~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

松本和将ピアノリサイタル ベートーヴェンピアノソナタ全曲シリーズ Part8

2015年07月27日 17時56分05秒 | コンサート(企画、協力、出演 含む)

     

2015年7月26日(日)とうとう最終回、後期三大ソナタ、30、31、32番。(実際には30番の前に「幻想曲 Op.77」が演奏されました)

第1回が2013年6月2日(日)でしたので、2年と少しかかったということになります。

ここ2年というと、私などは、父が亡くなって2年か・・という程度の変化しかなく、あえていうと、40代から50代になったというくらいか・・・。

松本氏はベートーヴェンの一方で、この間にショパンエチュード全曲演奏会を何回も開き、

ほかにももちろん多数の曲を抱え、個人的にもさまざまな変化がおありになったのでは?と推察しております。 

 

あらてめて振り返ってみますと、第1回から私、好きなこと書かせていただいてますけど(汗)、

8回とも会場は同じ、ピアノも同じ(たぶん調律師さんも同じか)、お客さんは多少出入りはあったにしても人数に極端な変化もない、という安定した条件の下、

聴き手としてのコンディションに多少は左右されるとしても、それぞれの回で私なりのショックがあったというのは、やはり全曲聴いた甲斐があったというもの。

32曲のなかには、演奏会でこれでもかというくらい聴く曲、めったに生では聴かない曲、CDすらも少ない曲・・とありますけど、それでも、メジャーな曲集であることには変わりなく、

だいたいスタンダードな線というものはあるように思いますけど、スタンダードな範囲でありながら、「なるほどそこはそうくるのか」という部分あり(そのあたりは途中から始まった演奏会直前公開講座で、思いや経過に接することもできましたが)、

また日頃松本氏の演奏を聴き慣れている者にとっても、新たな音や表情表現の発見があったりで、

ベートーヴェンの生涯をたどる旅であると同時に、松本氏のリアルタイムの生き方と向き合う時間であったとも思います。

こうして終わってみると、「あれがよかった、ここがよかった」という感想は実に瑣末なことのような気がし、

さらに昨日から24時間以上がたってみると、第1番から昨日の32番までが走馬灯のように(?)想起されるように思います。

演奏する方は、あの電話帳のようなソナタ上下巻をすべて暗譜し、短期間のうちに取り込んで表現しなければならないわけですから、

細かいことを積み重ねて昨日を迎え、ほんとに大変なご苦労をされたことと思うのですが、

そういうことをもはやこちらが感じないという点で、2年がかりで、ひとつの巨大な曲を弾かれた・・・という感慨です。

これから生涯をかけてさらにこの32曲を深めていかれることと思いますが、一つの区切りに立ち会うことができたこと、心より感謝しております。

 

第1回

第2回

第3回

第4回

第5回

第6回

第7回


ご報告かたがた

2015年07月20日 08時05分26秒 | 私のピアノ歴

毎年書いてきたので、今年もコンペのご報告をさせていただきたいと思います。

この時期にご報告ということは・・・そうです、終了のお知らせです(笑)。

たしかに、結果からいうと私史上最低なんですが、気分的にはとても充実してます。

今年の経過を簡単にいうと

5月の上旬からまじめに練習をし始め、5月末にこれまでに経験したことのないド緊張でステップを受け、

6月の末に地元の予選で、自爆自滅プレイに終始し、

そして昨日の関東某所の予選で、なんとか弾き通し、奨励賞をいただき、・・これにて予選で終了、というわけです。

選曲に問題があったと言えなくもないですけど、やっと本来の自分を取り戻したような気がしてます。

 

このコンペには2003年以来出てまして、最初のころは1年おきでしたけど、2010年にAカテゴリーに移ってからは毎年出ています。

昨年までの5回はすべて予選通過、そのうち3回は本選奨励賞をいただいているんですけど、

回を追うごとにどんどん違和感を感じるようになってきました。

Aカテゴリーというのはピアノの専門教育を受けた人が基本で(私のようなBカテゴリーからの移動組もけっこういるにはいます)、

こちらのカテゴリーに移ってからは、ほかの方々の実力というか分析力やテクニックがよくわかり、

どう考えても、自分は選曲の妙とたまたま自分の弾き癖みたいなものが相まって、不当な(?)評価を得ているとしか思えなくなりました。

昨年もコンペのあとはどうしたもんか・・とかなり悩んでいたのですけど、その後秋以降のラッシュに追われて取り紛れてしまい・・・・

そして10月、11月にソロを弾く機会が何回もあり、このときは現代曲でもなんでもない超有名曲だったこともあり、苦痛で苦痛でならず、

「ほんとにソロを弾くのが嫌いなんだ」とはっきり自覚もし、年明けくらいまでは(毎年の病気みたいなもんですけど)、ピアノもうやめようかな・・と思ったり(笑)。

 

実は今年のコンペに向けて、現代曲を2曲ほど選び、高い楽譜(泣)も取り寄せていたのですが、毎年同じようなことをしてもなあ~と。

ちょうどそのころ、生徒でスクリャービン命の子がいることもあり(私自身は弾いたこともありませんでした・・・殴)、

自分にはないテクニック満載の、相当無理目な曲(でもだいぶマイナーな)を弾くことにしました。

その時点では長年の問題であった、指の不具合のことも解決してなかったのですが、それをかなり強引な方法でなんとかし、

「技巧的な曲である」と紹介されるような曲に挑戦したわけです。

正直言って、今までの練習方法や暗譜方法(年齢のせいもありますけど)だけでは難しいことだらけで、

ちゃんと練習に取り掛かれるまでの下準備期間が長く、曲そのものにちゃんと取り組んだのはここ2か月というところでしょうか?

今の時点では前に進んだのか後退したのかまったくわかりませんけど、

不思議なことに、ステップ、コンペのコメントにもこれまでいただいたことのない表現が並び(音や表情に関して)、

自分のもらったコメント用紙とは思えません(笑)。

もちろん相変わらずなところもあるんですけど、自分としては、ミニスカート&ハイヒールのお嬢さんに生まれかわったくらいの事件です(爆)。

 

5月以来のステップ・コンペを経てソロはますます恐怖になり、もうほんとに弾きたくないんですけど、

14~35歳という、大事な時期がそのままブランクだった私としては、

弾き続けないと教えられないという自転車操業状態ですし、

とりあえず65歳までと思っているピアノ期限を考えるとあと14年しかないわけです。

昨日、コンペ会場で昔からのコンペ仲間と再会し、「結果はともかく、それに向かって練習するというのが、とにかく幸せだしうれしい。ありがたいことだ」と盛り上がりました。

ほんとにそうだと思います。ありがたいことです。


松本和将ピアノリサイタル<ベートーヴェンソナタ全曲シリーズPart8>のお知らせ

2015年07月08日 14時36分58秒 | コンサート(企画、協力、出演 含む)

チャイコフスキーコンクールの2週間が終わり(ただネットで見てただけですけど)、ちょっとさびしいこの頃です。

時間が時間だっただけに(夜7~11のあとは夜中の1時開始とか)観ることができたのは、アーカイブを入れても半分いったかいかないか。

それでも、大変楽しませていただきました。

わが身と比べてはバチが当たりますが、とくにロシアなどは国の期待を背負ってのすさまじいプレッシャーの中、技術面だけとってもあれだけの精度、しかも個性音楽性豊かに表現できるとは、どれだけの時間をピアノと向かい合い、これまでの人生を捧げてきたのだろうか・・とただただ思うばかり。

結果は こちら

また ガラコンサート含めたすべてのアーカイブはこちらで (上のほうの楽器名、あるいは右サイドの楽器の絵をクリックします)

 

 

さてお知らせです。

過去7回で1~29番が演奏された、松本和将ピアノリサイタル<ベートーヴェンソナタ全曲シリーズ>ですが、

今月27日についに最終回(30~32番)を迎えます。

  (クリックすると大きくなります)

今回も会場はライフワンで、16時からリサイタル。それに先立って14時からは講座があります。

また終演後はホールにてレセプションパーティがあります(要予約)

 

ところで、前回の4月26日(日)については、記事を書いてなくて申し訳ないです。

書いてないだけで、ちゃんと聴きましたし、書く気になれなかったとかいうわけでもありません(笑)。

このころ、個人的に猛烈に時間がなかったため、すっかりタイミングを逃してしまいました。

27,28,29番でしたが、2か月以上たった今でも強烈に覚えていることがありまして、

それは27番の2楽章のことなんですね。

1楽章とくらべると、ちょっとシューベルトっぽいというか、いきなりロマン派?みたいな感じも受ける楽章なんですが、

この日は、どこまでいっても「ベートーヴェンだ」「ここも、あそこも、ずっとベートーヴェンだ」という気がしまして、

だからと言ってなにをもって「ベートーヴェンだ」と思ったのかと言われると困るのですが、

初めて1楽章2楽章通してのつじつまが自分の中で合ったような気がしました。

29番という大曲があったせいもありますが、音量、音響の面でかなりのボリュームがあり、席によっては、かなりの音圧でした。

たしか過去一回か二回、会場の仕切りを開けていたことがありましたが、あれくらい抜けたほうがいいのかな・・と思ったことを覚えております。

それもいろいろ難しい点があるので良し悪しではありますが。

 

2年がかりのチクルスの最終回、楽しみにしております。