温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

バックアイ温泉 Backeye Hot Springs 後編(下の湯)

2017年11月25日 | アメリカ
前回記事の続編です。
バックアイ温泉には2つの天然露天風呂があります。前回記事では斜面の上に設けられた露天風呂「上の湯」をご紹介しましたが、今回取り上げるのは、川面のそばにある「下の湯」です。


眺めの良い斜面上の露天風呂「上の湯」に入りながら目下を流れる渓流を見つめていると・・・



斜面と川が接するところに茶色い石灰華ドームがせり出ており、その表面からゆらゆらと湯気が上がっていることに気づきました。そこで・・・



一旦服に着替えて、斜面を下ってドームの前までやってきました。間近で見ると、かなり巨大で立派なドームであることがわかります。そしてドームの直下に大きな湯溜まりがあることも確認できます。


 
ドームの上の斜面には複数の源泉があり、湧出した温泉が斜面を流れ落ちる過程で石灰華ドームが形成されたのでしょう。あのような巨大なドームですから、相当長い年月を経ているものと思われます。源泉の中でも湧出量の多い箇所で温度を計測してみたら、60.1℃という数値が表示されました。なかなかの高温ですね。


 
湧出した温泉は斜面を下り、そしてドームの表面を流れ落ちてゆきます。絶え間ない温泉の流れが、ドームを少しずつ、そして着実に成長させているのでしょう。


 
ドームの上を流れてきた温泉は、湯気を上げながらドーム下の湯溜まりへ垂直に落ち、その湯溜まりを天然の露天風呂にしていました。誠に勝手ながら拙ブログではこの露天風呂を「下の湯」と名づけさせていただきます。



6~7人は余裕で入れそうなサイズを有するこのプリミティヴな露天風呂。ちょっと浅いので、寝そべらないと肩までお湯に浸かれませんが、広さは十分なので、うまい具合に場所を見つけて足を伸ばし、露天風呂を囲っている石組みを枕にして入浴すると、なかなかよい塩梅で湯浴みできます。ただし、川面とほぼ同レベル(水位)にあり、石組みで隔てているだけなので、川がちょっとでも増水したら、この湯船はたちまち川に飲み込まれてしまうでしょう。雪解けシーズンや長雨のタイミングですと、もしかしたら入浴できないかもしれません。


 
前置きが長くなりましたが、私もこの湯船に入ってみました。源泉で60℃近い高温だったお湯も、ここまで流れ落ちてくる間に冷却され、湯船では40.8℃という絶妙な湯加減に落ち着いていました。「上の湯」では湯泥の影響でグレーに濁っていたお湯も、この「下の湯」では無色透明な状態が維持されており、重炭酸土類泉のような特徴、すなわち弱金気や弱土気、そして仄かな炭酸らしさも感じられました。もうちょっと深さがあれば完璧なのですが、野湯にそんなことを期待するのは無いものねだり。これだけの要件が揃っているでも十分です。



ドームの下は大きくえぐれて洞窟のようになっているので、その中にも入ってみました。内部はちょっとしたミストサウナ状態。天然の蒸し風呂です。直射日光が遮られるので、落ち着いて入浴できるもの良いですね。私はこの天然蒸し風呂の中でしばらく瞑目しながら湯浴みさせていただきました。気持ち良かったですよ。

眺めの良い「上の湯」と石灰華ドーム直下の「下の湯」、それぞれ趣向が異なる2つの露天風呂が楽しめるバックアイ温泉。私は非常に気に入りました。おすすめです。



GPS:38.239846, -119.325792,(駐車場)

常時利用可能(ただし冬季はアクセス困難かも)
無料
野湯につき備品類なし

私の好み:★★★


さて、先月中旬から連続して取り上げてきましたアメリカの温泉シリーズは一旦ここで小休止。次々回からは日本の温泉に戻ります。

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