太田知子の いきいき!健康長寿

健康医療ライターで介護予防インストラクターの太田知子が介護されない体づくり、若さと元気をキープする方法について語ります。

タバコを吸わなくても肺がんになる?

2012年09月03日 | 介護保険

日本人の死亡の第1位はがん”。

では、がんの中で一番多いのは?

何と肺がんだそうです。とくに男性ではダントツの1位。

女性も2位。胃がんを抜いて1位の大腸がんに続いています。

2か月前、前の職場で同僚だった女性が肺がんで亡くなりました。

彼女はタバコを吸っていたのですが、喫煙者でなくても肺がんになるそうです。

 

一昨日、市主催の講演会へ行ってきました。

講師は肺がん治療・手術の第一人者、呉屋朝幸・杏林大学医学部教授です。

 

呉屋氏は穏やかな口調で、丁寧にお話してくれました。

 

さて、その要点を記すと・・・

“がん”は遺伝子の病気だそうです。

身体の細胞が再生産されるなかで、遺伝子のコピーのミスが起きると遺伝子の蛋白質が変質するそうです。こうした遺伝子の異常は毎日数十個起きていて、そのほとんどは修復されますが、何らかの原因で修復されないと、その一部が“がん”になるそうです。

 

発がんの原因となるのは、老化、生活習慣、環境、食習慣など。

肺がんの場合、タバコの煙に含まれるタールやベンゾピレンなどが発がん物質になるそうです。ということは、タバコを吸っている人がいたら、近づかないことが重要ですね。

ところで、ニコチンは発がん物質ではないそうです。

 

最近の肺がん治療は、患者の遺伝子変異検査を行って、その患者に合う薬剤を選択するそうです。

抗がん剤というと、吐き気などの副作用がかなりきついと聞きますよね。

でも最近は、副作用を抑える薬も出ていて、かなり楽になってようです。 

注目は生存率。自覚症状が出て病院に行った人の5年生存率は15.6%

それに対し、検診で見つかった人の5年生存率は51.5%だそうです。

中でもCTを用いた肺がん検診では1cm以下のがんを発見できるので、5年生存率は80%に上がるとか。

 

講演が終わって質問しました。

「タバコを自分も吸わないし、家族も吸わないという人も肺がんになるのですか?」と。

先生の回答は、

「なります。特に女性の非喫煙者に肺腺がんが見られます」とのこと。

肺腺がんとは、肺の末梢にできやすいがんで、初期は咳や痰などの症状がないがんだそうです。

 

肺がんは脳や背骨に転移しやすい怖~い“がん”。

私は喫煙しないから大丈夫と思っていたけど、決してそんなことはないんですね。

 

“がん”は、とにかく早く発見して早く治療を始めるしかありません。

そんなわけで昨日さっそく、検診を申し込んできました。

 

 



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
毎回タメになる話です (斉の国の東の人)
2012-09-05 08:44:55
今回も参考になります。この連載、有意義でタメになる話ばかりです。

コメントを投稿