温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

湯田湯本温泉 旅館一城

2015年05月24日 | 岩手県
 
昨秋の某日、釣瓶落としと喩えられるほど早く落ちてしまう夕陽が暮れ、辺りが真っ暗になった夕方5時半頃に、その日の汗を流すべく岩手県の湯田湯本温泉へ立ち寄りました。今回お邪魔したのは温泉街の中ほど、足湯が併設された公共駐車場からも近い「旅館一城」です。玄関にて入浴をお願いしますと、お宿の方が浴室の様子を確認した後に、入浴OKとなりました。玄関ホールには立派な鎧甲冑が飾られているのですが、城という宿名に因んでいるのかな。かつては「城」という名前の民宿だったそうですが、旅館へ格上げした際、頭に「一」を付けたんだとか。


 
ロビー右手に伸びる廊下を進んでゆくと、鈎状にクランクした先に浴室の暖簾が掛かっていました。訪問時は廊下・浴室とも真っ暗で、後述する浴室の床も乾燥していましたから、おそらくこの日はまだ宿泊客がお風呂に入っていなかったようです。お泊まりの方に先んじて、日帰り入浴の私が入らせていただいたわけですが、なんだかちょっと申し訳ない気もします。

脱衣室の内部は標準的。2台並ぶ洗面台の間には、ドライヤーや宿泊客用のアメニティが用意されています。なおロッカーは見当たりませんでした。室内には2つの分析表が掲示されており、ひとつは昭和55年の3号泉、もうひとつは平成11年の5号泉。いずれもものすごく熱い源泉ですね。両者がどのような関係にあるのか、たとえば3号泉と5号泉を混合させているのか、はたまた3号泉は過去のもので、現在は5号泉オンリーなのか、よくわかりません


 
お風呂は男女別の内湯のみで、露天風呂はありません。男湯はグリーン一色のタイル貼り。
石膏の裸婦像からお湯がドバドバと勢い良く流れでています。裸婦像はこのお風呂の象徴的存在。造り物だとわかっていながら、つい胸の方に目が行ってしまうのは、男の哀しい性であります…。


 
右手には7台のシャワー付きカランが一列に並んでおり、ここからちょっと離れた出入口付近にも立って使うシャワーが1台設けられています。


 
浴槽は7.5m×3mで、ゆったりと入れる大きさです。奥の方は洗い場側へちょっと食い込んでおり、その分ステップが広く確保されていました。
エロい意味ではなく、あくまで興味本位で裸婦像下の湯口内部を覗いてみますと、2方向からお湯が注がれていました。壁から水平方向に突き出ているパイプのお湯はややぬるめなのですが、下から上がってくるお湯が激熱です。この2つをミックスさせることにより、温度調整をしているのでしょうね。なお湯船のお湯は私の体感で42℃前後なのですが、大きな浴槽なのに湯口がひとつしかないため、裸婦像から最も離れている脱衣室側では若干ぬるくなっていました。
なお、浴槽からのオーバーフローは見られないのですが、その代わり裸婦像の右下側面底部に穴があいており、ここから結構な力でお湯が吸い込まれていました。単なる排湯なのか、あるいは循環吸引口なのかはよくわかりませんが、上述のように湯口の内部では2つの異なる温度のお湯がミックスされており、一方は適温だったわけですから、もう一方は加水されているか、あるいは循環のお湯なのかもしれません。
お湯は無色透明。当地のお湯は芒硝感が際立っているはずですが、なぜかこのお風呂に限っては、これといった知覚的特徴が弱く、微かに塩味があったかもしれないなぁと言った程度です。湯使いの影響で、源泉が持つ本来の個性が喪失しちゃっているのかもしれません。基本的には芒硝泉ですが、比較的マイルドで癖は弱め。熱いお湯が多い湯田湯本温泉にあって、こちらのお風呂は適温がキープされているので、アッサリとしたお湯が好みの方には良いかと思います。退館時にはスタッフの方が丁寧にお辞儀してくださいました。


第5号泉
ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 97.0℃ pH8.1 410L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質1.7980g/kg 成分総計1.7988g/kg
Na+:437.6mg(79.82mval%), Ca++:85.1mg(17.83mval%),
F-:6.5mg, Cl-:330.8mg(39.14mval%), SO4--:632.2mg(55.20mval%), HCO3-:60.9mg,
H2SiO3:219.0mg,
(平成11年9月2日)

岩手県和賀郡西和賀町湯本30-82-3
0197-82-3791
ホームページ

日帰り入浴時間不明
300円
シャンプー類・ドライヤーあり、ロッカーなし

私の好み:★★

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