太田知子の いきいき!健康長寿

健康医療ライターで介護予防インストラクターの太田知子が介護されない体づくり、若さと元気をキープする方法について語ります。

多彩な文化の国・スペインの旅 その5(最終回)

2019年12月19日 | スペイン バルセロナ サグラダファミリア バル

スペイン旅の最後はマドリッドに次ぐ第2の都市、バルセロナへ。

バルセロナは地中海に面していて、マドリッドやグラナダに比べると暖かく、開放的な雰囲気のある街だった。

 

バルセロナにはカタルーニャ出身の建築家、アントニ・ガウディが手掛けた建築物がたくさんあり、その作品群がユネスコの世界遺産に登録されている。

それを見るのもこの旅の大きな目的だった。

8時半にホテルを出発し、まず訪れたのがグエル公園。

ガウディのパトロンだったグエル伯爵の依頼で田園住宅街として60戸を造る計画だったが、2戸しか造れず、計画は失敗に。1922年に公園として開放され、人気の観光地になっている。

              グエル公園のベンチで


バルセロナの街を一望できるテラスには、カラフルな破砕タイルで装飾されたユニークな形のベンチがある。

ベンチがうねっているのは、ここに座った人々が自然にコミュニケーションできるように考えたからだそうだ。

 

続いて、ガウディがミラ夫妻の依頼で設計した邸宅「カサ・ミラ」へ。

1階が店舗で26階が住居や事務所、7階が20世紀前半のバルセロナのブルジョア階級の家を再現したギャラリー、そして屋上はガウディの建築を紹介する博物館になっている。

この建物は山がテーマで、屋上の煙突は、尾根から突き出た峰々を表しているとか。

不思議な世界に迷い込んだような気分だった。

 

そしていよいよ旅のクライマックス、サグラダ・ファミリア(聖家族教会)へ。

1882年に着工され、137年たってもまだ建設中の教会だ。

写真などでよく見る「生誕のファサード」(東側)は、ガウディ存命中にほぼ完成されたといわれている。

キリストの誕生から幼少期までが彫刻で表現されており、素晴らしい!の一言だった。

             生誕のファサードにきざまれた彫刻

 

入場には事前に購入したチケットが必要で、残念ながら中を見ることはできなかったが、周囲を一周するだけでも見応えがあった。

       

西側にある「受難のファサード」では最後の晩餐から十字架での処刑、昇天までが彫刻で表現されている。

           受難のファサード

「生誕のファサード」に比べるとだいぶシンプルだ。

 

南側の栄光のファサード等は現在建設中で、ガウディ没後100年に当たる2026年の完成を目指しているそうだが、果たしてあと7年で完成できるのだろうか?

 

この日の午後はバルセロナの街を自由散策。まず、地下鉄に乗ってカタルーニャ広場へ行き、その周辺を散策した。

             カタルーニャ広場


大聖堂はゴシック建築で、サグラダ・ファミリアに比べると小さかったが、堂々としていた。


                 大聖堂


カサ・バトリョは、ガウディがリフォームを請け負った実業家・バトリョ氏の邸宅だ。

そのユニークな形はとてもインパクトがある。

外観を飾る破砕タイルやガラスは、地元の廃棄物を再利用したものだとか。

 

 

その後、友人と一緒にお目当てのバルへ。バルとはスペイン式の居酒屋で小皿料理を出す店。

私たちが入った店は日本語のメニューがあり、マグロやトマトを使った料理を注文した。

ホール係のお姉さんがとても明るく、愛らしい女性で、楽しい時間を過ごすことができた。

 

8日間の短い旅だったが、スペインの魅力を十分満喫できた。

また、いつかバルセロナを訪れ、サグラダ・ファミリアの完成した姿を見に、訪れてみたい。

 


多彩な文化の国・スペインの旅 その4

2019年12月11日 | スペイン バレンシア タラゴナ

スペイン5日目はグラナダからバレンシアへ。

地中海に面したバレンシアはオレンジの産地だけあって、マドリッドやグラナダに比べると暖かい。

 バレンシアは1516世紀に地中海貿易で栄えた街で、世界遺産の「ラ・ロンハ」がある。

これはイスラムの王宮跡に商品取引所として建てられた建物で、19世紀まで交易所として使われていたそうだ。

「ラ・ロンハ」の近くに大きな市場があり、ショッピングを楽しんだ。


果物もキノコも卵も、パック売りでなく量り売りで売られている。

発砲スチロールのトレーに盛られたものはほとんどない。レジ袋はもちろん有料。

ヨーロッパの国は皆そうだが、環境保護の意識が高く、ドリンク類の自動販売機もほとんど見かけなかった。


          バレンシア大聖堂

バレンシアにはローマ・カトリックのカテドラル(大聖堂)がある。

キリストが最後の晩餐で用いたとされる聖杯があることで有名だ。

 

さて、バレンシアはスペイン料理・パエリアの発祥の地でもある。

昼食には本場のパエリアをいただいた。

大きな鍋で炊かれたパエリアは、何と30人分。

エビやムール貝のダシが出ていておいしかった。

 

午後はタラゴナへ。

タラゴナはイベリア半島で最初にローマ帝国の植民地になった街で、ローマ時代の遺跡が残っている。

世界遺産の「ラス・ファレラス水道橋」は紀元2世紀のローマ時代に建設されたもの。

山の中にあり、橋の上には幅1mほどの水路があり、歩いて渡ることができる。

 

タラゴナには紀元1世紀に建設された円形競技場もあり、ここで見世物として猛獣と剣闘士同士あるいは剣闘士同士が戦わされたそうだ。

それがやがて、闘牛に発展していったのだろう。

この円形競技場は「地中海のバルコニー」と呼ばれ、青く輝く海をバックにした素晴らしいロケーションだった。

 

 


多彩な文化の国・スペインの旅 その3

2019年12月05日 | スペイン フラメンコ アルハンブラ宮殿 グラナダ

 コルドバから約3時間、バスに揺られグラナダへ。

この日の夜、フラメンコショーを見に行った。

グラナダのアルハンブラ宮殿の向かいの丘に白壁の家が建ち並ぶアルバイシン地区がある。

     アルバイシン地区の高台からアルハンブラ宮殿を望む

 

イスラム教徒の居住区だった場所で、その一角にあるタブラオ(フラメンコを行うショーレストラン)で観賞した。 

タブラオはまるで洞窟のようで、奥に白い舞台があった。

ギターが弦を阿かき鳴らし、2人の歌い手(男性)が迫力のある声で歌い始めると、2人の女性による情熱的な踊りが始まった。

靴音がリズムを刻む。しなやかで切れのある動き。時にはもの哀しく、時には激しく。

ギター奏者の隣に座っている長髪の男性がいた。この人もダンサー。指を打ち鳴らしながら一人で踊り出した。

すらりとした長身で、長い手足が激しく動く。時には腿を激しく打ち、切れのある踊り。

かっこいい。思わず目が釘付けになった。

 

ショーは1時間。このタブラオは写真撮影も動画撮影もOK。

一番前の席で見ることができ、見応え十分だった。

 

 

翌日は世界遺産のアルハンブラ宮殿へ。

今回の旅で、最も見たかった場所だ。

タレガのギター曲「アルハンブラの思い出」が大好きで、いつか行きたいと夢見ていた。

現在、アルハンブラ宮殿の入場には事前予約が必要で、ツアーでも予約が取れずに中に入れないことがあるという。

心配していたが、無事入場でき、華麗で幻想的なイスラム芸術の最高傑作を満喫できた。

                 ヘネラリフェ

個人名の入ったチケットをもらい、厳重なセキュリティチェックを経て、まずナスル王の夏の離宮・ヘネラリフェへ。

シエラ・ネバダ山脈の雪解け水を利用した水路や噴水が至る所に設けられていた。

 

続いて、訪れるものを千夜一夜の幻想的な世界へ誘うといわれるナスル朝の王宮「アルハンブラ宮殿」へ。

行政と司法が執り行われていた「メスアール宮」、宮殿の中心部である「コマレス宮」と進む。

中庭には青い池があり、池の水にコマレスの塔がきれいに映って見えた。

コマレス宮を過ぎると、王族のプライベートな空間であるライオン宮がある。

12頭のライオンの噴水がある中庭に面して3つの部屋がある。

 

二姉妹の間の天井は鍾乳石の精緻な彫刻が施され、ため息の出る美しさだった。

 

アルハンブラ宮殿はとにかく広く、歩数計を見ると1万8000歩を示していた。

海外旅行を続けるには足腰を鍛えておくのが必至だと改めて思う。

 


多彩な文化の国・スペイン その2

2019年12月04日 | スペイン ラマンチャ ドン・キホーテ コルドバ

スペイン3日目はセルバンテスの小説「ドン・キホーテ」の舞台、ラマンチャ地方へ。

丘の上に白い円筒形の建物に黒い三角屋根の風車が建ち並び、独特の風景を見せてくれた。

風車は今も使用されており、内部も見学させてもらう。

風車が回って粉をひく様子が分かった。

 

ラ・マンチャにはセルバンテスが泊まった旅籠が残っていて、現在はレストラン兼土産物屋になっている。

2階にはミニギャラリーがあり、セルバンテスの写真や「ドン・キホーテ」に関する資料が展示されていた。

 

その後、アンダルシア地方にあるコルドバへ。

8世紀半ば~11世紀初めまでイスラム王朝の都として栄えた古都だ。

世界遺産に登録されている「メスキータ」がある。

          ローマ橋の奥に見えるメスキータ

 

このメスキータは785年に建てられ、その後4回も増築されて数万人を収容できる巨大なモスクになった。

しかし、13世紀になるとキリスト教徒が征服し、メスキータの内部にカテドラル(大聖堂)を造った。

このため、イスラム教のモスクとキリスト教の聖堂が共存する珍しい建物になっている。

850本もの円柱が立つ円柱の森は、イスラム教徒の祈りの空間。

            中央礼拝堂

それに対し、キリスト教王が建てた中央礼拝堂はゴシック様式の楕円形のドームで、豪華で荘厳な雰囲気が感じられた。

  オレンジの木が植えられた中庭の向こうに見えるのはルミナールの塔

 

 メスキータの北西には8世紀頃、ユダヤ人によって造られた旧ユダヤ人街がある。

白壁の家が建ち並ぶ「花の小径」はメルヘンチックで、女性に人気のスポットだ。


陽気な国・スペインの旅 その1

2019年12月02日 | 海外旅行 スペイン マドリッド トレド

 11月中旬から下旬にかけ、陽気なラテンの国・スペインを旅してきた。

 成田からマドリッドまで、イベリア航空直行便で14時間10分。

長い空の旅を終え、ようやく着いたマドリッドの天気は雨で気温6度と寒かった。

スペインは太陽きらめく温暖な国と思っていたが、実際は夏暑く冬は寒い寒暖の差が大きい国らしい。

スペイン2日日はスペイン王国の輝きをとどめる王宮を見学した。

フランスのベルサイユ宮殿で生まれ育ち、スペインの国王になったフェリペ5世の命で造られたという王宮は、2700もの部屋がある壮麗な建物で、今も公式行事で使われているそうだ。

その後、スペイン王室の絵画コレクションを展示したプラド美術館へ。

世界三大美術館の一つというだけあって収蔵品が膨大で、とにかく広い。

ベラスケスの「マルガリータ王女」、ゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」、エル・グレゴの「聖三位一体」などを鑑賞した。

館内は撮影禁止で、写真が撮れなかったのが残念!

 

午後は世界遺産の古都・トレドへ。

古代ローマ時代から要塞都市として栄え、16世紀のマドリッド遷都まで、都として栄えた街だ。

スペイン・カトリックの総本山でもある大聖堂(カテドラル)。

ゴシック様式の大聖堂の内部は荘厳で、彫刻や770枚もあるというステンドグラスが見事だった。