温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

東鳴子温泉 中鉢温泉 2016年4月再訪

2017年01月20日 | 宮城県
 
鳴子温泉郷では多様な泉質の温泉が湧出していますが、東鳴子温泉と川渡温泉の境界に当たるエリアは、私が大好きなモール泉系重曹泉の分布域であるため、鳴子の中でも特に贔屓にしたくなるエリアです。今回取り上げる「中鉢旅館」は、拙ブログで約6年前に取り上げたことがありますが(当時の記事はこちら)、久しぶりに飴色の重曹泉に入りたくなったので、立ち寄り入浴で再訪することにしました。余談ですが、中学と高校で私と同窓だった中鉢君は、お父さんが仙台出身だと言っていたのですが、全国的に見れば珍しい中鉢さんという姓は、旧仙台藩領に多い苗字なのでしょうか。
駐車場に車を止め、平屋の別棟を貫く通路を抜けて、母屋の玄関へと向かいます。


 
本館の玄関周りは前回取り上げた時とほとんど変わっておらず、その安定性にホッとします。でも玄関近くにある源泉前の蹲踞には、かつては筧からチョロチョロとお湯が注がれていましたが、今回訪問時はそれが止められていました。



帳場のカウンター脇に設置されている券売機で料金を支払い、廊下を進んで浴室へ。


 

総木造の浴室には太い柱が立ち、その柱に支えられた高い天井には立派な梁が組まれています。床には十和田石が敷かれているので、足から伝わる感触が良好です。静かで品の良い、落ち着いた趣きのあるお風呂です。浴室の片側には洗い場が配置されており、真湯の出るシャワー付きカランが5基一列に並んでいました。


 

内湯の浴槽は(目測で)2.5m×4mの大きな四角い石風呂。湯口から間断なくお湯が注がれており、浴槽縁に2ヶ所ある切り欠けからお湯が溢れ出ていました。そして湯口や切り欠けなどには薄っすらと白い湯の華が付着していました。完全放流式の湯使いですが、投入量をうまく塩梅することによって、湯船は42〜3℃という入り応えのある湯加減に調整されており、肩までお湯に浸かると思わず「ふぅ」と息を漏らしてしまいました。


 

露天風呂も以前訪問時と変わりありません。東屋で屋根掛けされた日本庭園に岩風呂が設えられ、石囲みの湯口からお湯がふんだんに供給されています。5〜6人サイズのこの露天風呂は、内湯同様に放流式の湯使いですが、外気の影響を受けるためか、内湯よりもぬるくなっていました(私の体感で40℃前後か)。内湯は少々熱めですから、長湯するには露天の方が良いかもしれません。温泉成分の付着により、湯口の流路は灰白色に染まっていました。

前回取り上げた馬場温泉の近所に位置しており、いずれも泉質名は純重曹泉で、お湯の特徴は総じて言えば似たような感じですが、細かく見てゆくといろんな違いに気付きます。まず見た目ですが、馬場温泉では濃い紅茶色であるのに対し、こちらは琥珀色あるいは飴色と表現すべき色合いに微濁しています。そして湯中では同色の細かな湯の華が浮遊しています。泡付きに関しては、馬場温泉の1号源泉(外の湯小屋)と2号源泉(内湯)の中間といった感じで、1分以上浸かっていると肌に気泡が少しずつ付いてきました。湯面からは油性インクのようなアブラ臭と木材臭をミックスしたような香りが漂い、お湯を口に含むと口腔粘膜がイガイガする焦げたような苦味、重曹的清涼感、そして少々の甘味が感じられました。湯に浸かるとツルツルスベスベの滑らかな浴感に包まれ、湯上がりは粗熱の抜けが良く、さっぱり爽快な気持ち良さが持続しました。立派な浴室と露天の両方に入れ、しかもツルスベの重曹泉で湯上がり爽快という、私の好みのストライクゾーンど真ん中に嵌る素晴らしいお湯でした。


石割の梅源泉
ナトリウム-炭酸水素塩温泉 50.3℃ pH7.1 62.8L/min(掘削自噴) 溶存物質1130.4mg/kg 成分総計1265.4mg/kg
Na+:215.8mg(80.67mval%), Ca++:18.8mg, Mg++:7.4mg, Fe++&Fe+++:1.0mg,
Cl-:16.7mg, HS-:0.2mg, S2O3--:0.2mg, SO4--:55.9mg(9.97mval%), HCO3-:589.5mg(83.06mval%),
H2SiO3:188.2mg, CO2:134.8mg, H2S:0.2mg,
(平成21年11月4日)

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅より徒歩25分(2.0km)
宮城県大崎市鳴子温泉要害38−5  地図
0229-84-7951
ホームページ

立ち寄り入浴11:00〜17:00
500円(湯めぐりシール使用不可)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

東鳴子温泉 馬場温泉の内風呂

2017年01月18日 | 宮城県
 

鳴子の馬場温泉といえば、敷地内の湯小屋(左下or最下画像)がマニア垂涎の極上湯として有名で、私も何度かお世話になっていますが、お宿の内湯には何年もの間ご無沙汰でしたので、鳴子へ立ち寄った某日、久しぶりに内湯で日帰り入浴することにしました。


 
鳴子の湯めぐりチケットを片手に玄関を入って入浴をお願いしますと、スムーズに対応してくださいました。



フローリングの館内は明るく綺麗。浴場出入口は帳場の右斜め前。男女が隣り合わせで並んでいます。
クランク状に折れ曲がっている脱衣室を抜けてお風呂へ。


 
浴室に入った途端、芳しいモール泉の香りに包まれました。白いタイル張りの室内窓側に後述する浴槽が据えられ、その手前右側に洗い場が配置されています。洗い場には真湯の出るシャワー付きカランが3基並んでいました。



浴槽はほぼ三角形ですが、細かく観察しますと野球のホームベースを歪めたような5角形をしており、7〜8人は入れそうなサイズを有しています。3mほどの手前側長辺には木材が用いられており、見た目に柔和な印象を与えていました。三角形の頂点に当たる最奧部にはお湯の排出口が口を開いており、浴槽のお湯は全量がそこから流れ去ってゆきます。湯使いは完全掛け流し。


 
室内のタイルはホワイトですが、浴槽内にはグレーのタイルが採用されており、お湯は紅茶のような濃い色を帯びているため、槽内底面が視認しにくく、またツルスベの強い泉質ゆえ滑りやすいので、足元を慎重に確認しながら湯船に入りました。
投入口からは絶え間なく温泉が投入されており、湯気とともに先述の芳香を放っています。紅茶色の湯中では同色系の薄くて細かい湯の華がチラホラと舞っていました。外の湯小屋に張られているお湯は馬場の湯1号という源泉ですが、こちらはそれと異なる馬場の湯2号源泉であり、1号泉と同じくモール泉の特徴がよく表れているものの、1号泉との決定的な違いは泡付きの多寡で、全身気泡に覆われる1号泉と異なり、この2号泉ではうぶ毛に細かな気泡が少々付着する程度なので、1号泉のアワアワを体感しちゃうと、ちょっと面白みに欠けるかもしれません。でも、ツルツルスベスベの大変滑らかな浴感や、燻した木材を連想させる芳醇な香り、そして口腔や喉の粘膜に苦味が残るような焦げ味がはっきりと感じられ、湯上がりの爽快感も極上。今回の入浴を通じて、泡付きを除けば決して1号泉に引けを取らない素晴らしいモール泉であることを再確認することができました。


馬場の湯2号
ナトリウム-炭酸水素塩温泉 48.0℃ pH6.9 溶存物質1573.5mg/kg 成分総計1087mg/kg
Na+:315.5mg(83.10mval%), Ca++:20.0mg(6.06mval%), NH4+:12.0mg, Mg++:8.3mg,
Cl-:53.1mg, I-:1.4mg, HS-:0.2mg, S2O3--:0.7mg, HCO3-:915.8mg(88.55mval%),
H2SiO3:199.8mg, CO2:195.0mg, H2S:0.2mg,
(平成26年11月6日)
加水加温循環消毒なし

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅より約15分(1.2km)
宮城県大崎市鳴子温泉字馬場102  地図
0229-83-3378

11:00~20:00(土曜は15:00まで)
500円(湯めぐりチケット2枚)
シャンプー類・ドライヤーあり、貴重品は帳場預かり

私の好み:★★★
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

栗駒・駒の湯温泉 まだ入れますよ(2016年の営業 もうすぐ終了)

2016年11月18日 | 宮城県
鹿児島県のネタを続けている途中ですが、ここでちょっとタイムリーなネタを挟み込ませてください。

応援を兼ねて拙ブログで何度かご紹介している宮城県栗駒の「駒の湯温泉」ですが、数日前、所用で宮城県へ出かけたついでに、思いつきでフラッと立ち寄ってまいりましたので、その時の様子を取り上げつつ、冬季休業を目前に控えた今季営業に関してご案内させていただきます。

雪深い当地は、冬になると雪に埋もれてしまいます。このため、雪が降る直前に営業を終了し、しばしのお休みを経て、翌年の春の雪解けを待って営業を再開します。

2016年に関しては、雪が降らなければ、11月20日(日曜)過ぎ、おそらく勤労感謝の日(11月23日・水曜)頃までは営業できる模様です。その後、24日もしくは25日頃に水道を止めてしまいますので、このタイミングを以って今年の営業を終了し、長い冬籠りへと入ります。

まだ駒の湯へ入っていない方、もしくは今年もう一回入りたいと思っている方は、今週末か勤労感謝の日が今年最後の機会になるかと思いますので、心残りが無いよう、皆様こぞってぜひ駒の湯温泉へお出かけください。なお気象状況や水道凍結など、諸事情によって冬季休業の予定が前倒しされる可能性もありますので、お出かけ前には駒の湯のFacebook公式サイトでご確認ください(Facebookはアカウントをお持ちでなくても閲覧できます)。

さて、ここからは先日私が伺った時の簡単なレポートです。


 
里ではまだ紅葉が残っていましたが、山を上がるにつれて木々はもう既に葉を落としており、地面には落ち葉が分厚く積もっていました。この落ち葉が腐葉土になり、来春以降の栄養になるのでしょう。



長い坂道を上がって栗駒英耕地区へやってきました。栗駒山の上の方は雪化粧をしていますね。この数日前には十数センチの積雪があったのですが、まだ本格的な冷え込みには至っていないので、すぐに溶けて、ご覧のように雪は完全に消えていました。道路は乾燥路面です。このまま雪が降らなければ、お日さまが上がっている日中でしたら、路面凍結の心配をすることなく安心してドライブできるはずです。


 
十字路を右折して駒の湯へ。なお路肩に見える白いものは、雪ではなく土嚢です。後述するように駒の湯では既に冬支度を始めていますので、幟など目立つものを片付けてしまっており、この十字路に幟が一本立っているだけですから、この光景を見て「あれ? やってるのかな?」とちょっと不安を抱く方もいらっしゃるかと思いますが、まだちゃんと営業しています。


 
左の建物は昨年に建てられた湯小屋、そして右は今年の夏にオープンした受付・食事処・休憩室を内包する建物です。
まずは右の建物で受付を済ませます。
私が訪れた数日前には、有志の方々が集まって冬支度の作業が行われたため、湯小屋まわりは小ざっぱりしていましたが、いっぺんに片付けることができず、できるところから少しずつ作業をしている途中なので、このような状況になっているんですね。なお今週末の20日にも作業が行われるんだそうです。



湯小屋は手前側が男湯で、奥が女湯。


 
昨年復活した駒の湯温泉。湯小屋の大きな窓から眺める木々の美しさは、何度見ても素晴らしい。周辺の森はすっかり葉を落として冬支度を済ませていましたが、葉が無いため、山々の稜線がはっきりと見え、視界も広がり、地形が織りなす曲線美を楽しむことができました。今の時期ならではの光景です。


 
いつものようにお湯がドバドバ大量投入されていました。清掃して間もないタイミングだったためか、この日は湯花も少なくクリアなお湯を楽しむことができました。
先日駒の湯のお湯に関して「寒くなると、お湯の温度も下がるんじゃないですか?」というお問い合わせを頂戴したのですが、少なくとも営業期間内は心配ご無用。と申しますのも、なにしろ湯量が多くて流れる勢いが強いので、冷める間も無く一気に源泉からお風呂へ流れてくるのです。湯船の温度は一般的な温泉に比べると確かにぬるめですが、しっかり肩まで浸かってじっくり浸かれば、湯上がりには体の芯からポカポカします。あまりに気持ち良い湯加減なので、湯船に浸かりながらウトウトしてしまいました。

温泉療養に関して日本よりはるかに先進的であるヨーロッパにおいては、ぬるめのお湯に長く浸かることが推奨されております。日本のような熱いお風呂ですと、心臓など身体への負担が大きく、湯上がり後の発汗によって湯冷めするおそれもあります。冬季の熱いお風呂は血管を急激に収縮させるため、お年寄りにとっては命がけです。
一方、ぬる湯に長く浸かれば体への負担が軽い状態で血行も良くなり、無駄な発汗もありません。これによってしっかりと温まることができるんですね。駒の湯のぬる湯は体に優しいのです。


 
お風呂上がりには、食事処でおそばをいただきました。この時注文したのは温かいきのこそばです(※)。北海道幌加内産のそば粉をご主人が真心込めて仕込んだ十割そば。栗駒山の四季を写した美しい写真を見ながらいただくおそばはとても美味しく、ご主人や奥様とのおしゃべりも弾みます。なおお蕎麦を仕込める数には限りがありますので、売切御免ということで悪しからず。お蕎麦の仕込み状況に関しても、駒の湯のFacebook公式サイトでご確認ください。
(参考)
 もりそば:普通盛り600円・大盛り800円・お子様用400円
 きのこそば:800円・子供用500円
 このほか、コーヒー・カフェオレ・ココア・ジュースなどカフェメニューもあります
(※)画像にはお蕎麦の他に小鉢の類が写っていますが、これは偶々オマケしてもらったものであり、通常メニューには含まれていませんので、その点はご了承ください。


 
上述したようにこの温泉は冬季休業するため、クリスマスまで営業することはできませんが、せめて気持ちだけでも・・・ということで室内にはクリスマスツリーが飾られていました。



食事処の隣にあるのは休憩室。利用料は入浴込みで2時間800円、3時間1000円です。おそば+お風呂+休憩+コーヒーのサービスというパッケージで1400円という「休憩室コース」もあります。時間内は何度もお風呂に入れますから、ゆっくりお過ごしになりたい方は、このコース利用もよろしいかと思います(宿泊はできません)。

冒頭でも申し上げましたが、今年は(天候によりますが)来週の半ば(11月20日〜23日頃)まで営業を続けるそうですので、お時間のある方や、ぬる湯でゆっくりなさりたい方は、このチャンスを逃さないよう、駒の湯へお急ぎください。
今シーズンはもうすぐ終了しますが、来春以降もこの記事で紹介したスタイルでの営業が続けられるかと思われますので、来年以降の訪問をご検討の方も、よろしければ当記事を参考になさってください。

次回記事からは再び鹿児島県の温泉ネタに戻ります。

.
コメント (3)
この記事をはてなブックマークに追加

川渡温泉 川渡温泉浴場 2015年11月再訪

2016年10月27日 | 宮城県
 
前回記事の「久田旅館」を出た後はそのまま寄り道せずに帰ろうかと考えていたのですが、川渡温泉に差し掛かった時、無性に川渡の湯に浸かりたくなったので、久しぶりに当地の共同浴場へ立ち寄ってみました。拙ブログでは2009年以来、6年ぶりの再登場となりますが(以前の記事はこちら)、私個人ではその間にも何度か利用しております。こちらの温泉の素晴らしさは温泉ファンのみならず多くの方によって語り尽くされていますので、半可通な私が下手なことを申し上げて藪蛇にならないよう(半可通が露呈しないよう)、今回記事ではサクサクっと簡潔に述べてまいります。


 
駐車場は付近にある公民館のものを使えますので、くれぐれも路駐はしないようにお願いします。
こちらの共同浴場は無人ですので、脱衣室に括りつけられた料金箱へセルフで湯銭を納めます。湯気や湯浴み客の息吹が長年にわたって染み込んでいる総木造の湯屋からは、独特の風情が感じられます。脱衣室内にある備品といえば棚と時計ぐらいで、至って質素なのですが、扇風機がないかわりに手動扇風機こと団扇が用意されており、湯上がりにありがたく使わせていただきました。
脱衣室と浴室を仕切る壁にはガラス窓が嵌められており、双方を見通すことができるのですが、こうすることによって脱衣室の狭隘感を払拭すると同時に、防犯としての機能も期待されているのでしょう。


 
総木造の浴室には湯気とともに川渡温泉ならではの湯の香が漂っていました。総木造とはいえ、お湯がかかりやすい床や、床から立ち上がり1m強の壁はタイル貼りで、御影石で縁取られた浴槽もタイル張りです。水栓の類は壁に沿って水道の蛇口が2つあるばかりで、シャワーなんて贅沢なものはありません。浴槽上の壁にはルーバーが取り付けられていますが、これは硫化水素中毒を防ぐための換気口かと思われます。

浴槽は2.5m×3.5mで10人以上は入れそうな容量があり、角のRがビジュアル的に柔和な印象をもたらしています。このお風呂は浴槽にお湯を注ぐ湯口が特徴的で、パイプから吐出されたお湯は一旦木枡へ落とされ、水道で加水されてから、湯船へと流れ込んでいます。湯使いは加水した上での放流式であり加温循環消毒は行われていません。浴槽を満たしたお湯は間断なく縁の上を溢れ出ており、縁直下に刻まれた溝へ落ちて浴場外へ排出されていました。

綺麗な淡いウグイス色のお湯は底が見えないほど濁っているのですが、その濁りをもたらしているのは湯中で無数に舞う湯の花。溶き卵を細かくしたような白や黄色の湯の花がたくさん浮遊しているんですね。湯船に浸かるとツルスベの滑らかな浴感が大変気持ち良く、お湯を口に含むといかにも川渡温泉らしい焦げたような感覚やアブラ感を伴うタマゴ味とタマゴ臭が感じられました。また湯上がりには体からスッと粗熱が抜けて心身爽快になりました。硫黄泉でありながら、重曹泉的な知覚的感覚がはっきりと存在感を主張しているところが、川渡温泉を名湯たらしめている大きな特徴と言えるでしょう。
ところで、私の個人的感覚で申し訳ないのですが、川渡の共同浴場はピリッと熱くて体が赤くなるいう先入観があるんです。しかしながら、この時のお風呂はどちらかといえばぬるめであり、しかも加水も殆ど行われていませんでした。常連さんに声をかけてみましたが、異口同音に「今日はぬるいなぁ」とおっしゃっていました。温泉は自然の恵みですからコンディションは常に変化するものであり、この時はたまたまぬるめに湧出していたのでしょう。でもそのおかげでじっくり長湯でき、湯船から出ようと思っても後ろ髪を引かれて出るに出られず、かなり長湯してしまいました。硫化水素と重曹のハーモニーが絶妙な素晴らしい名湯であることを、改めて実感させていただきました。


川渡支所前源泉
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩温泉 52.6℃ pH7.6 107.7L/min(掘削自噴) 溶存物質1128.3mg/kg 成分総計1155.8mg/kg
Na+:223.4mg(79.09mval%), Ca++:31.6mg(12.86mval%),
Cl-:31.8mg, HS-:8.5mg, S2O3--:8.5mg, SO4--:43.6mg, HCO3-:589.6mg(81.31mval%),
H2SiO3:166.4mg, H2S:2.7mg,
(平成20年12月5日)

JR陸羽東線・川渡温泉駅より徒歩16~7分
宮城県大崎市鳴子温泉字川渡  地図
鳴子温泉郷観光協会公式サイト

6:00〜22:00
200円(湯めぐりシール使用不可)
備品類なし

私の好み:★★★
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

東鳴子温泉 久田旅館

2016年10月25日 | 宮城県
 
久しぶりに鳴子温泉郷を取り上げましょう。今回ピックアップするのは、東鳴子エリアの「久田(きゅうでん)旅館」です。鳴子御殿湯駅や国道47号線から行く場合、橋で川を渡って旅館「紅せん」前の丁字路を右折し、線路を潜った先の左側に位置しています。東鳴子エリアの他の宿とは離れているため、まるで一軒宿のようなロケーションです。



今回は日帰り入浴での利用です。玄関に置かれたイーゼルには、日帰り入浴に関する案内プレートが掲げられていました。これによれば内湯と露天で泉質が異なるようですね。詳しくは後ほど。帳場で直接湯銭を支払い、廊下を歩いて浴場へと向かいます。なおこちらでは鳴子温泉郷の各温泉で使える「湯めぐりチケット」の利用も可能ですよ(所要シールの枚数は2枚です)。


 
ファサードこそ渋くて素朴な、いかにも東北の湯治宿を思わせる佇まいですが、館内は部分的に修繕されており、特に浴場やその周辺は和の趣きをコンセプトにして綺麗に改装されていました。紅葉が美しい中庭を見ながら浴室の暖簾をくぐります。


 
脱衣室はややコンパクトなつくりですが、隅々まで綺麗にお手入れされており、またエアコンが設置されているので、四季を通じて快適に着替えられるかと思います。


 
日が傾きかけている時間に訪問したため、薄暗い画像になっちゃいましたが、浴室は2方向が大きなガラス窓になっているため、実際の床面積以上の広さや開放感を得ることができました。一方、室内の壁沿いには洗い場が配置され、シャワー付きカランが4基並んでいました。


 

内湯で使われている源泉は、分析書によれば「久田2号泉」と称し、泉質名としては純重曹泉と記されています。隅っこの湯口からドボドボと大量に供給されているこのお湯の特徴を大雑把に表現すると、東鳴子から川渡にかけての一帯で湧く温泉に共通して見られるモール泉的なタイプであり、湯船のお湯はコーヒーを薄めたような淡い琥珀色を帯びた透明で、少々の清涼感を伴うほろ苦味を有し、モール臭に少々の焦げ臭とアブラ臭的な匂いがミックスされて香っていました。そして湯中では重曹泉らしい大変滑らかなツルツルスベスベ浴感を楽しむことができました。

浴槽は(目測で)2.5m×3.5mの方形で、おおよそ10人サイズ。槽内はタイル貼りですが縁には御影石が採用されており、縁の切欠からお湯がしっかりと溢れ出ていました。湯温調整のため加水されているものの、贅沢に掛け流されている放流式の湯使いです。


 
ドアから屋外に出るとすぐ左手に露天風呂が設けられています。この露天風呂ゾーンは庇に覆われており、庇の先では目隠しの塀が立ちはだかっているため、庭園の木々が視界に入ってくるものの、露天風呂に期待したい開放感よりもむしろ閉塞感の方が強いのですが、温泉風情を醸し出すためか、浴槽の真上だけは東屋が設置されていました。ちなみにこの宿の真裏には陸羽東線の線路が敷かれており、私が入浴していると、タイミングよく仙台行の快速「リゾートみのり」がエグゾーストを響かせながら軽快に走り去っていきました(高い塀は線路に対する目隠しのため?)。


 
 
露天の浴槽は1.8m四方の石造り。こちらに引かれているお湯は「久田1号泉」と称し、泉質名は含食塩重曹-硫黄泉。モール泉系だった内湯とは全く異なるタイプのお湯で、湯船のお湯はわずかに青色を帯びているような灰白色にはっきりと濁っており、湯中では溶き卵のような白い湯の花がユラユラと舞っています。そして私が湯船に入ると沈殿していた湯の花が一斉に舞い上がり、濁り方がますます強くなりました。こちらのお湯も温度調整のために加水されているそうですが、私の訪問時における湯口の温度はかなり高く、その代わり湯量を絞ることによって湯加減を調整しているようであり、実際に湯船では微睡みを誘うような40℃前後の湯加減となっていました。内湯同様に放流式の湯使いであり、浴槽縁の切欠からしっかりと溢れ出ています。
お湯からはタマゴ臭と軟式テニスボール的なゴム臭がミックスされたような硫化水素臭が香り、テイスティングしてみますと塩味・卵黄味・苦味が文字通り三位(味)一体となって口の中に広がりました。私個人の感覚としては、純重曹泉の内湯よりもこの白濁露天風呂の方がツルスベ浴感を強く感じ、ヌルヌルに近いような感触も得られたように記憶しています。

タイプが異なる2つの源泉を一度に楽しめ、しかも両方のお湯ともに良質で掛け流しという、実にユニークで利用価値の高いお風呂でした。


久田1号泉
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 68.6℃ pH7.4 蒸発残留物2666mg/kg 溶存物質3169.0mg/kg
Na+:914.3mg(96.72mval%),
Cl-:788.3mg(50.71mval%), HS-:2.3mg, S2O3--:0.5mg, SO4--:106.3mg, HCO3-:1164mg(43.50mval%),
H2SiO3:108.5mg, HBO2:46.3mg, CO2:315.3mg, H2S:1.1mg,
(平成20年10月23日)
加水あり(源泉温度が高いため)
加温循環消毒なし

久田2号泉
ナトリウム-炭酸水素塩温泉 57.5℃ pH7.2 蒸発残留物983.2mg/kg 溶存物質1284.5mg/kg
Na+:276.1mg(91.54mval%),
Cl-:88.5mg(18.74mval%), HS-:0.3mg, S2O3--:0.2mg, SO4--:30.2mg, HCO3-:614.0mg(75.41mval%),
H2SiO3:237.9mg, CO2:102.3mg, H2S:0.2mg,
(平成20年10月23日)
加水あり(源泉温度が高いため)
加温循環消毒なし

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅より徒歩10分(約900m)
宮城県大崎市鳴子温泉字久田67  地図
0229-84-7639
ホームページ

日帰り入浴11:00〜18:00
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加