡してるところも分かりますが、YAMAPではないので、ガーミンの方が実際に近いのではないかと思います。

以下、そのもようです。

富士急の禾生駅を9時少し前に出発しました。


まず取水口からです。地図左端の堰の下に凹んで見える所です。その右の発電所記号は川茂発電所(有効落差12m/最大出力2,500kW/大正13年完成)で、当時の桂川電力が駒橋発電所の17年後に作った小規模発電所なので地元の電力供給目的なのかもしれません。
また、その直ぐ右にあるのが駒橋発電所1号開渠です。(地理院地図)

始めに全体像を見るため、桂川の左岸に行きました。対岸の白い門型クレーンのある所が川茂発電所です。
画面左端に見えるのが昔の駒橋発電所取水堰、対岸でその右にあるのが昔の取水口だと思います。現在の取水堰(川茂発電所)は画面の直ぐ右にあります。


その川茂発電所取水堰です。対岸で3つ並んでいる白い四角い部分が取水口です。


川下側からそれらの取水堰を見ています。今は渇水期ですので水が少ないですが、多い時は取水堰を越水して流れる水音が大きく響きます。


桂川の右岸に戻り、川茂発電所の取水口を見ています。取り込まれた水は右側に流れます。また、画面上部に桂川の取水堰が見られます。
なお、以下の導水路の写真は殆どフェンスの金網の間か、腕を差し上げてフェンスの上の鉄条網の間から撮っているので、あまり良いアングルでなかったり、四隅に金網が写っていることがあります。


前の写真の右側に続く部分で、発電機に取り込まれる部分です。


プレートだけがピカピカです。


発電機がある部分です。しかし、この発電所は建屋がないのでそれらしく見えません。また、多分、遠隔制御です。


発電後、放水された水です。これが全て駒橋発電所に向かいます。駒橋発電所1号開渠です。


少し引いてみたところです。右端に桂川が見えます。
画面左上からきた水は、水門を手前に抜けて水路トンネル(隧道)を右下方向に流れます。
導水路がスタートしたばかりですが、ここまで禾生駅を出発してから1時間も掛かってしまいました。先が思いやられます。


水路トンネルを抜けて開渠(駒橋発電所2号開渠)となりましたが、金網が被っています。画面奥には中央道富士吉田線が見えます。


富士急線を潜ります。


こんな踏切がありました。遮断機を手で上げ下げします。


落合水路橋に向かいます。画面左端に国道139号が見えます。


登録有形文化財の桂川支流の朝日川に架かる落合水路橋です。大小合わせ7連のアーチ橋です。この写真は下流側(北側)から撮っています。


先程の地図ですが、落合水路橋は地図の右側で、左から来た水路が川を渡る所です。水路橋は水路の水色が抜けて白く描かれています。
また、地図の右上端に見えるのがリニア新幹線の実験線で、それを越えると水路は幅のない青い実線となっていますが暗渠を示しているようです。(地理院地図)


落合水路橋の下流側からみて左側3つのアーチです。左から用水路、道路、別の用水路用です。


左端の小さな用水路用に小さなアーチが用意されています。


反対側に回って見た落合水路橋です。古い(明治40年製)ですが立派なものです。


なかなか良い感じです。


水路橋を流れる水です(画面奥から手前へ)。最大流量25㎥/秒だそうですが、水音なく静かに流れています。右側(北側)に朝日川が見えます。


画面奥に見える落合水路橋を過ぎると(手前に来ると)大きく曲がって3号開渠となります。


一部金網がありません。画面奥はリニア実験線です。


リニア実験線を過ぎると暗渠になりました。


暗渠のまま水路トンネルとなりました。


水路トンネルになった導水路が顔を出す地点が下端の397.5と表示の右側です。そこから導水路を辿って上側にゆき、白い部分は暗渠だと思われますが消えている部分は不明ですが、実際は暗渠でした。(地理院地図)


水路橋のような感じですが、自動車修理工場の車置き場のような感じです。


長さ700m程の水路トンネルから用水が顔を出しました。


暗渠になりました。


暗渠が続きます。


開渠になりました。


4号開渠です。巡視路は草刈りなどきれいに整備されています。



また暗渠になります。


暗渠が続きますが開けた感じになりました。


ここは丁度、富士急の田野倉駅の上で、停車中の電車が見えました。30m程度下でしょうか?取水してからこれだけ落差を稼いだことになります。


暗渠、開渠、暗渠と続きますが、建設後に暗渠にした部分もあるようです。25㎥/秒も流れる水路が土砂崩れで塞がったら大変ですから。


暗渠が終わり開渠になります。


水路から珍しく水音が聞こえたので見たら、傍の木がフェンスを押し倒し、用水の中に倒れ込んでいました。


水路トンネルになります。


導水路は、この地図の左下で750m程の水路トンネルに入り(前の写真)、中央やや右で現れますが、その先が途中で水路が途切れている部分もありますが、ここは暗渠部分かもしれません。最終的に右上端で再び水路トンネルに入ります。


富士急線の列車と遭遇しました。


国道139号線を進み、沢井地区に向かいます。画面奥の白い部分にある狭いトンネルから富士急線を潜って行きますが、時刻は12:40頃で、これからが大変な所なのに今日1日で回れるだろうかと少し不安になってきました。雨もポツポツです。


トンネルを抜けると急登となりましたが、直ぐに終わると台地の上に出て集落がありました。


集落を抜けて奥に進むと何かありました。


やはり巡視路の案内でした。


更に進むと木々の向こうに何か見えました。


4連アーチの沢井1号水路橋です。1号と付いていますので次もあります。


開渠の水路橋で、山の開口部から青々とした用水が音もなく粛々といった感じで流れ出てきます。少し感動的な光景です。新緑の季節なら更に雰囲気が良いでしょう。


少し反対側へ回り込んで見たところです。


少し拡大してみました。


水路橋の反対側の導水路です。開渠部分に金網はなく、どうも金網は人家の多い所に設けられているようです。


導水路に掛けた橋には、わざわざ巡視路用にアーチがありました。凝っていますね。


先に進むとまたありました。


開渠が終わり暗渠となりました。


暗渠のままですが、開けてきました。奥に見えるのは太陽電池パネルのようです。


再び開渠となりました。


またカーブしました。


沢井2号水路橋に来ました。横に階段があるので下りてみました。


3連のアーチ橋です。
ここまで、予想外に巡視路が繋がっていて1本道でスムーズに短時間で来られたので大分気分が楽になりました。


殆ど人目に付かない場所にありますが、煉瓦の装飾が施されています。


こんなものもありました。


暗渠のまま水路トンネルに入りました。


今回の導水路巡りの核心部分(笑)の地図です。(地理院地図)
地図上部の643.6mが菊花山でそこから尾根筋を右下に伸びる点線が御前山、九鬼山方面に向かうこの地図で唯一の登山道で、前の写真の水路はその下を長さ900m強のトンネルで潜ることになります。
地図中央をやや右上に伸びる水路トンネルを、中央付近からトレイルで右上に向かい、先程の尾根筋の登山道を越して向こう側の水路トンネル出口方面に下る考えです。そうでないと下って大月市街をコ字状に回ってこないといけません。

しかし、まず前の写真の位置(水路トンネルの始まり)から直ぐ上の道路に出る道が見つからず、戻って700m程大回りする羽目になりました。更に尾根筋の登山道に向かう道は「今は使っていないので途中からヤブ漕ぎみたいになるので気を付けてください。」と地元の人に言われました。そうなのです。そこが問題なのです。やはり、倒木の多いトレイルは直ぐに消えて踏み跡は無くなり、更にスマホの電池も消耗してモバイルバッテリーを取り出したりと大変でした。
しかし、登るのは100m程度ですし、針葉樹林を過ぎると落葉期なので稜線が見えたので不安はなく、GPSを見ながら尾根筋の登山道に上がれました。まあ、あまりお勧めはしませんが。
また本来、この辺の写真がブログに欲しいところですが、心に余裕がなかったので撮れず、残念ながらありません。


さて、尾根筋の登山道に出て、そのまま下るルートはいくら探してもそれらしい踏み跡は見つからず、急でもあるので諦め、少し上ったところでルートの踏み跡らしいものを見つけたので、そこを下って行きました。170m程度の下りですが、尾根筋のルートで踏み跡もピンクテープもあって、迷わず簡単に下れました。後で「山と高原地図」で確認すると破線ルートのコースでした。
なお、この写真は心に余裕ができた下る途中で撮ったものです。


900m強の水路トンネルの入口から1時間半以上掛かって上り下りして、漸くその出口まで来ました。但し、残念ながら、こちらも暗渠ですが。


水路トンネルの出口から駒橋発電所までの地図です。(地理院地図)


暗渠が続きます。横には一般の車は入れませんが広い道が付いています。


また水路トンネルになりましたが、左上に空が見える位の山端なので、切通しでも良かったのではないでしょうか?


反対側の出口です。暗渠のままです。


向こうの山が見える位の位置に来ました。


導水路は暗渠のままですが、これは導水路の余水吐だと思います。


漸く開渠となりました。発電所の上部水槽に続く水路トンネルが見えます。


巡視路の小さなトンネルです。


15時過ぎ、漸くトンネルを抜けて上部水槽に出ました。暗くて分かり難いですが櫛状のフィルタを通して発電所に水が流れ落ちています。


反対側にある水路トンネルの出口です。用水が流入しています。右下は余水吐。


桂川と次の八つ沢発電所用の取水口などが見えます。


水圧鉄管です。直径は2.4~1.5m(場所による)で迫力があります。(前のブログでは分かり易いだろうと「送水管」といっていましたが、正式名称にします。)


上部水槽から出る付近のアップです。


水圧鉄管に沿って下りてくる途中で撮りました。


下りて来て国道20号線の所から見上げた水圧鉄管です。有効落差は約103m。昔は6条で6基の発電機を動かしていましたが、現在は2条で2基の発電機です。ただ、出力は現在の方が少し大きいです。また、少ない方がメンテナンスは楽なはずです。


国道20号線とその下を潜り水平になった水圧鉄管です。但し、発電所ができた当時はこの新道はなかったはずです。


水平になり中央本線を越える水圧鉄管です。


別な場所から中央本線を越える水圧鉄管を見ています。電車に乗っていると一瞬で通り過ぎてしまいますが、白っぽいので歩道橋を潜ったような感じです。


昔の水圧鉄管の跡が分かります。一番右の小さな穴は発電機のコイルを励磁させるための電力を得る起動用の永久磁石式小型発電機の水圧鉄管用だそうです。発電機を動かすためには始めに電力が必要ですが、この地区で初めての発電所で他からの供給が出来なかったからで、始めというのは色々大変です。


水圧鉄管は中央本線を越えて再び傾斜し、発電所に向かいます。この道路は旧甲州街道です。


旧甲州街道と水圧鉄管です。


道路の反対側から見た水圧鉄管と発電所建屋です。


発電所建屋ですが大体簡素なものが多いです。雨風がしのげれば良いのでしょうが、発電所は莫大なエネルギーを生み出している重要な施設なので、もう少し立派にしても良いと思うのですが。


発電所内?に置かれた昔の水車です。但し、ここで使われたものではなく鹿留発電所のものです。



16時過ぎ、ミッションコンプリートして猿橋駅に着きました。名所が近くにあるので北口は立派ですね。

少し長かったですが達成感はあります。特に沢井の水路橋周辺が良かったです。
他の水路巡りは、大変(事前準備と実行)なので未定です。

トレイルF   




















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