~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

緊張いろいろ

2010年03月02日 23時19分16秒 | 私のピアノ歴
ショパンコンサートに出られたみなさん、そろそろ落ち着かれましたでしょうか?(笑)

今にして思えば、なんであんなに緊張してしまったのだろうか?・・・と首をかしげたくなっておられる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ず~っと子どものころから継続してステージに立たれている方は別として、大人になってから始められた方、10年20年ブランクがあっての方はどれだけ練習を積んでいたとしても、最後の最後で「あああ・・・」ということは珍しくないと思います。

私はおそらく大学卒業後、何年かに一度くらいは身内だけの小さな会(10~20人程度)に出ていたように記憶していますけど、これはだいたいソロでもなければ暗譜でもなかったと思います(つまり連弾だったということですね)。
ちゃんと「発表会」としてホールで弾いたのは、今から10年くらい前のことかな?・・・合同の発表会でしたので周りは知らない人だらけ。
シューマンの「幻想小曲集」から<飛翔><なぜ?>の2曲。いきなりシューマンかよ・・というわけで、暗譜が大変で大変で仕方なかったことを覚えています。おそらくこれは半年以上準備にかけています。

その頃はもちろん練習は電子ピアノ、子どもは幼稚園児だしで、毎日毎日大変なことでございました。
練習なんか「レッスンの前日慌てて」がよくある話で、先生もまあ「趣味なんだし、難しいことやらなくても」みたいな雰囲気で、ボチボチってところでしたね。
発表会も、いろいろな格好の娘さんたちがいて、レベルそのものはどうということはありませんでしたが、とにかく、そんな生活のなかでいきなりステージに出ること事態「ありえない」。・・・スカート履いて化粧することは「仮装」、3センチでもかかとのある靴なんて「竹馬」でした。
これだけでもうフツウではないので、ましてグランドピアノを弾くなんて「信じられない」。
当時は先生の都合でレッスンもアップライトでしたので、3本まともにペダルがあるだけで「おお~・・」てなもんです。
はっきり言ってどうやって弾いてたのかもわかりません(汗)。


それまでは子どもの時をふくめてそんなに「緊張した」記憶はなかったのですけど、そのときはかなり緊張しました。
それ以来、どうやって今に至ったのかというと長い話になってしまうので省略。
演奏そのものに関する緊張というのは、軽減したとは思えませんし、逆にひどくなった面もなきにしもあらずなのですけど、そのほかの要素はひとつひとつ身近なものになってように思います。

まずは、自宅の椅子が背付の調節椅子になったところで少し落ち着きました。
楽器も6年前からグランドピアノになったので、目の前の景色に慣れてきました。
あとは靴やら衣装やらは回を重ねるとだんだんなじんできて、
また演奏前に落ち着くために毎回いろいろヘンなことを試み(笑)、
そしてその儀式の中から「効いた」みたいなものを選び・・・などなど。
演奏以外のことについては日常に多少は近づいてきたように思います。

そうなるとなんですけど、
たとえば、コンクールなんかで全然知らない場所、知らない人ばっかりの中で弾くとしますね、
自分になじみのあるものというとピアノだけなんですよね。鍵盤だけ。
あるときから、「あそこにたどり着けばなんとかなる」みたいなへんな気持ちも出てきました。逆に鍵盤に触ると落ち着くという感じです。
時々思うのですけど、もしかすると海外のコンクールなんかで周りはライバルばかり、知らない言葉ばかり、日常のひとつひとつの行動で消耗する、みたいな状況になったら、ステージのピアノ周辺が一番ほっとできる空間ってこともあるんじゃなかろうか・・・・・。


自分もいろいろヘンなことやってきたと思うのですけど、
これまでヒトサマのヘンな様子も多々見てまいりました(だいたいコンペの話)。
本番直前いきなり饒舌になって誰彼かまわず袖で話しかける人とか、
ずーっと固まったまますわってるとか、
ずーっとウォークマン聴いてるとか、
楽譜の上でとにかく指を動かし続けてその音がうるさくて仕方ないとか、
トイレとひんぱんに往復してる、
・・・・・などなど。

意外にあるのが(コンペなどで)誰彼かまわず話しかける・・・で、
これは相手があることなので、ぜひやめていただきたいです(笑)。
たぶん緊張に耐え切れないんでしょうね。
できたら独り言もやめていただけるとうれしいです。


たぶん自分もヘンなことしてると思うのでこれくらいにして・・・、と。
そうそう以前も書きましたけど、指揮者のコバケンさんは楽屋で真裸になられるそうですねえ~。
これはなんかわかるような気がします・・・(逃)