~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

川口成彦フォルテピアノリサイタル

2023年03月04日 17時08分00秒 | ピアノ
川口成彦フォルテピアノリサイタル@杜のホールはしもと•ホール

いやあ勉強になりました!
福間洸太朗さんと川口成彦さんを、私はこの年代における「二大学究肌ピアニスト」と密かに呼んでいるのですが、そういう意味でも大満足。
川口さんは今なかなかチケットの取れないピアニストさんなのですが、今日も完売。
といって別に小さい会場ではなかったです(座席数535)。
いったいこれはフォルテピアノが好きな方が集まっているのか、川口さんのファンなのか、どっちも兼ねているのか…

川口さんは昨年の暮れに昭和音大で、古楽器とのアンサンブルを含めたコンサートを聴きまして、ぜひ完全ソロのリサイタルを拝聴したい、と伺った次第。
昨年のコンサートで、古楽器クラリネットとのシューマンの『幻想小曲集』が大変印象に残ったので、今日もシューマンを楽しみにしていました。
アラベスク…フォルテピアノでは初めて聴きましたが、フォルテピアノのための曲ではなかろうか?と思うほどピッタリ。続く『子供の情景』は「あえて、『シューマンも認めたメトロノーム指定テンポ』で弾いてみます」とのこと。(この曲のテンポ指定は一種類ではないような記憶がありますが)出版社がシューマンの許可を得て表記したテンポ、で演奏されました。
私にはそれほど違和感はなかったですけれども、テンポ指定について考えたことのない方々には《異国にて》や《トロイメライ》は速く感じられたかもしれません。
メンデルスゾーンの『厳バリ』は「音数の多い難しい曲」というイメージがありますが、フォルテピアノで弾かれる細かい音は程よくて、すっきり聴けた感じがします。

今日のテーマは「ショパンと同時代の作曲家をフォルテピアノで弾く」ということだそうで、
1810年生まれのシューマン、ショパン
1809年生まれのメンデルスゾーン、
1811年生まれのリスト、
1813年生まれのアルカン(ワグナーと同い年なんですね💦)
の楽曲がプログラム。
アルカンはアンコール含めて2曲演奏されましたが、どちらも親しみやすい綺麗な曲、
リストのマズルカはショパンが亡くなった翌年に書かれたそうで、オマージュもあるのでしょうか。
そしてショパンの楽曲。
ここで、川口さんが演奏者からみた「エラール」「プレイエル(今日の楽器は1843年製 タカギクラヴィア所有)」の違いを述べられました。
今のピアノと同じような機構のエラールに比べて、ジャンクションがシングルであるプレイエルの方が、連打等は難しいけれども、手が震えたらそのまま伝わってしまうような『近さ』を感じるそうです。

アンコールは第二響板を閉めての演奏(楽器の写真の2枚目が閉めた状態)。
ショパンがサロンで演奏する時に第二響板を使用したりした、とのこと。
バッハ=サンサースの曲だったこともあるでしょうけれども、
響きがチェンバロっぽく品よく抑えられた感じに聴こえました。

それにしても、すでにフォルテピアノの演奏会3回目ですよ(笑)。
でもきっとまた行きます〜











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