温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

ダルヤン旅行記 その2(宿泊・ダルヤンからデニズリへ)

2015年01月06日 | トルコ
前回記事の続編です。
※今回も温泉は登場しません。あしからず。



●ホテル
ダルヤンはリゾート地だけあって宿泊施設は多く、最盛期の夏でも宿にあぶれるようなことは無いんだとか。当地ではいろんなグレードのホテルを選ぶことができるが、どちらかといえば、中小規模のこぢんまりとしたホテルやペンションが多数派のようだ。


 
今回一晩お世話になったのは、ロータリーの南東へ徒歩5分ほどの位置にあるハン・ダルヤン・ホテル(英語版ホームページ)。30ほどの客室が中央の真っ青なプールを囲んでおり、一見するとちょっと豪華なリゾートホテルに思えるが、実際にはほのぼのとした家族経営であり、特に私が利用した日は数組の長期滞在者と私しか宿泊客がいなかったので、オーナーのおじさんは私のファーストネームを一発で覚え、親切にいろいろと面倒を見てくれた。


 
今回あてがわれた客室は2階のテラス付きスタンダードルーム。テレビや冷蔵庫、エアコンなど一通りの設備は揃っており、Wifiも普通に使える。部屋にはトイレとシャワールームが備え付けられており、シャワーには飛び散り防止のパーテーションが設けられていた。これだけちゃんと揃っている部屋でありながら、1泊朝食付きで約3500円なのだからありがたい。
今回泊まったのは10月下旬。イスタンブールは初冬の肌寒さであったが、小春日和という表現が正しいのか、エーゲ海地域のダルヤンは同じ時期でも温暖であり、Tシャツ一枚で快適に過ごせたから、当地で一通りの観光を終えた私は、部屋に戻ってからTシャツのまま、このテラスで缶ビールをグビグビやって、のんびりとした時間を過ごした。



ホテルのオーナーのおじさんに感謝しなきゃいけないのが、この朝食である。こちらのホテルでは通常朝食は8時からスタートなのだが、その日の予定の都合でどうしてもダルヤンを朝7:15発車のバスに乗りたかったので、その旨をおじさんに伝えて相談したところ、おじさんは私のためだけに、朝食を6:45に用意してくれることを快く了承してくれたのである。
翌朝おじさんは約束通りに食事を作り、笑顔で私の前に並べてくれた。イレギュラーな申し出に快く対応してくれたおかげで、無事予定通りのバスに乗れ、この日はとても効率よく各地を巡ることができたのである。シーズンオフだから余裕があったのかもしれないが、家族経営ならではの温かさと柔軟さに助けられた。


●ダルヤンからデニズリ(Denizli)へ

さてホテルのおじさんに無理を言って早めに朝食を済ませた私は、ダルヤンを7:15に出る朝一番のミニバスでオルタジャ(Ortaca)へ戻る。


 
通勤通学の時間帯だからか、バスは途中で何度も停まり、次々に客を乗せ、まさに缶詰のようにギッシリ満員となって、7:45頃にオルタジャのオトガルに着いた。
この日の目的地は、世界遺産パムッカレの玄関口であるデニズリ(Denizli)である。この地域には鉄道が無いので、中長距離バスが唯一の移動手段であり、トルコ大手のバス会社であるMETROや、デニズリ界隈で主力のバス会社Pamukkale Turizmなどによって、周辺の街からオルタジャを経由してデニズリへ向かうバスが運行されている。ただし本数は限られており、計画的に行動しないと一日を棒に振ってしまう。当初は評判の良いPamukkale Turizmの11:00発デニズリ行に乗車するつもりだったが、オトガルでPamukkale Turizmの隣に窓口を構えている、ネットでも調べるのが難しいような地元資本の小さなバス会社が8:30発という早い時間帯に運行しており、これに乗ればお昼にデニズリへ到着できる。しかも大手のバスより安くて所要時間も短い。この早いバスに乗りたいがため、ホテルのおじさんに無理をお願いしたわけだ。
早速窓口で切符を購入したところ、余裕で座席を確保できた。運賃は37リラ(2000円弱)。


 
この短い車体のバスが、私をデニズリまで連れて行ってくれたオルタジャ社のバス。他社と違ってここが始発点なので、乗り込みに慌てることなく、ゆったり乗車できた。


 
無名な会社の安いバスだが、車内は綺麗で、ごく普通の2×2列シートが並んでおり、シートピッチも問題ない。座席番号はアームレストの下に振られていた。


 
画像左はバスのチケット。英語が併記されているので、印字内容の読み取りには問題ない。
トルコの大手バス会社だと、えてして各座席にシートモニターが設けられているが、所詮は安いバスなので、そんな豪華な設備はない。でもトルコのバスでは欠かせない車内サービスはちゃんと実施され、出発して30分ほど経った頃に、アテンダントのおじさんがお菓子やドリンクを乗客に提供してくれた。


 
エンジンを唸らせながら、クネクネの道で山を越えてゆく。
オルタジャを出発してから2時間半後の11時頃、田舎町のGSに停まって、約10分のトイレ休憩。


 

ここに限らず、中長距離バスが途中休憩するようなGSにはドライブイン的な商業施設が付帯しており、食堂や売店の他、おみやげコーナーもあった。なおトイレは有料。
私はチャイ(紅茶)を飲んで一服(たしか1or2リラ)。


 
ドライブインの一角では、赤いパプリカがテントの下で大量に干されていた。店の中を覗こうとしたが、タイミング悪くバスの出発時間になってしまったので、画像だけ撮って慌ててバスへ戻る。


 
休憩したGSから先は、中央分離帯のある片側2車線の立派な道を快走。広大な野っ原で家畜が草を食んでいたり、ジャーミー(いわゆるモスクのこと)を中心に赤い屋根の民家が建ち並ぶ長閑な集落を通過したりと、牧歌的な車窓がひたすら続く。


 
徐々に車窓の街並みが都市らしくなり…


 
昼の12:15にデニズリのオトガルへ到着した。オルタジャからの所要時間は3時間40分。無名のバス会社だったので乗る前はちょっと不安だったが、快適なバス旅であった。


 
デニズリのオトガルは今年オープンしたばかりだが、早くも10年選手のような貫禄と埃っぽさに溢れていた。地上階はエントランスロビー、地下1階は大型バスが乗り入れる長距離便の発着ホームと各種食堂、地下2階は中距離バスや近隣の路線バス・ミニバスの発着場と、3階層に分かれている。オルタジャからのバスは地下2階に到着した。
ここからパムッカレやその先の温泉地であるカラハユットへ行くミニバスに乗り継ぐのだが、それはまた、別の、おはなし(←「きかんしゃトーマス」のナレーションの森本レオ風に)。

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