青梅市梅の公園ボランティアガイドの越前さんの案内できのう、青梅の吉野梅郷「いのりの道」を歩いてきた。
吉野梅郷は関東有数の観梅の名所だが、梅輪紋ウイルスの感染拡大を防ぐため、梅の公園の梅は全て伐採されてしまった。
例年なら今の季節、多くの観光客で賑わうのに、今年は寂しい梅の里になっている。
それでも、吉野梅郷の散策はたくさんの魅力に満ちている。
民家の庭先にはアズマイチゲが可憐な白い花を咲かせていた。
その近くには黄色い花も。
これは「キバナアマナ」というユリ科の植物だとか。
白い花は「ヒロハノアマナ」。葉に白い筋があるのが特徴だ。
梅ケ谷峠から林道に入ってしばらく歩くと、町屋川のほとりに大きな岩がある。
その岩を割って、桜の木が天に向かって伸びている。
何と、パワーあふれる桜の木か。
地元の人は「岩割桜」と呼んでいるそうだ。
ガイドブックにも観光パンフにもどこにも出てこない桜。
初めて見たが、とても感動した。
あと2週間もすれば、美しい花を咲かせることだろう。
この岩割桜の下は下郷地区の簡易水道の取水口になっている。
昔、まだ水道が引かれていなかった頃、飲み水に困った住民たちが自分たちの手で簡易水道を作った。
ここから町屋川の水を取水し、パイプをつないで各家に水を引いたのだ。
そのタンクが竹林寺の西側にあり、今でも簡易水道は利用されているそうだ。
次に訪れたのは、スギ林の中にひっそりとたたずむ「三室の山の神」。
大きな岩に寄り添うように、「大山祇之尊」と刻まれた霊石が立っていた。
かつて、祭礼の前には、この山の神の前でお囃子が奉納されたそうだ。
発起人のひ孫に当たる方が年末に、しめ縄と幣束を手向けている。
ここからうっそうとした林道を歩いて梅の公園へ。
林道の傍らには「ツルアリドオシ」、「ヤマルリソウ」、「ハナイカダ」など、貴重な植物が自生していた。
ツルアリドオシ
約3時間のウォーキング。
ガイドの越前さんのおかげで、青梅の歴史や植物について学べた有意義なひとときだった。