「歩いて健康になろう」「ピンピンコロリを目指そう」と、5年前から毎月開催している健康ウォーク。
きのうは「水と歴史のまち・昭島」を歩いた。
昭島って、これといって有名な観光名所もなく、あまり期待していなかったのだが・・・
これがなかなか魅力的なまちなのだ。
まず、水が豊か。街のいたる所に湧水が流れ、せせらぎに沿ってきれいに整備された遊歩道がある。
きのうは多摩各地から35人が参加。
お天気が良く、紅葉もきれいで素晴らしい健康ウォークができた。
中神駅から中神停車場通りを歩き、まず福厳寺へ。ここの境内から見る景色が素晴らしい。真っ白い雪をかぶった富士山がきれいに見えた。
「あっ、桜が咲いている」と誰かの声。冬の桜は花が小さく、華やかさがないが、ここの桜はとっても華やかだ。
奥多摩街道に入り、郵便局の手前を右に曲がってしばらく行くと、大きなイチョウの木が黄色く色づいていた。
熊野神社の神木である大イチョウは樹齢400年。市の天然記念物に指定されている。
再び奥多摩街道に戻り、レストラン馬車道の向かいを右に入ると旧家の黒塀が赴きある佇まいをみせ、足元には湧水が流れている。京都のような雰囲気が漂う素敵な小道だ。
この湧水は諏訪神社から流れてくる。
諏訪神社の湧水は東京の名湧水57選の1つであるが、この日はなぜか、あまり流れていなかった。
さらに奥多摩街道を進み、成隣小学校を左に折れると「水辺の散歩道」がある。
歩行者専用の道で、右を小川が流れ、左には建売住宅が並んでいる。
田中小学校を過ぎ、再び奥多摩街道へ。
拝島大師で昼食。
境内の石に座っておにぎりを食べたが、太陽がまぶしいほど照って、ポカポカと気持ちがいい。
奥多摩街道を渡り、また水辺の道を歩く。
通称「下の川」と呼ばれている場所で、湧水と拝島分水が混ざった水が豊かな流れをつくっている。
途中の池には大きなコイがはね、カモがゆうゆうと泳いでいた。
そして最後の目的地、啓明学園北泉寮へ。
この日は秋の特別公開の最終日。私たち以外にもたくさんの人が訪れていた。
北泉寮は鍋島直大侯爵の邸宅として明治25年、旧首相官邸地に建てられた和館。
関東大震災後、旧三井家が買い取り、昭和2年に別荘として昭島に移築したものだという。
平成22年に、東京都有形文化財に指定されている。
造形的には江戸時代の大名屋敷の伝統を継承し、書院造と近代洋風のデザインが加味された折衷様式になっている。
驚いたのは明治時代に建てられたのに、水洗トイレとシャワーがあったこと。
ふかふかのソファーに座り、侯爵気分を味わった。
啓明学園は帰国子女が多い学校として有名だが、卒業生の中にはオノヨーコがいるそうだ。
アルバムがあり、若き日の彼女が足を組んだ姿が写っていた。
北泉寮裏手の伏見庭園も見学させてもらい、美しい紅葉を楽しんだ後、帰途に着いた。
「ぜひ、行ってみてください」と言いたいけど、文化財ウォークでないと一般の方は入れないみたいですよ。